episode:7 心の壁を乗り越えて
この作品は天道暁によるオリジナルのスーパー戦隊作品です。現在放送されているスーパー戦隊シリーズを制作・放送している各団体とは一切関係ありません。
オープニングテーマ「your kind!」
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2025年2月12日、誤字報告を頂いた部分を修正しました。ありがとうございます。
皆様からのリアクションが励みになっております。妖怪の里よりお礼申し上げます。
妖怪の里。
春休みなので遊びに来た結月と、結月に誘われて一緒に来た千影。
二人は前回来たとき名前だけ聞いて気になっていた「食べ放題の海」に向けて歩いている。
大食妖怪ガキや尾鰭妖怪ニンギョ等は普段そこに住んでいるのだという。
「そういえば千影ちゃん、デリバリー以外のバイトは辞めたんだっけ?」
「うん、ヨーカイジャーの活動もあるし、一番楽しんでやれるデリバリーだけに絞ろうと思って」
「そっかー。確かに千影ちゃんにはデリバリーが一番似合ってる。だって、バイクに乗るときの千影ちゃん、すごく素敵だから……」
「ありがと。やっぱりバイト1つにして良かった。こうして結月と遊べる時間もできたし」
「それ嬉しべぶぉっ!!!!!?」
「どうしたの結びゃぎゅっ!!!!!?」
二人は見えない壁のような物にぶつかった。
「夢幻戦隊ヨーカイジャー」
episode:7「心の壁を乗り越えて」
「結月ちゃん千影ちゃーん! やほやっほー!」
放心状態だった二人は背後から聞こえた明るい声で我に返った。
「妖怪の里三大美女妖怪って言われてるうちの1体・ニンギョだよ!」
ヒト型の上半身、足の代わりに鯛のような尾鰭、明るい笑顔でダブルピースする尾鰭妖怪ニンギョ。
「ニンギョ!」
「ニンギョちゃんやほやっほー!」
「やほやっほー! 千影ちゃん、ボクの能力カード使ってくれてる?」
「実戦ではまだだけど、試しに発動してみたらすごいオシャレな感じだった」
「へぇー見てみたい!」
「ウンウン、千影ちゃんならきっとオシャレで美味しそうなニンギョになれるよっ!」
「いや美味しそうにはなりたくない」
「ねえねえ、三大美女妖怪って、他二人は誰?」
「三大美女妖怪は、ボクとネコマタンとキュービルン」
「あたし達のパートナーが?」
「ウン、ネコマタンもキュービルンも、妖怪の里で評判の美メス妖怪だよ!」
「へぇー、嬉しいなぁ」
「確かに3人とも綺麗でかわいいもんね」
「ありがとん! でも、キミ達も綺麗でかわいいよっ!」
「いやそんなそんな、千影ちゃんは確かに綺麗でかわいいけど……」
「ウンウンウン! 千影ちゃん初めて見たとき眩しくて尾鰭のた打ち回ったもん!」
「それな!」
「な!」
結月とニンギョのハイタッチ。
「待って待って待って」
「そんな千影ちゃんに更に美人になってもらうために、ボクのこの辺の肉をステーキにして食べてもらって……」
「それはもっと待って」
「ねえニンギョちゃん、あたし達この先の食べ放題の海って所に行きたいんだけど……」
「食べ放題の海!? あそこは良い所だよっ! その名の通り何でも食べ放題! 魚も昆布ももちろんボクの肉もばぎゅでっ!!!!!?」
ニンギョも見えない壁のような物にぶつかった。
「ね? これのせいであっちに行けないの」
「あーこれヌリカベだな」
「ここに妖怪がいるの?」
「ステルスモード? いや、だったらあたし達には見えるはずか」
「そういうのとは違って、この子の見えなくなる能力。その『ステルスモード』ってカラステングが最初に言い出したんだけどいつの間にか浸透したんだよねー。ってかカラステングってかっこよくない!? こうやってビューンって飛んでびびびびゃっ!!!!!?」
ニンギョはまた見えないヌリカベにぶつかった。
「あーもう! ちょっとヌリカベー?」
ニンギョが見えない壁のような物をノックすると、見えなかったそれに色が付き、オレンジ色の目が真ん中に付いたグレーのアワビの殻のような物が、乳白色の柱のような物にくっついて立っているのが見えた。
「このアワビみたいなのがヌリカベ?」
「うん。鉄壁妖怪ヌリカベ。ボクもこの子も食べ放題の海に住んでるんだけど、前にもこんな風に道塞いできたことあってさー」
「後ろの柱みたいなのは何?」
「実はあっちが本体。いつもは本体を下にして這って歩いてる。で、実はあの殻、取り外しできる」
ヌリカベの柱状の本体上部から2本の触角が生えた。
「あ、かわいい……」
「かわいいんだけどねぇ。ヌリカベ、ボク達向こう行きたいんだ」
ヌリカベは徐々にまた透明になっていった。
ニンギョはヌリカベがいた辺りで手を動かしてみる。
「よし、どいてくれた。行こう!」
結月と千影は足取り軽く、ニンギョは尾鰭で這って道を行く。
「ニンギョちゃん、陸歩くの大変じゃない?」
「ボク人間みたいな足にもなれるんだけど、その間なぜかしゃべれなくなるから、ちょっと疲れるけどこっちのほうがいい」
「そっかー。おしゃべりしながら歩いたほうが楽しいもんね」
「それな!」
またハイタッチ。
千影も巻き込まれてハイタッチ。
やがて一行は「食べ放題の海」に辿り着き、豊富な海産物をお腹一杯楽しんだ。
「ボクの肉も食べ放……」
「もうお腹いっぱいだから!!」
「そっかー」
翌朝。
目覚ましを掛けずに起きた結月。
午前9時。
昨日はいっぱい食べていっぱい遊んでいっぱい笑って、大好きな友達といっぱい一緒にいられて、帰ってから思い出と一緒にお風呂に入って、学校がある日より長く寝られたから気持ちいい。
新鮮な海の幸を堪能した次の日だからこそ、いつもより美味しく感じるいつものトースト。
歯を磨いて顔を洗ってお気に入りの服を着て、ピンクのリボンで最強JKの誇り・ツインテールを結んだら、今日も何か素敵なことが起きる予感に髪を揺らしながらスキップで家を飛び出し
「べびゅぶどっ!!!!!?」
見えない壁のような物にぶつかった。
結月は辺りを見渡して人がいないことを確認し、見えない壁のような物をノックした。
「ヌリカベちゃん?」
透明だったヌリカベに色が付き始める。
「あー見られちゃいけないから透明でいて!!!」
結月が慌て叫ぶと付き始めた色は消え、また透明になった。
「着いて来ちゃってたのかな……。とにかく、人に見られちゃうとびっくりされちゃうし、見えなくなってるときに車とかぶつかっちゃうとあぶないから、今日は妖怪の里に帰って。また千影ちゃんと一緒に遊びにいくから、ね?」
そう言って結月が目の前で手を動かすと、そこにヌリカベの感触は無くなっていた。
結月は見慣れた街の景色の中を歩き出す。
そこにはとびきり楽しい妖怪達はいないけど、人を脅かす悪魔もいない……少なくとも今のところは。
守るべきものたちの名前を付けることは結月をもってしてもできそうにないが、その愛おしさだけは名前が無くてもよくわかる。
通りかかった公園に沢山の鳩達。
彼らには見える何かを啄んでは歩き回る。
結月は鳩達を驚かせないようにゆっくりゆっくり足を動かし近付こうとする。
近付こうとする。
近付こうとする。
近付けない。
目の前をノックする。
「ヌリカベちゃんごめんね、今日は帰って」
ヌリカベはまたいなくなった。
コンビニに入ろう。
入れない。
綺麗な花が咲いている。
近付けない。
遠くからカンカン聞こえるけど走れば通れそうな踏切。
通れない。
遠くに見えた友達に似た後ろ姿。
「由香ちゃぶぎゅべらばっ!!!!!?」
公衆トイレに手探りしながら……駆け込めた。
新しく出来たパン屋さん。
美味しそうな匂いは近付いてくるのに。
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
結月はムゲンブレスの通信ボタンを押した。
「智和君あのね!!」
《結月か。拙者は智和ではないが拙者で良ければ話を……》
結月は通信を切り、よく確認してからまた通信ボタンを押した。
「智和君ぶぁのね!!」
《結月か。ぶぁのねって何だ?》
「ぶぁのね、ヌリカベちゃんが来ちゃったの!! 何回も道塞がれるの!! これ戦ったりとかしなきゃいけないやつかなー!? ヌリカベちゃんかわいいから戦いたくないんだけどー!?」
《ヌリカベが? そんな嫌がらせみたいなことするような奴じゃないんだがな……》
「え、スナカケちゃんみたいなイタズラっ子でもなくて?」
《いやヌリカベはむしろ大人しすぎるくらいの奴だぞ。他の妖怪にあまり心を開かなくて、唯一ニンギョとは他の妖怪よりは話せるみたいなんだが。あ、そのニンギョに行ってもらおうか? ニンギョなら人間に見られても問題ない姿になれるし》
「うん、お願い!」
結月は待ち合わせ場所を指定して通信を切った。
一方その頃、人気の無い春の砂浜。
海を見つめる2人の若者。
「俺やっぱ、美容師なれないと思う」
体育座りの青年が呟いた。
「何言ってんだよ諦めんなよ」
隣に立った青年が笑顔で励ます。
「俺には無理だったんだよ……」
「夢なんだろ? 諦めずにぶつかっていけよ」
「ぶつかって?」
「そうだよドーンとぶつかって……」
その瞬間、立っていた青年は高速で飛んできた何かにぶつかられて吹っ飛ばされ、数十メートル先の砂浜に叩き付けられた。
「四郎!?」
体育座りの青年が立ち上がり、吹っ飛ばされた青年に駆け寄る。
「四郎! しっかりしろ四郎! 四郎!」
叫んでも揺すっても返事が無い。
「四郎!」
叫ぶ青年の背後に立つ何者かが手の平に収まる大きさの金魚の模型のような物を翳すと、青年の頭からどす黒い煙のようなデビルギーが立ち上ぼり、金魚の模型のような物に吸収され始めた。
青年が気配に気付いて振り向くと、そこにいたのは5本腕のヒトデに似た姿、中央に火山のような口、その左右に頬紅を塗ったような赤い模様が付いた怪物。
「うわあああああああ!!!!!!」
デビルギーを立ち上ぼらせながら足場の悪い砂浜を走って逃げる青年。
怪物は金魚の模型のような物を口の中に仕舞い、体全体で手裏剣のように高速回転して飛び上がり、逃げる青年の背中に体当たりを食らわして吹っ飛ばす。
吹っ飛ばされた青年はもう1人の青年と同じく砂浜に叩き付けられ動かなくなった。
怪物は着地し、デビルギーが出なくなった青年を覗き込む。
「あらあら、いけない子ね、2匹とも殺してしまうなんて」
ラクダ型メカに乗ってやってきたグレモリー。
「デカラビア、人間が2匹以上いるときは、最低でも1匹は残すようにするの。そうすれば、その1匹からデビルギーを回収できるでしょ?」
グレモリーはヒトデ型の悪魔・デカラビアに優しい声で諭す。
「そうですよね。でも俺、手加減とか苦手でして……」
「なら、回数を重ねて慣れていくしかありませんわ。人間は沢山いるから、沢山試して、体は動けなくさせても意識は残させるくらいの痛め付け方を覚えていけばいいんですの。この人間どもの死骸は、他の人間や妖怪ちゃんに見つかると面倒だから、ワタクシが隠しておきますわね」
そう言うとグレモリーは、腰に結び付けた冠から砂を放出し、2人の青年の遺体を埋めて見えなくした。
「すみません、手間掛けさせちまって」
「いいのよ。他の人間が誰も見ていない状態で襲ったのは、とても良かったわ。これからはもう少し効率良くデビルギーを集められるように行動できるようになれば、もっと素敵ですわ」
「はい、頑張ります!」
デカラビアはまた回転飛行を開始、次なる犠牲者を求めて飛び去った。
結月はようやく入れたパン屋さんのストロベリーワッフルを頬張っていた。
視界の端の明るく揺れる空気感に気付いて目を向けると、人間のような足を生やし鯛の尾鰭を思わせる鮮やかな赤いワンピースを着たニンギョが、振り返る人々の視線に眩い残像を残しながら満面の笑顔で手を振り走ってきた。
「ニンギョちゃん! 綺麗……」
ニンギョは興奮した様子で何やら高速でジェスチャーする。
「そっか、足生やしてる間はしゃべれないんだっけ。えっと、クチバシ? 羽? そのワンピース……かわいいね。じゃなくて? 赤? ……あ、カラステング?」
ニンギョは高速で8回頷く。
「カラステングに? の? あ、カラステングのコクピットに乗れて? 嬉しーーーーーーー? 合ってる? 合ってた! そっかー良かったね、カラステングかっこいいって言ってたもんね!」
ニンギョは高速で16回頷く。
「カラステングは? 一旦帰ったんだ。 ……事件があったときに、マサチューセッツ工科大学? じゃなくて? あ、事件があったときに備えなきゃいけないから、妖怪の里に帰ってトレーニングしながら待機するんだ? 合ってる? 合ってた! そっかー」
ニンギョはようやく落ち着いて、腕組みして首を傾げだした。
「うん、ヌリカベちゃん。何回もあたしにとおせんぼするの。なんでかな。ニンギョちゃんも前にそんなことあったんでしょ?」
ニンギョは普通の速さで2回頷く。
「何か意味があるのかなー?」
「結月ちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!?????????」
突然の大声。
見ると、そこにいたのは先程後姿を目撃した学校の同級生。
「由香ちゃん!? 何今のティラノサウルスが爆発したみたいな声!?」
「結月ちゃん、ももももももしかして、そののののののののすんごいすんごいすんごい綺麗な人が、結月ちゃんがよく話してる千影ちゃんって人?」
「じゃなくて……」
ニンギョが由香に何やらジェスチャーする。
「マサチューセッツ工科大学?」
「じゃなくてこの人は千影ちゃんとは別の友達の……………………お!」
結月は手を「ポン!」と叩く。
「青海人魚ちゃん!」
「ニーナちゃん!? かわいい名前……」
ニンギョはその名前が気に入ったのか、結月の頭を手の平で円を描くように撫で回す。
「ってか結月ちゃんばっかり綺麗なお友達いてずるい! 一人ちょうだい!」
「そんな大福アイス1個ちょうだいみたいに言わなくても、ニーナちゃんだったら由香ちゃんとも友達になってくれるよ」
ニンギョは由香に握手の手を差し出す。
「はっ!? はっ!? はっ!? わ、私は結月ちゃんと同級生やらせてもらってます、田中由香です。フルネームは何となくリズムがいいです」
由香は震える両手でニンギョの手を包む。
なめらかな肌の感触に由香は目を潤ませる。
「同級生やらせてもらってますなんて日本語初めて聞いたけど、ニーナちゃん、由香ちゃんのこと気に入ってくれたみたい。ニーナちゃんしゃべれないけど、この顔見たらわかるでしょ?」
「わかる! わかる! すんごいかわいい!」
由香はその後、90°のお辞儀を何度も繰り返してから母親に頼まれていた買い物に向かった。
結月とニンギョはその後ろ姿を母親のような視線で見送った。
「由香ちゃんすんごい緊張してたね。そういえばあたしも、千影ちゃんと友達になるときは緊張したなー。んあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
結月はトリケラトプスが爆発したような声で叫び、その声で思わずズッこけたニンギョを助け起こした。
「わかった! ヌリカベちゃんが何したかったのか!!」
先日結月が悪魔ザオボスに「最強JK」を名乗った工業地帯。
ここなら人目につかないので、ニンギョは足を鯛のような尾鰭に戻した。
「ふぅ、これでしゃべれる」
「ニンギョちゃん、尾鰭に戻ってもそのワンピース似合うね!」
「でしょー? ボクのお気に入りなんだ! それで、ヌリカベがなんでとおせんぼするかわかったって?」
「うん。ヌリカベちゃーん! 近くにいたら出てきてー! あたしもヌリカベちゃんと友達になりたーい!」
結月が叫ぶと、近くの空間に徐々に徐々に殻のグレーと本体の乳白色の色が付き、透明だったヌリカベが姿を現した。
「友達?」
「そう! ヌリカベちゃん、あたしと友達になりたいって思ってくれてたんだけど、緊張しちゃって上手くあたしに伝えられなくて、それで何回もあたしの前に来てくれてたの」
「そっかー、さっきの由香ちゃんっていう面白い子みたいにか」
「あの子は普段はあんな感じじゃないんだけど……。でも緊張は伝わってきたでしょ? 今のヌリカベちゃんも、ニンギョちゃんにとおせんぼしてたときのヌリカベちゃんも、ただ緊張してただけだったの。そうでしょー?」
ヌリカベは2本の触角を出して頷くように縦に振った。
「ふふ、それかわいい」
「なるほどねー。そういうことなら言ってくれたらいいのに~」
ニンギョはヌリカベの本体をつんつんする。
結月もつんつんしてみるが、予想に反してぷにぷにはしていなかった。
ヌリカベは2本の触角の先を向かい合わせにして神経を集中させる。
するとヌリカベの体が光に包まれ、その光が集中して3枚のカードになり、結月の手元まで降りてきた。
「これって、ヌリカベちゃんの召喚カードと能力カード、それにこれ……くれるの?」
ヌリカベは2本の触角で軽やかに頷く。
「ありがとー!!」
結月はヌリカベに抱き付く。
「じゃあボクからも」
ニンギョが胸の前で手の平を向かい合わせて集中、能力カードを作り出して結月に手渡した。
「千影ちゃんとお揃い……にしてあげようと思ったのに千影ちゃんのとは絵柄が違うな。まあいいや、はい!」
「ニンギョちゃんもありがとー! ほんとだ、千影ちゃんのと絵柄が違うし、『#2』って書いてある」
「それ多分、『#2』じゃなくて、『#2』って読むんだと思う。」
その時、結月のムゲンブレスの着信音が鳴った。
智和からの通信だった。
《ヌリカベの件はどうなった?》
「友達になれた!」
《そうか。悪魔の情報が入った。もう大丈夫そうなら来てくれ》
「わかった!」
場所を聞いて通信を切る。
「というわけだから、行ってくる!」
「うん。ヌリカベが、『必要なときはいつでも呼んでね』って」
「ありがと! ヌリカベちゃんの硬さ、頼りになりそう!」
走っていく後ろ姿を見ながら、ニンギョは目を細める。
「あんな小さな背中で『頼りになりそう』なんて言ってもらえるなら、頑張って友達になった甲斐があったね」
「今胸が小さいって言ったーーーーーー!?」
「言ってなーーーーーーい!!!」
某所のジョギングコース。
キックボードを死に物狂いで漕ぐ中学生の少年。
背後には回転飛行で迫る悪魔デカラビア。
デカラビアが少しスピードを上げれば簡単に追い付くことができるが、グレモリーの期待に応えるため、手加減して追い回し、疲れさせたところで少しずつ痛めつけてデビルギーを回収する計画である。
少年は振り返っては漕ぎ、振り返っては漕ぎ、焦りと疲れで縺れた足でカーブを曲がろうとして横転。
デカラビアはその上を一度通り過ぎ、ブーメランのように旋回してまた少年に迫る。
恐怖で気絶しかけた少年にデカラビアの体当たりが直撃しかけたその時、真横から飛んできた何かによって僅かに軌道を逸らされ、デカラビアは少年への攻撃を外し近くの地面に着地。
「何だ!?」
デカラビアの軌道を変えたのはカラステングの翼を生やしたヨーカイレッド。
フェザーガントレッド越しでも伝わってきた衝撃に拳を押さえながらも、気絶している少年に息があることを確かめる。
グリーン、ブルー、イエローも駆け付けた。
「拓実、その子を安全な所へ!」
「OK! あの辺なら隠せるかな?」
レッドは少年を抱きかかえて少し離れた位置に見つけた筋トレ用の器具の所まで飛んでいく。
「貴様らか、妖怪の力を使う人間というのは」
「そ。私達は妖怪と力を合わせる人間」
「そして貴様の悪事を許さない人間でござる」
「何が悪事だ。俺達は理由があるからやってるんだ」
「人を襲ってもいい理由になる理由じゃないだろ」
「人間を殺してもいい理由になる理由に決まってるだろ!」
デカラビアは回転飛行で突進。
グリーン、ブルー、イエローは避けきれず、デカラビアの体が強化服を掠っただけで火花が散り吹っ飛ばされる。
「うわああああ!!!」
「んにゃろー!」
少年を隠して戻ってきたレッドが、空を飛び空中のデカラビアに右ストレートを繰り出すが回転飛行の威力に押し負けて後ろへ吹っ飛び、全力の羽ばたきでブレーキを掛けて地上に降りて翼を消す。
「強ええ……」
ヨーカイジャー4人は1ヶ所に集まって体当たり攻撃に備える。
デカラビアは空中で火山のような口から炎を放出し、それを自分の体に纏わせた状態での回転体当たりを仕掛けてきた。
ヨーカイジャーはギリギリでかわすがデカラビアは連続で同じ攻撃を繰り出してくる。
「炎を纏った攻撃なら、この前拙者がやったばかりでござる」
「空気の読めない悪魔だな!」
「悪魔に空気読むとかあるの?」
「わからん、妖怪にはあるが」
話しながらもヨーカイジャーは炎の突進をギリギリでかわしていく。
しかし攻撃に移る隙が見つからない。
「どうすれば……」
その時、ツインテールを揺らしながら走ってきた小さな影。
「最強JK二ノ宮結月ちゃん、現着!!」
結月はムゲンブレスに偶像妖怪ネコマタンの変身カードを差し込む。
「妖怪変化!」
そう叫びムゲンブレスを天に掲げた結月は、一瞬にして色鮮やかなピンクの戦闘服を身に纏い、右腰にはカードホルダー、左腰のホルダーにはムゲンソード、そして頭にはネコの愛らしさと猫又の柔軟性を彷彿とさせるピンクのフルフェイスマスクを装備した。
「いっくぞぉー!」
ヨーカイピンクはムゲンブレスに鉄壁妖怪ヌリカベの能力カードを差し込みながら走り出しし、炎の回転飛行に脅かされる仲間達の前に立つ。
「結月!!」
「ヌリカベちゃんの能力だから多分! きっと! 絶対!!」
ピンクのムゲンブレスを中心にバリアが発生し、デカラビアの炎の突進を弾き返した。
デカラビアの体は突進の勢いをそのまま返され横軸回転しながら吹っ飛び、頭から地面に落下。
「うぐああああっ!?」
「結月すごい! 昨日会ったあのヌリカベにカードもらったんだ!」
「うん、友達になったの!」
「あの引っ込み思案と友達になったのか。さすが結月……」
デカラビアは地面に刺さった頭を力ずくで引っこ抜く。
「何なんだ貴様!」
「誰が言ったか猫かぶり 花も恥じらうJK3 嘘はいらない夢見る乙女! 獣のアイドル、ヨーカイピンク!」
「誰が呼んだか旅烏 鼻高々にてんつくてん 天に代わって只今参上! 空の勇者、ヨーカイレッド!」
「誰が言ったか川流れ 流れるどころか掻き分けて 登って飛び出せナイアガラ! 水の戦士、ヨーカイグリーン!」
「誰に言われどカマわない イタチごっこにピリオド刻み 腹を切らずに悪を斬る! 風の剣士、ヨーカイブルー!」
「誰を染めるか狐色 こんこん今夜も手鞠歌 お目にかけましょ万華鏡 幻の賢者、ヨーカイイエロー!」
「夢も現も守るが仏、夢幻戦隊!」
「ヨーカイジャー!!!!」
「JK3……って、そうか結月、進級したのか!!」
「うん、お陰様で! まだ春休みだけど、4月1日から次の学年になるらしいから」
「おめでとう!」
「おめでとう!」
ヨーカイジャー4人がピンクを囲んで拍手する。
「はいはいおめでとうおめでとう。だったら俺からの進級祝いだ!!」
「ジャミリアーか!?」
「あんなザコがいても邪魔なだけだ!!」
デカラビアはさらに火力を上げた炎を纏い、さらに高速の回転飛行を開始。
「仲間いらないんだ。あたしはいる!」
ピンクは再びバリアを発生させ仲間達の前に立つ。
バリアで燃えるデカラビアを受け止め、先程より威力の上がった突進を防ぐべく足元に力を入れる。
高熱と回転、気力とバリア。
両者の競り合いにイエローがそっと近付き、ピンクのカードホルダーから装備カードを抜き取って走り去る。
やがてバリアは軋み始め、バリアを出しているピンクの腕も少しずつ震えだす。
「貴様の高校生活はここで終わりだ!」
「終わらない、卒業証書を受け取るまで!」
「結月横に転がって!!」
イエローの声に反応しピンクが横に転がると、バリアは消えデカラビアはそのまま回転飛行、その先にいるのは5つの個人武器を合体させたムゲンバズーカを構えたヨーカイジャー4人、ピンクも走ってその陣形に加わる。
「うおおりゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
レッドが気合いと共にトリガーを引くと、5色の光が表面を駆け回る球形のエネルギー弾が発生、轟音と共に撃ち出されデカラビアを直撃。
デカラビアはその威力に勢いを殺され地面に落下。
「まさかの、黒星……!!」
爆散。
「うよっしゃああああああああああああああああ!!!!!!」
ムゲンバズーカは分離しそれぞれの持ち主の元へ戻る。
「ありがとう、ヌリカベちゃん……」
勝利とピンクの進級を喜ぶヨーカイジャー達の耳に金属質な足音が入ってきた。
「あ、あいつは!」
「ラクダに襲われるフリしてたお姉さん!!」
「ワタクシは悪魔帝国デモンダイム幹部・グレモリー」
「奴も幹部……レヴィアタンはどうした?」
「あの方が今どうしてるかなんて、いちいちワタクシが知っていなきゃいけないわけじゃないでしょ? ワタクシはあなた達みたいな松葉ガニのお花畑じゃありませんわ」
「松葉ガニのお花畑」とは恐らく、「金魚のフン」のような意味であろう。
「デビル デビレバ デビルトキ」
「あの呪文は!」
「よっしゃ任せろ!」
「カモンデーモン デビデビレ 最後の一花、咲かせてごらんなさい」
グレモリーが呪文を唱えて投げキッスをすると唇型のエレルギー体が発生、デカラビアの残骸に向けて飛んでいく。
レッドがそれを蹴り飛ばさんと振りぬいた足を、唇型のエネルギーは直角方向にかわし、デカラビアの残骸に飛び込んでいった。
「うわあああっとっとっとっとっと、ゑゑゑゑゑゑゑゑ!?」
残骸は一つに集まり、巨大なデカラビアの姿となってヨーカイジャー達を見下ろす。
「今度こそ白星!!!」
「さあ! ヨーカイジャーさん達! 早く! 早く妖怪ちゃん達を呼んで! 早く!」
「何言ってんだこいつ」
「逆に呼ばないとかどう?」
「呼んでえええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!」
「まあ、呼ばないわけにもいかないから……」
「サモン、パートナーズ!!!!」
妖怪の里。
「修行の森」から武闘妖怪カラステングが腕組みをしながら飛び立ち、赤い光になって高速移動を開始。
「河童ヶ沼」の底から長老妖怪メガガッパーが水飛沫を上げながら浮かび上がり、緑の光になって高速移動を開始。
「妖怪電気街」のステージのモニターに「結月ちゃん進級おめでとう!」の文字が表示され、ステージ上の偶像妖怪ネコマタンがそれを見て目頭を熱くさせながら敬礼、客席の妖怪達が振るサイリウムに見送られながらピンクの光になって高速移動を開始。
「試し斬りの竹林」で瞑想していた斬空妖怪カマイタチが空を見上げ、青い光になって高速移動を開始。
「妖怪稲荷神社」の神殿の扉が開き、奥から幻惑妖怪キュービルンが「お座り」のポーズのまま前進、その足元から機械的なカタパルトが伸び、どこかから響いてきた「five,four,three,two,one,zero!」というカウントダウンでキュービルンが「お座り」のポーズのまま空高く射出され、黄色い光になって高速移動を開始。
ヨーカイジャー達の前に5つの光が降り立つと同時に巨大な妖怪の姿を表し、5体のパートナー妖怪達が並び立った。
降臨した5体の妖怪達は目からビームを出しそれぞれのパートナー人間をコクピットに転送。
「なんかカラステングのコクピット、いい匂いしないか?」
〔ああ、さっきいい匂いがする妖怪を乗せたからかな?〕
「そっかー。じゃあいい匂いのまま合体!」
レッドがムゲンブレスに合体カードを差し込むと、5体の妖怪達の体が宙に浮き、変形を始める。
カラステングの両腕がスライドして背中に回り、両足は折り畳まれる。
メガガッパーの両腕が引っ込み、甲羅が上にスライドして体の下半分が2本の足の形状になったところでカラステングの体の下に合体して「下半身」となる。
ネコマタンの尾と後ろ足が折り畳まれ、前足は爪が出た状態で頭に被さるようにスライドし、全体的に鋭い爪の付いたた腕といった形状になりカラステングの左腕部分に合体。
カマイタチの刃物状の尾が外れ、後ろ足が折り畳まれ、鎌の付いた前足は頭に被さるようにスライドし、鎌の間に刃物状の尾が収まり全体的に鋭い剣の付いた腕といった形状になりカラステングの右腕部分に合体。
キュービルンの体が前部と後部で半分に分離、前部は中心にキツネの顔が付いたプロテクターといった形状に変形しカラステングの胸に合体、後部は九本のキツネの尾が付いたプロテクターといった形状に変形しカラステングの背中に合体。
最後にカラステングの下顎が大きく開き、中から人型の顔が姿を表した。
レッド以外の4人もカラステングのコクピットに転送され、ヨーカイジャー達から見て左から、ピンク、イエロー、レッド、グリーン、ブルーの順に席に着いた。
「完成、合体巨人・ムゲンオー!!」
5人声を揃えてその名を叫ぶ。
ムゲンオーは右手の夢幻斬空剣を斜めに掲げてポーズを決める。
グレモリーが物陰から呟く。
「ムゲンオーちゃん激萌え……」
巨大デカラビアは飛び上がり、また炎の回転飛行を開始。
「またそれか!」
「ヒトデの一つ覚えでござる」
「何とでも言うがいい!」
巨大化した分、火力もスピードも打撃力も大幅に向上し、ムゲンオーは四方八方からの体当たりに翻弄される。
その衝撃はコクピット内のヨーカイジャー達にも伝わり操縦桿を握る手に汗を滲ませる。
「このままじゃやべえ!」
「こうなったら……お願い、ヌリカベちゃん!」
ピンクはムゲンブレスにヌリカベの召喚カードを差し込む。
「サモン、サポーターズ!!」
工業地帯でニンギョと語らっていたヌリカベ。
召喚されたことを察知し触角を揺らす。
「行くんだね。ボクらの友達を勝利に導いちゃってー!!」
ヌリカベはニンギョに見送られながらグレーの光になって高速移動を開始。
連撃によるダメージが蓄積し、足元がふら付き始めたムゲンオー。
剣や爪を振るうが弾かれまたダメージを受ける。
旋回して勢いを付けた巨大デカラビアが真正面から体当たりを仕掛けてきたそのとき、グレーの光が両者の間に降り立ち、ヌリカベがまさに壁となって立ち塞がった。
巨大デカラビアはヌリカベの強固な殻によって弾かれ、その勢いのまま数十メートル吹っ飛ばされてからまた頭から地面に突き刺さる。
「おおお、こいつがヌリカベか!」
「なんか後ろから見たら、殻の部分キラキラ光ってない?」
「ほんとだー! キレイだよヌリカベちゃん!」
ヌリカベは照れて触角で頭を掻くような仕草をする。
巨大デカラビアは巨大化前よりも地面から頭を引っこ抜くのに苦労している。
「じゃあ今のうちに、コレいっちゃおう!」
ピンクはムゲンブレスにヌリカベの換装カードを差し込む。
するとヌリカベの体が宙に浮き、触角が引っ込み、殻が左に来る向きに体を動かし、本体下の部分から拳のような物が出る。
ムゲンオーの左腕のネコマタンが外れ、盾の付いた腕の形になったヌリカベが代わりに左腕に合体する。
「えっと、これも名前付けなきゃだよね……うーんと盾が付いてるから…………ここはシンプルに………………お!」
ピンクは手を「ポン!」と叩く。
「ムゲンオーシールド!!」
左肩の辺りから2本の触覚が出て嬉しそうに揺れ、また引っ込む。
「気に入ってくれたみたい!」
「よーし新しい力!」
「完成、ムゲンオーシールド!!」
5人全員で叫ぶ声と共に、盾を掲げてポーズを決める。
巨大デカラビアはまた地面に刺さった頭を力づくでひっこ抜き、炎の回転飛行を開始。
再び四方八方からの体当たりを仕掛ける。
ムゲンオーはそれらを左腕の盾で全て受け止め、隙を突いて右手の剣でデカラビアを叩き落とす。
デカラビアは側転で間合いを取り、火山のような口からの炎を体に纏わせずムゲンオーに向けて放射してきた。
ムゲンオーは盾を体の前に向けてそれを防ぎながら前進、接近して2発の斬撃でデカラビアの体に火花を散らせ吹っ飛ばす。
その時、コクピット内全体が光り輝き、その光はレッドの目の前に凝縮し、1枚のカードになった。
「おおお、また新しい必殺技!!!!」
「結月に名前を付ける才能があるように、拓実には必殺カードを引き寄せる才能があるのかもな……」
「シールドの必殺技ってどんなだろう。やってみるか!」
レッドがムゲンブレスに必殺カードを差し込むと、ムゲンオーシールドは光り輝きだした盾を体の前に向けて走り出す。
「必殺大妖技・鉄壁封魔陣!!!!!」
盾からバリアを発生させながら体当たり、と同時にバリアがデカラビアの体を包み込んで浮き上がらせ、急速に小さな立方体型に圧縮していく。
「悪魔、求める、ボス復活……!」
爆散。
「うよっしゃああああああああああ!!!!!!」
ムゲンオーシールドは盾を掲げて、ネコマタンは口元に前足を当ててウインクしてポーズを決める。
「はぁ~尊い!! ムゲンオーシールド……」
離れて見ていたグレモリーはラクダ型メカを駆り走り去っていく。
戦い終わって帰り道。
ムゲンオーシルドと並んで飛ぶネコマタン。
ネコマタンのコクピットにはニンギョが乗っている。
〔今度はネコマタンのコクピットがいい匂いになりそうだな〕
「へぇー、後で確かめてみよっと!」
「でも結月はさっき本人の傍で直接いっぱい嗅いだんじゃない?」
「いや、別にわざと嗅いだわけじゃないよ? いい匂いではあったけど」
「必殺カードを引き寄せる才能、名前を付ける才能、そして……」
「あーヌリカベちゃんまた触角出してるかわいいー!!」
「妖怪と友達になる才能……か」
「どうした智和?」
「いいチームになったなーって感じ?」
「そう……かもな」
「ねえねえねえねえねえ!!!!!」
ネコマタンのコクピットから元気な声が響く。
「今日これからみんなで『食べ放題の海』に来ない? ボクもヌリカベも、それと多分ガキも、みんなのこと大歓迎するよ!」
ヌリカベの触角が軽快に揺れる。
「食べ放題の海!? 俺行ってみたかったんだ!」
「新鮮な海の幸、体にも良さそうでござる」
「うん、いいんじゃないか?」
「2日連続海の幸たっぷり……あたしは余裕でオッケーだけど千影ちゃんは?」
「私ももちろん。結月の進級祝いもやらなきゃだしね」
「えーっ!? それ嬉しい……」
「じゃあじゃあじゃあ! ボクの肉で作った特製進級おめでとステーキで……」
「それはいらない」
「ネコマタン、ニンギョが中で料理とか始めないように気をつけててくれ」
〔ニャニャニャ!〕
「そういえば結月、あの通信は何だったのでござるか?」
「あーごめん、あれはただの間違いブレス」
「間違いブレス」とは恐らく、「間違い電話」のムゲンブレス版のような意味であろう。
【to be continue…】
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「特捜戦隊デカレンジャー」のWヒロインエンディングみたいなことがやりたくて作った歌詞を掲載します!
タイトル「最強究極ヒロインズ」
(結月)猫の手借りたい 毎日ジェットコースター
(千影)狐につままれ 変顔ポッシブル
(結月)青春時代は短い なんてゼッタイ認めない!
(千影)二人揃えば無敵にステキ
(結月)王子様に会えなくたって
(千影)お姫様……いてくれるから……
(結月)「どうしたの?」
(千影)「なんでもなーい!」
(二人)ピンキーファンキー謝肉祭!
(結月)最高最強にゃんだほー!
(二人)イエローモンロー幻燈会!
(千影)ピカソに負けないキュービズム
(二人)二人合わせて究極ヒロイン!
(二人)強い! 負けない! とーぜんカワイイ♥️
(二人)夢幻戦隊ヨーカイジャー
(千影)狐の嫁入り まさかの雨模様
(結月)猫のおでこくらい? 激狭ハート……
(千影)ケンカしたっていいじゃない いつも最後は仲良し
(結月)一緒にいればキラキラハッピー
(千影)お姫様になれなくたって
(結月)変身カードで 華麗に変身!
(結月)「でも千影ちゃんは、あたしのお姫様だよ♥️」
(千影)「あ、ありがと……」
(二人)ピンキーファンキー謝肉祭!
(結月)肉球 直球 ばたんきゅ~
(二人)イエローモンロー幻燈会!
(千影)ピカソも描けないビューティフル
(二人)二人いるから究極エンジェル
(二人)速い! 賢い? やっぱりカワイイ♥️
(二人)夢幻戦隊ヨーカイジャー
(結月)運命の人はいつか 現れるとかいうけど もしかして側にいちゃう?
(千影)「え?」
(結月)「え?」
(千影)「え? え?」
(結月)「ええええええええええええ!?」
(二人)ピンキーファンキー謝肉祭!
(結月)最高最強にゃんだほー!
(二人)イエローモンロー幻燈会!
(千影)ピカソに負けないキュービズム
(二人)二人合わせて究極ヒロイン!
(二人)強い! 負けない! とーぜんカワイイ♥️
(二人)夢幻戦隊ヨーカイジャー
(結月)カワイイ♥️ プリティ♥️ ここテストに
(千影)出ません!
(二人)夢幻戦隊ヨーカイジャー
本編を読んだ後は「ヨーカイジャー悪魔データベース」で、登場した悪魔の情報をチェックしよう!
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この作品に使われているイラストはxAIのGrokによって生成されました