episode:24 アパレル妖怪に会いに行こう
この作品は天道暁によるオリジナルのスーパー戦隊作品です。現在放送されているスーパー戦隊シリーズを制作・放送している各団体とは一切関係ありません。
オープニングテーマ「your kind!」
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妖怪の里・さわやか草原。
変身後のヨーカイジャー6人が間隔を空けて散り散りに立つ。
ピンクがムゲンブレスに必殺カードを入れると、空中にいたコロボックルは愛らしい雄叫びと共に「yokaiger」というロゴが入った白いボールに変身し、高く掲げられたピンクの手に収まる。
「いくわよっ、ヨーカイジャータイフーン!!」
ピンクが妖力を注ぎ込むと、ボールは爽やかで愛らしいピンクに染まる。
「勝くん!」
投げられたボールをシルバーが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは力強く輝く銀色に染まる。
「千影!」
投げられたボールをイエローが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは妖しく魅惑的な黄色に染まる。
「武士!」
弧を描いて飛んできたボールをブルーが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは鋭く吹き抜ける風のような青に染まる。
「智和!」
真っ直ぐに飛んできたボールをグリーンが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは知性の奥に秘められた情熱を思わせる緑に染まる。
「拓実!」
受けやすい位置に飛んできたボールをレッドが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは勇気と正義を象徴する赤に染まる。
「勝!」
仲間達を飛び越えてきたボールをシルバーが受け取ると、ボールは再び銀色に染まり、ブルクダンの角を思わせる装飾が現れる。
シルバーは右腕を振りかぶり、草原に立てられた木製の的に向かって投げる。
「必殺妖技・金剛流星球!」
光を放つ超高速のボールが的のど真ん中に命中し、的は木っ端微塵に砕け散った。
ボールは再びピンクの手に収まりコロボックルの姿に戻る。
ヨーカイジャー達はしばし的を見つめ、変身を解除する。
智和はまた的を見つめ、拓実と勝は大げさなジェスチャーを交えながら金剛流星球の感想を言い合い、結月はコロボックルのお腹を撫で、千蔭は結月の頭を撫で、それらの光景を武士が微笑みながら眺める。
智和が砕けた的の破片を拾い上げ、指に少しだけ力を入れると、破片は粉になって風に飛ばされていった。
「……いけるかもしれない」
「夢幻戦隊ヨーカイジャー」
episode:24 「アパレル妖怪に会いに行こう」
「そうだ! 今日あたしんちの近所で夏祭りあるんだけど、みんなで行かない?」
智和が指を弾いて粉を払う。
「いいかもな。みんな浴衣着て行くなら、俺も押し入れの奥から引っ張り出すがどうする?」
「浴衣かぁ、私持ってないなぁ」
「千影ちゃん浴衣持ってないの? いつもおしゃれだから10着くらい持ってると思ってた!」
「いや、いつもおしゃれでも普通10着は持ってないでしょ…」
「男ものなら、拙者が貸してやれたのでござるが。拙者は10着は無いが5着持っておる」
「さすが現代を生きる侍。俺は持ってないから貸してくれね?」
「オイラは持って……るけど子供サイズのやつだった」
「急成長する前の浴衣でござるな。うむ。拓実と、今の勝。サイズは拙者とそれほど変わらんでござろう」
「やったー! オイラ人間の夏祭りって初めてだ! そうだ、千影は俺の服作ってくれた妖怪に浴衣作ってもらえば?」
「今着てる体に合わせて成長する服作ってくれた妖怪?」
「うん。浴衣も成長すればよかったんだけど、成長する服は珍しい材料が無いと作れないらしいから」
「じゃあじゃあじゃあ! あたしも千影ちゃんと一緒に作ってもらいたい! 新しいの欲しい!」
「作ってもらうとして、浴衣って言ってすぐ出来る物なの?」
「え、どうだろ?」
「勝の服を作った妖怪って、もしかしてカワヒメか?」
「うん! 妖怪の里一番の服職人!」
「だったら今から頼みに行けば夕方には出来るだろう」
「そんなすごい服屋さんがいるんだ。さすが妖怪。でも、私そんなにお金持ってないんだけど…」
「安心しろ。妖怪の里では、食べ物だけじゃなくて服も無料だ」
「オイラ達妖怪にお金使う習慣無いからな。自分が作った物で他のみんなに喜んでもらうのが嬉しくて、自分も他のみんなが作った物で喜ぶ、それが妖怪だ」
「なんか、妖怪の社会ってすごく理想的な社会って感じ…」
「でも妖怪の社会にある物って、人間が作った物をマネして作ってる物が多いんだぜ」
「そういやカラステングが言ってたな。妖怪が人間の言葉を使えるのは、昔の妖怪が人間の言葉を便利だから使い始めたからだって」
「そう、言葉も人間が作ったのを使ってる!」
「そっか……。じゃあ、人間と妖怪の社会が合わさればまさに理想的な社会になるんじゃない?」
「俺もそう思うんだが、妖怪はヨーカイジャーや俺みたいな一族以外の人間には、存在を隠しながら保護活動をするのが妖怪の世界的な決まりになってる。人類保護と妖怪達の平穏な暮らしを両立させるにはそうするしかないんだと」
重くなりかけた空気を吹き飛ばすように緑の匂いの風が吹き抜ける。
「カワヒメは、春夏秋冬山の東エリアの川に住んでる。行ってきな」
「うん!」
「妖怪の里一番の服職人か。楽しみだね!」
結月と千影はパートナー妖怪を召喚し、コクピットに乗り春夏秋冬山へ向かう。
コロボックルは結月の腕の中から拓実の肩の上に移っていた。
一方その頃、関東某所のアーケード商店街。
塵が積もったすりガラスから漏れる光はごく僅か。
灰色のシャッターが並ぶ薄暗い一本道。
かつては賑わっていただろう時代の切れ端を覗かせる、おもちゃ屋の看板で呑気に笑う著作権行方不明のキャラクターのイラスト。
そんな寂しげな風景を歩く、20歳そこそことおぼしき女。
四半世紀ほど未来の世界から迷い込んだような肩を出したスタイルで、閉ざされたシャッターやレトロなポスターを興味深げに眺めながら軽やかな足音を鳴らす。
人の気配は全くしない。
ここへ来る本来の目的であるはずの「買い物」ができそうな雰囲気も感じられない。
だが、それがいい。
ただこの空気、この薄暗さを味わいたくて、女はここを歩いている。
と、1軒だけ、シャッターが閉ざされていない店が見えた。
何の店だろう?
どんな人がいるのだろう?
期待を胸に開いているように見えた店の奥を覗こうとした次の瞬間、女は向かいの店のシャッターに叩き付けられた。
背中を押さえ込む強烈な圧力と、激痛を起こしながら食い込んでくる硬く尖った何か。
軋む背骨を通じて鼓膜を叩く心臓の音を収めるべく、震える眼を後ろに向けた女の視界を支配したものは……
恐竜映画で人間を襲う姿がよく描かれる「ラプトル」の名を持つ恐竜に似た手足と尻尾。
顔も同じく「ラプトル」に似ているが、恐竜の顔面に似つかわしくない眼鏡を掛けている。
岩の柱を思わせる胴体にはタンスのような3つの引き出しが備わっている。
「ラプトル」に似たそれは胴体の引き出しから竹でできた人形のような物を取り出し、片足でシャッターに押し付けている女の頭に向ける。
すると女の脳天から黒い煙のようなデビルギーが立ち上ぼり、人形のような物に吸収されていく。
「た…………す………け………」
絞り出された声に耳を貸すことなく、爪を突き立てた足に女の背骨を砕かない程度の力を込める。
「マラコーダ~?」
後ろから呼ぶ声には耳を貸す。
そこにはラクダ型メカに乗って商店街を歩いてきたグレモリー。
「グレモリー様!」
「調子はどうですの?」
「ここはいい狩場です。誰も来なくなって寂れた場所を、時々こうして好き好んで歩きに来る人間がいるんで、出させるだけデビルギーを出させた後、血の1滴も残さずに食っちまえば証拠は残りません」
「ぎゃああああああああ!!!」
女の悲鳴と共に更に大量のデビルギーが立ち上ぼる。
「そうだその調子だ。貴様の負の感情が俺達の目的を果たすための道となる。が、あんまりうるさすぎると自分の寿命を縮めることになるぞ?」
悲鳴が途切れた喉の渇き。
コンクリートに落ちる汗の跡は一瞬のうちに見えなくなる。
「素晴らしいわ。殺すのはなるべくゆっくりになさい」
「もちろん、そのつもりです」
セミの声。
立ち上ぼるデビルギーはとめどなく人形に吸い込まれていく。
妖怪の里。
春夏秋冬山・東エリア。
ここは一年を通して春のような温暖な気候。
ネコマタンとキュービルンが川のほとりに着陸し、目からビームを出して結月と千影をコクピットから降ろす。
キュービルンが妖力で文字を生成。
〔わたしたちは このへんで さかな とってる〕
「わかったー!」
〔ニャニャニャーニャニャ!〕
〔カワヒメが いるのは もうちょっとだけ じょうりゅうのあたりって いってる そういえば ちかくの もりが ネコマタンの ふるさと〕
「そうだったのー!? じゃ、また帰りよろしくねー!」
〔ニャニャ!〕
〔コンコン!〕
結月と千影が道に咲く花々に和まされながら5分ほど歩いたところで、川の中にニシキゴイのような鮮やか白と赤の模様が動いているのに気付いた。
「もしかして、カワヒメさん?」
千影が声を掛けると、白地に赤の模様が付いた和服を着た、長く艶やかな黒髪の女が川の中から上半身を出した。
「ヨーカイジャーの千影さんと結月さんね。私は服飾妖怪カワヒメ。あなた達の活躍は、いつもタブレットで見せていただいてるわ」
「はー!なんか戦うとこ見られてるって意識したら照れちゃうな……」
結月がツインテールの間を掻く。
そんな結月に微笑みを向け、千影が前に出てカワヒメにお辞儀する。
「こんにちは。私達、浴衣を作っていただきたくて来ました」
「あら。私の服飾の腕を知って来てくれたのね。ありがたいわ。私は『可能性』を感じた相手にしか服を作らない。以前服を作ってあげたザシキワラシは、私が感じた『可能性』以上の力を発揮して、あなた達の仲間として立派に戦っているわね」
「はい。ザシキワラシも今では、ヨーカイシルバー/式神勝です」
「その素敵な名前、結月ちゃんが考えたのよね?」
「は…はい! ……妖怪と話すときいつもタメ口なのに、カワヒメさんにはなぜか敬語になっちゃうな…」
「わかる! 人間にも立場とか年齢とか関係なく敬語使いたくなる人って時々いるけど、妖怪にもいたんだ」
カワヒメは思わず顔が綻ぶ。
「あなた達にも、素晴らしい可能性を感じる。いいわ、浴衣、作ってあげる!」
「やったー!」
結月が千影の両手を握って跳び跳ねる。
カワヒメは周囲一帯に響き渡る、しかし決して大きくはない耳心地の良い声で呼び掛ける。
「あなた達ー! 出てらっしゃーい!」
すると、川面にぶくぶくと泡が立ち、そこからオレンジ色のシャツを着た両手がカニのようなハサミになっている少女が姿を現した。
「裁断妖怪カニムスメです!」
続いて、川の近くの藪がざわめき、中から白いブラウスを着た白い肌の、白いヘビのような下半身に目盛の付いた少女が姿を現した。
「採寸妖怪キヨヒメです!」
最後に、河原に程よい木陰を作る林の中から、茶色いセーターを着た銀髪の少女が姿を現した。
「縫製妖怪ハリオンナです!」
「これが私の可愛いアシスタント達。さぁ、ヨーカイジャーのお二人に、素敵な浴衣を作ってあげるわよ!」
「はーいカワヒメ様ー!」
3体のアシスタント妖怪が楽しそうに動き出す。
「まずは私、採寸妖怪キヨヒメが計っちゃいまーす!」
キヨヒメが目盛の付いた下半身を千影に巻き付ける。
「うふぉっ!! おおおおおっ!! おっほっほほほほほぉー!!」
千影のサイズをメモして下半身をほどく。
「はい次の方ー!」
続いて、結月の体に下半身を巻き付ける。
「あれっ? ふむふむ。うっふふふふふふぅー!」
結月のサイズをメモして下半身をほどく。
「はい、それでは次の工程に進みますねー!」
メモを持って移動しようとするキヨヒメ。
しかし結月に尻尾を掴まれ動きが止まる。
「ねえ、今、『あれっ?』って言った? ねえ今、『あれっ?』って言った?」
静かな威圧感に振り向くこともできず青ざめていく。
カワヒメが川底から宝箱を持ってきた。
カワヒメが防水性能抜群の宝箱からピンクの生地と黄色の生地を選び出し、それらを広げてキヨヒメが計ったサイズに合う浴衣に必要な形になるように線を引く。
その線に沿って、裁断妖怪カニムスメが両手のハサミで正確に裁断する。
「また、つまらなくない物を切ってしまった…」
縫製妖怪ハリオンナが、髪の毛をハリネズミの針のように立てる。
それをアパレル妖怪達が1本ずつ抜いて糸を通し、裁断された生地を縫い始める。
両手がハサミのカニムスメも、ハサミで針を切らないように器用に摘まんで縫製を進める。
だがやはりカワヒメの手捌きは繊細かつ優雅で華麗で、アシスタント妖怪達は時々見とれて手を止めてしまう。
結月と千影はそれらの作業に引き込まれるように目を向けていた。
何時間でも見ていられそうな気がしたのは、カワヒメを中心とした作業工程の鮮やかさのせいでもあったが、何より浴衣を作るアパレル妖怪達の楽しそうな雰囲気が心地よかったからだった。
縫製が全体の半分ほどまで進んだところで、カワヒメが一休みしてお茶にしましょうと声を掛ける。
アシスタント妖怪達は甲高い声を上げながら浴衣を仕舞い、薮や林の中からカップやティーポット等を持ってくる。
カワヒメは川底から防水性能抜群のタッパーを持ってくる。
「やっぱり食べ物を入れるなら人間が作った道具が一番ね。あなた達もどう? 私が作ったカヌレ!」
「カヌレ!? 駅で1000円くらいの自動販売機で売ってるから気になってたあのカヌレ!? やったー!!」
「…というわけで、私達もいただきます~」
ここにも配られていたニンギョ柄のレジャーシートの上で、皆でカヌレを囲み紅茶を頂く。
カワヒメの作ったカヌレは甘くとろけるような、その服作りの手捌きと似た繊細で優雅な味。
「いっただきー!」
最後の1個のカヌレをハリオンナが掴み上げて走りだし、カニムスメ、キヨヒメとふざけ合いながら追いかけっこ。
「かわいいですね」
「ええ。あの子達、人間の服を作るの初めてで、嬉しくていつも以上にはしゃいじゃって、仕事もいつも以上に手際よくできてる」
笑い合いながらカヌレを取り合うアシスタント達を見つめるその眼差しは、母のような優しさと、微かな物悲しさをふくんでいた。
「人間の服、もっと沢山作れたら、あの子達ももっと楽しく仕事ができるでしょうに…」
人間に妖怪の存在を知られるわけにはいかない以上、今日のように人間の前で楽しそうに服作りを見せられる機会はめったにやってこない。
それ故にいつも以上に張り切って浴衣作りに取り組んだ少女妖怪達。
ハリオンナが頭から髪の毛の針を飛ばし、キヨヒメが長い尻尾を鞭のように振るい、それらの攻撃をカニムスメが両手のハサミで乾いた打撃音を鳴らしながら弾く。
「なんかすごいバトル繰り広げてますけどー!?」
「こらー!」
カワヒメが拳を振り上げアシスタント達の戦場へ走っていく。
その時、千影のムゲンブレスの着信音が鳴った。
智和からの連絡。
《悪魔の情報が入った。お前らも向かってくれ!》
「わかった!」
「カワヒメさーん! あたし達出動ですー!」
「あ、はーい! 浴衣、仕上げておくからー!」
カワヒメが手を振り、その後ろでアシスタント妖怪達も笑顔で手を振り、キヨヒメがさりげなくカヌレを口に放り込む。
結月と千影は迎えに来たネコマタンとキュービルンのコクピットに転送され、ムゲンブレスに送られて来た地図の場所へ向かった。
再び関東某所のシャッター商店街。
グレモリーとマラコーダは、マラコーダが潜んでいた書店でラッキョウをかじりながらまったりしていた。
「あいつ、デビルギーは沢山出しましたが味はイマイチでした」
「所詮人間なんて、デビルギーを出す以外には何の価値も無い生き物ですわ」
そこへ駆け付けたヨーカイジャー6人。
書店に座ってまったりする者達の場違い具合に拓実が思わず叫ぶ。
「恐竜! とグレモリー!」
ヨーカイジャー達の中で熱量を持った決意が沸き上がる。
「あら、もう見つかっちゃいましたの?」
「いい狩場だったんですけどねぇ…」
悪魔2体がめんどくさそうに書店からでてきた。
「そういや、妖怪が人間の言葉を話せる理由は聞いたけど、悪魔はなんで人間の言葉話せるんだ?」
悪魔2体の目が点になる。
「人間の……」
「言葉…………?」
「ぶっ、」
「ギャーハハハハハハハハハハハハ!!!」
「あっははははははははははははは!!!」
悪魔2体は顔を見合わせ大声で笑いだした。
「ワタクシ達の言葉にたまたま似た言葉を使ってるだけの人間が……人間の、人間の言葉ってあはははははははは!!!」
「人間ごときが作れる言葉を、俺達が作れねえワケねえだろギャーハハハハハハハハハ!!!」
「妖怪変化…」
ヨーカイジャー達はドスの効いたコールとともに変身カードをムゲンブレスとムゲンライザーに入れる。
「あっはははは。さて……」
「あ、人間の言葉!」
「あっははははははははははははは!!!!!」
「ギャーハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」
ヨーカイジャー達は変身を完了し、無言でムゲンシューターとオボロバルカンによる銃撃を開始。
「うわうわうわうわうわうわうわ!!」
銃撃を不細工な動きでギリギリかわし、グレモリーは書店の側に停めていたラクダ型メカに飛び乗り、マラコーダは商店街を駆け距離を取って身構える。
「まあでも、あなた達が作った言葉の中にも、ワタクシ達が気に入って使って差し上げてる言葉もありますわ」
「そうでしたね。俺達の同族達は、デビルギー回収作業が始まるよりずっと前の時代から、時々地球に来ていた」
「その同族達を目にした人間どもは、その強さ、偉大さ、美しさに恐れおののき、敬意と畏怖を込めてこう呼んだ」
その言葉はグリーンの口から忌まわしいほど自然に漏れた。
「悪魔……」
「そう!」
「強そうな響き、文字で書いてもなんか迫力ある!」
「その言葉を作れたことは、あなた達の数少ない素敵なところですわ」
本物を見るより前から何となくイメージしてきた「悪魔」のイメージがヨーカイジャー達の脳裏を過る。
マラコーダは胴体の引き出しから手の平サイズのハープのような物体を取り出し、
「行きね、ジャミリアー!!」
と叫びながら放り投げる。
するとハープのような物体は空中で弾け、中から8体のジャミリアーが姿を現した。
「ジャミジャミ!」
ジャミリアー達は軽快なリズムで剣を振り上げ足を踏み鳴らす。
「誰が呼んだか旅烏 鼻高々にてんつくてん 天に代わって只今参上! 空の勇者、ヨーカイレッド!」
「誰が言ったか川流れ 流れるどころか掻き分けて 登って飛び出せナイアガラ! 水の戦士、ヨーカイグリーン!」
「誰が言ったか猫かぶり 花も恥じらうJK3 嘘はいらない夢見る乙女! 獣のアイドル、ヨーカイピンク!」
「誰に言われどカマわない イタチごっこにピリオド刻み 腹を切らずに悪を斬る! 風の剣士、ヨーカイブルー!」
「誰を染めるか狐色 こんこん今夜も手鞠歌 お目にかけましょ万華鏡 幻の賢者、ヨーカイイエロー!」
「誰もオイラを止められねえ! 当たるも八卦の大予言! 爆走疾風ギンギラギン! 閃光の覇者、ヨーカイシルバー!」
「夢も現も守るが仏 夢幻戦隊!」
「ヨーカイジャー!!!!」
「いくぞ!」
「オウ!」
グリーンの掛け声でヨーカイジャー達が走り出す。
ブルーがブライブレードを装備し、ジャミリアー3体が振るう剣を弾き、流れるように一太刀、また一太刀と斬撃を食らわす。
ピンクがスキャットクロウを装備し、ジャミリアーの剣をかわすと同時に連続引っ掻き、1体倒した直後に後ろから迫ってきた2体が剣を振り上げる隙を突いて背後に回り、2体纏めて背中への連続引っ掻きを浴びせる。
「汗かいちゃう! 浴衣着る前にシャワー浴びなきゃ!」
シルバーがムゲンライザーにオボログルマの能力カードとイッタンモメンの装備カードを入れ、ムゲンドライバーにセットし同時発動。
ローラースケートのようになった足で高速移動、モメンカッターを振るいジャミリアー達を蹴散らしながらグレモリーに向かう。
グリーンもガチコンハンマーを装備してその後に続く。
「あなた達を倒すため、ワタクシは更に強く美しく変わる。グレモリー・バトルフォーメーション!!」
ラクダ型メカの頭、首、四肢、胴体全ての背部が開き、そこへグレモリーが飛び込んで閉じる。
こうしてグレモリーがラクダ型メカを着ぐるみのように装着してファイティングポーズ。
ガチコンハンマーとモメンカッターによる同時攻撃。
グレモリーはそれらの攻撃の「芯」を外した部分を見極め、それぞれ片手で受け止め、跳ねのけると同時に回し蹴りを繰り出す。
シルバーはギリギリで大勢を立て直しモメンカッターで防ぐが勢いは殺せず、踏みしめたアスファルトに火花を散らしながら後退させられる。
グリーンは蹴りの間合いから距離を取り、武器をムゲンシューターに持ち替えグレモリーに銃撃。
グレモリーはジャンプでかわしてそのまま急降下からの飛び蹴りで距離を取っているグリーンを狙う。
姿勢を低くしながら踏み込みかわしたグリーンの背後で舗装された地面が砕ける音がする。
レッドがフェザーガントレットとクロノスマッシャーを装備。
マラコーダの鋭い爪と牙による野性味溢れる攻撃を両拳の武器で受け流し、隙を見てクロノスマッシャーのダイヤルを回す。
マラコーダは噛み付きをかわされた勢いでレッドの後ろの店にシャッターを突き破って飛び込み、数秒後2階の窓を突き破ってガラスの破片を飛び散らしながら大口を開いて地上のレッドに飛び掛かる。
「無茶苦茶すな!」
デジタル表示が「8」になったところでクロノスマッシャーのボタンを押す。
体感8秒、レッドには全てがスローモーションに見える。
スローで落ちてくるマラコーダの顔面に連続パンチ。
残り時間3秒のところで横に1歩動いてムゲンブレスに必殺カードを入れる。
デジタル表示が「0」になり、マラコーダが顔から地面に落ちて声帯が抉れたような声を上げたところで必殺技を叩き込む。
「必殺妖技・天狗百烈拳!!」
上下逆さまの体勢で避けられないマラコーダに妖力を込めた超高速の連続パンチを叩き込む。
マラコーダはアーケード商店街の出口まで吹っ飛びまた地面に叩きつけられる。
「この一首にて数景尽たり…」
爆散。
「うよっしゃああああああああああああ!!!!!」
レッドの叫びがアーケードに反響して商店街の静けさを吹き飛ばす。
グレモリーがシルバーの攻撃をバク転でかわし、そのまま連続バク転で商店街の外へ移動しラクダ型メカの中から飛び出し呪文を唱える。
「デビル デビレバ デビルトキ カモンデーモン デビデビレ 最後の一花、咲かせてごらんなさい」
投げキッスにより放たれた唇型のエネルギー体がマラコーダの残骸に当たり、残骸は巨大なマラコーダの姿となりヨーカイジャー達を見下ろす。
「俺が本物の、生きた化石イイイイイ!!!!」
「また町ん中でデカくなりやがって!」
ヨーカイジャーはムゲンブレスとムゲンライザーに召喚カードを入れ発動させる。
「サモン、パートナーズ!!」
妖怪の里。
「試し斬りの竹林」で瞑想していた斬空妖怪カマイタチが空を見上げ、青い光になって高速移動を開始。
未来の妖怪の里。
あちこちでランプが光る未来的な格納庫の床が未来妖怪アミキリを乗せてせり上がり、金属的な壁に囲まれた直線的な滑走路のような場所に到達。
謎の機械の中に入ったカードが光るとアミキリの前方に時空の掛け目が出現。
アミキリは蒸気のような物を噴出しながら時空の裂け目に飛び込み、紫の光になって高速時空移動を開始。
再び現代の妖怪の里。
「さわやか草原」を走る爆走妖怪オボログルマ、上空に疾風妖怪イッタンモメン、2体同時に高く飛び上がりオレンジ色と紺色の光になって高速移動を開始。
ヨーカイジャーの前に4つの光が降り立つと同時に巨大な妖怪の姿を表し、ヨーカイジャーを乗せてきた4体と合わせて8体の巨大妖怪が並び立った。
巨大妖怪達は目からビームを出しヨーカイジャーをコクピットに転送する。
「アミキリが呼ばれたってことは、メガガッパー腰の調子悪い?」
「朝から巨大な湿布薬を貼らされた」
「そっか。お大事にってことで、合体いくぜ!」
「夢幻合体!!」
レッドとシルバーが合体カードを発動させる。
巨大妖怪達が浮き上がり変形を開始。
カラステングの両腕がスライドして背中に回り、両足は折り畳まれる。
アミキリの尻尾が外れ、体全体が垂直の姿勢になり、体の前方4分の1程の部分が前に倒れて「腰」となり、それより下の部分が二股に分かれ、180°回転して「つま先」に当たる部分が前に来て「足」となり、外れていた尻尾が合体巨人の尻尾に見える位置に付いて、カラステングの体の下に合体し「下半身」となる。
ネコマタンの尾と後ろ足が折り畳まれ、前足は爪が出た状態で頭に被さるようにスライドし、全体的に鋭い爪の付いた腕といった形状になりカラステングの左腕部分に合体。
カマイタチの刃物状の尾が外れ、後ろ足が折り畳まれ、鎌の付いた前足は頭に被さるようにスライドし、鎌の間に刃物状の尾が収まり全体的に鋭い剣の付いた腕といった形状になりカラステングの右腕部分に合体。
キュービルンの体が前部と後部で半分に分離、前部は中心にキツネの顔が付いたプロテクターといった形状に変形しカラステングの胸に合体、後部は九本のキツネの尾が付いたプロテクターといった形状に変形しカラステングの背中に合体。
最後にカラステングの下顎が大きく開き、中から人型の顔が姿を表した。
「完成、合体巨人・ムゲンオーフューチャー!!」
ムゲンオーフューチャーは右手の夢幻斬空剣を斜めに掲げてポーズを決める。
ブルクダンの四肢と尻尾が折り畳まれながら体全体が直立、胴体下半分がスライドして2本に分かれて「足」になり、首から上の頭部が真っ直ぐに前を向く。
オボログルマの胴体前部が伸び、全体的にタイヤとガトリング砲の付いた腕といった形状になりブルクダンの左腕部分に合体。
イッタンモメンの尾が折りたたまれ、胴体前部が伸び、全体的に左右両側に鋭いカッターの付いた腕といった形状になりブルクダンの右腕部分に合体。
最後にブルクダンの首が回転扉のように回転、中から人型の顔が姿を表した。
「完成、合体巨人・ムゲンショーグン!!」
ムゲンショーグンは両腕の武器を交互に力強く前に突き出し、銀色の光を放ちながら腕を組んでポーズを決める。
並び立つ合体巨人、牙を光らせる巨大マラコーダ。
互いに走り出し、正面からぶつかり合うその刹那に巨大マラコーダが跳躍、合体巨人達を飛び越え着地と同時に強靭な尻尾で背後から足払いを仕掛ける。
バランスを崩され倒れかけたムゲンショーグンをムゲンオーが慌てて支える。
巨大マラコーダは合体巨人達の周りを民家や商店を踏み潰しながら走りまわる。
「だから無茶苦茶すな!」
「見た目通りのパワーとスピード…」
「どうしよう、このままじゃ町が!」
「こうなったら…」
シルバーがムゲンライザーに換装カードを入れ、ムゲンドライバーにセット。
「本日の運試し。ガシャット・ガジェット!」
シルバーの背後のモニターにカードのパックが輪になって並んでいる映像が映し出され、画面内のパックの輪が回転。
シルバーが天に手を翳すと回転が止まり、パックが開封され中からユキオンナの換装カードが出てくる映像が映し出される。
妖怪の里。
「春夏秋冬山・北エリア」で雪景色を歩いていた雪原妖怪ユキオンナが召喚の気配を感じてウサギのような耳をピクピク動かし、目を閉じて両手を合わせ、「巨大変化の術」により巨大なウサギのような姿・妖獣態になってジャンプ、空中で白い光になって高速移動。
戦場の空に到達した光がユキオンナ妖獣態の姿に戻って変形を開始する。
ユキオンナの体が前部と後部で半分に分離、前部は中心にウサギの顔が付いたプロテクターといった形状に変形しムゲンショーグンの胸……ではなく後ろ向きで背中に合体、後部は雪の結晶を思わせる形のプロテクターといった形状に変形したがどこにも合体しない。
「完成? ムゲンショーグンスノー!!」
コクピット内は騒然、マラコーダは走りながら大爆笑、グレモリーは新鮮な光景に目を輝かせる。
合体している妖怪達も戸惑いを隠せない。
≪モォ~!?≫
≪なんだそれ!?≫
≪なんでしょう? 私にも何が何やら…≫
なぜ後ろ向きに合体したのか、なぜ後部が後部だけで飛び跳ねているのか。
「ガシャット・ガジェットのハズレってことか?」
≪そんな、私、ハズレだなんて…≫
「勝くん! ハズレとか言っちゃダメ!!」
「あ、ごめん!」
≪いいんですいいんです! ただちょっと、気持ちまで後ろ向きになっちゃいそうで…≫
「おしゃべりはそこまでだ! 余剰パーツ共々噛み砕いてやる!!」
巨大マラコーダが走り回る勢いのままムゲンショーグンスノーに飛び掛かる。
凶暴な爪が銀色のボディを引き裂こうとしたその時、ムゲンショーグンスノーが軽やかなジャンプで攻撃をかわし、自然落下から巨大マラコーダの頭を連続ジャンプで何度も踏みつける。
ユキオンナが合体していないムゲンショーグンにはできない動き。
「ぐへっ!? ぐふぉっ!? ぎゅべゃっ!? や、や、やめ…」
踏みつけられる巨大マラコーダの脇腹に鋭い衝撃が走った。
頭上からのダメージに気を取られている巨大マラコーダの脇腹に、ユキオンナの後部が鋭い蹴りを食らわしたのだった。
「おのれ余剰パーツのくせに…」
《余剰パーツはやめてください!》
踏みつけと同時に巨大マラコーダの頭を蹴って高く跳び上がり、背中のユキオンナの口から冷気を放出。
恐竜は自分で体温を調節できる恒温動物だったという説がある。
が、恒温動物でも変温動物でも寒いときは寒い。
そもそも、ここにいるのは恐竜ではなく恐竜に似た悪魔。
巨大マラコーダは踏みつけと寒さで体力を奪われていく。
「今だ!」
ムゲンオーフューチャーが下半身の付属肢からマシンガンのような妖力を発射。
三重のダメージが蓄積され巨大マラコーダの足元が覚束なくなる。
シルバーが連続ジャンプのリズムを感じながら必殺カードを発動。
ムゲンショーグンスノーの全身を3色の光が駆け巡り始める。
「必殺大妖技・銀輝魔砕轟!!!!!」
ムゲンショーグンスノーがその巨体で音も無く着地し、至近距離で威力を増したガトリングを連射、巨大マラコーダは更なるダメージで動きを止め、そこへ妖力を込めた右手による下から上へ打ち上げるチョップ、空高く飛ばされた巨大マラコーダが落下してくるのに合わせ、ムゲンショーグンスノーが大ジャンプ、光り輝く頭の角で巨大マラコーダのボディを貫く。
「敵は地球にあり!!」
爆散。
「うよっしゃあああああああ!!!」
ムゲンオーフューチャーとムゲンショーグンスノーは腕を天に掲げてクロスさせ勝利の余韻を分かち合う。
背中のユキオンナは無事役に立てたことに安堵の溜め息を吐き、後部は合体巨人達の周りを跳ね回る。
地上で巨大戦を観戦していたグレモリーは満足げな表情でラクダ型メカに跨がり走り出す。
「珍しいものが見られましたわ…」
その時、真横から飛び込んできた激しい光。ラクダ型メカの手綱を引き衝突寸前でかわしたそれは、バイクサイズのライジュウに乗ったヨーカイイエローだった。
「ライジュウちゃん!? とヨーカイイエロー!?」
キュービルンに乗り込んだと思われたヨーカイイエローはキュービルンが作り出した幻影だった。
全てはグリーンが立てた作戦。
他のヨーカイジャーメンバー達がビームで地上に転送され、散り散りに走り出す。
「何のつもりか知りませんけど…」
グレモリーは再びラクダ型メカと合体してバトルフォーメーションになる。
ピンクがムゲンブレスに必殺カードを入れると、妖怪の里で待機していたコロボックルがピンクの頭上に転送され、愛らしい雄叫びと共に「yokaiger」というロゴが入った白いボールに変身し、高く掲げられたピンクの手に収まる。
「いくわよっ、ヨーカイジャータイフーン!!」
ピンクが妖力を注ぎ込むと、ボールは爽やかで愛らしいピンクに染まる。
「勝くん!」
投げられたボールをシルバーが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは力強く輝く銀色に染まる。
「千影!」
投げられたボールをイエローが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは妖しく魅惑的な黄色に染まる。
「武士!」
走るライジュウに騎乗しながら投げられたボールをブルーが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは鋭く吹き抜ける風のような青に染まる。
「智和!」
真っ直ぐに飛んできたボールをグリーンが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは知性の奥に秘められた情熱を思わせる緑に染まる。
「拓実!」
受けやすい位置に飛んできたボールをレッドが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは勇気と正義を象徴する赤に染まる。
「いっけええええええええええええ!!!!」
レッドが空高くボールを投げると、それに合わせてライジュウに乗ったイエローがジャンプ。
ライジュウの全身から電撃を放出しながら空中縦回転、その勢いのままタイヤでボールを弾き飛ばすと同時に妖力を込めると、黄色く染まりキュービルンの9本の尻尾を彷彿とさせる装飾が付いたボールが電撃を纏いながらグレモリーに向かって飛んでいく。
「必殺妖技・電撃幻影球!!」
グレモリーが正面から来るボールを避ける体勢に入ったと同時にボールは消滅、右から消滅したのと同じボールが直撃。
衝撃と同時に電撃が駆け巡り、体を覆うラクダ型メカのボディにヒビが入る。
「げ…げ…げげげの……」
大爆発。
ラクダ型メカが破壊され、黒焦げになったグレモリーが倒れる。
ボールは再びピンクの手に収まってコロボックルの姿に戻り、召喚前にいた妖怪の里へ転送される。
これまで一度も倒すことができず逃走を許してしまっていたグレモリー・バトルフォーメーションをついに打ち破った。
警戒心を解かずに全員で近付き、グリーンが目を閉じた顔を覗き込む。
「息はある。妖怪の里に連行しよう。悪魔の情報を聞き出せるかもしれない」
グレモリーは妖怪治安維持部隊により、発信器や自爆装置等の所持が無いか徹底的に検査された上で妖怪の里へ連行され、妖怪女子刑務所に収監された。
その夜、夏祭り会場入り口に集まったヨーカイジャー男性メンバー達。
智和が押し入れの奥から引っ張り出してきたのは皆の予想通り緑の浴衣。
武士もやはり、当然のように青の浴衣。
拓実が借りたのは、武士の家に奇跡的にあった赤い浴衣。
勝も銀色の浴衣を借りられれば良かったのだがそこまで都合よくはいかず、しかし光の当たり方によっては銀色に見えなくはないグレーの浴衣。
「なんかこれ、オイラの子供の姿の頃の服装に似てる!」
「確かに、少し前まで見ていた服装のはずでござるが、なぜだか懐かしい気がするのう」
そこへ、お互い浴衣を着た姿は夏祭り会場で初めて見せ合おうと約束していた女性メンバー達が別々の方向からやってきた。
結月はピンクの、千影は黄色の、色違いでお揃いの花火柄の浴衣。
「千影ちゃん、綺麗…」
「結月、可愛い…」
互いの浴衣姿が目に入り、二人の周りだけ時が止まる。
「しばらく二人きりにしといてやっか?」
「だな」
「うむ」
「うん!」
その時、夜空から聞こえてきた花火の音。
「あ、またグレモリーが爆発した?」
もちろん拓実はわかった上で言っている。
「あー花火! 今からじゃいい場所で見られないかなー?」
次の瞬間、ヨーカイジャー達はステルスモードで飛んできたカラステングのコクピット内にいた。
「カラステング!」
《よぉお前ら! 変態ラクダ女をやっつけたお祝いに、超絶特等席で見せてやるぜ!》
「打ち上げ花火、真横から見るか……というわけでござるな?」
《そういうこった!》
空中で真横から見る打ち上げ花火は迫力も華やかさも格別満点。
それはヨーカイジャー達のこれまでの戦いを讃え、これからの未来を照らし出すような、鮮やかな希望に満ちた眩しさだった。
【to be continue…】
本編を読んだ後は「ヨーカイジャー悪魔データベース」で、登場した悪魔の情報をチェックしよう!
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その他の情報は作者Instagram「 @satoruyoukaidaisuki 」とX(旧Twitter)「@shousetuyokai」をご覧ください




