episode:23 真夏の夜のカード
この作品は天道暁によるオリジナルのスーパー戦隊作品です。現在放送されているスーパー戦隊シリーズを制作・放送している各団体とは一切関係ありません。
オープニングテーマ「your kind!」
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8月上旬のある日。
結月はクーラーの効いた自室で寝転びスマホゲーム。
高3の夏を有意義に過ごす方法はもっと他にあるだろう、なんて大人は言うのだろう。
どっこい結月は普通の高3女子には絶対に過ごせない夏を既に過ごしている。
今日ぐらい、イマドキJKらしい過ごし方をしてもバチは当たらないはず。
それに今年は暑すぎる。
むしろ室内でダラダラ過ごすことを推奨するかのように、テレビもネットも「不要不急の外出は控えてください」などと言ってくる。
そんな二重の意味で異常な夏を過ごしている花も恥じらうJK3は、プレイ中のスマホゲーム「SHINING LORD」で手に入れたカードのビジュアルと激レア演出に反応し起き上がる。
「春歌ああああああああ!!!」
直ぐ様クラスで特に熱心にこのゲームをやっている3人にメッセージを送る。
yuduki ≪蝶野春歌SSRゲット(ФωФ)≫
kurumi≪マ?≫
kurumi≪マ???≫
yuduki≪マ(ФωФ)(ФωФ)(ФωФ)(ФωФ)(ФωФ)≫
kaho ≪風デッキ組めるね(^^)d≫
yuduki≪うん! 風だけ組めてなかったけど春歌来たから(ФωФ)≫
kurumi≪夏カゼ引いちゃったね≫
yuduki≪誰うまwwwwwwwwwwww≫
kaho≪草wwwwwwwwwwwwwww≫
yuduki≪春歌に一番反応しそうな人から反応が来ない≫
kaho≪まだ寝てるんじゃない?≫
kurumi≪あ≫
yuduki≪何?≫
kurumi≪杉森君行方不明らしい≫
yuduki≪どういうこと?≫
kaho≪マ?≫
kurumi≪最近、行方不明事件多いでしょ?≫
kurumi≪あれ、いなくなった人みんなSHINING LORDガチ勢だって≫
kaho≪何それ怖≫
kurumi≪あくまで噂だけど≫
kaho≪杉森君もそれ?≫
kurumi≪わかんない≫
kaho≪うちらも気をつけたほうがいいかな?≫
kurumi≪どうだろ≫
結月はスマホから目を離し、暫し考えた後ムゲンブレスの通話ボタンを押す。
「夢幻戦隊ヨーカイジャー」
episode:23 「真夏の夜のカード」
妖怪の里・ヨーカイジャー秘密基地。
ネコマタンの目から放たれたビームにより、ピンクのワンピース姿の結月がコクピットを降りて秘密基地に駆け込む。
「この外出は不要不急じゃないよね!」
そう、不要でも不急でもない。
中央司令室の自動ドアをくぐると、そこには既に勝を除くヨーカイジャー4人が揃っていた。
「勝くん、やっぱりまだ見つからない?」
モニター前の智和が唇を噛む。
「ああ。ブルクダン達も、家まで行ってみたがいなかったそうだ。最近の行方不明事件、一応気にはしていたんだが……」
「まさかと思って勝くんに連絡してみたけど出なくて……。勝くん、SHINING LORDすごいハマってたから……」
「この前、対戦しているところを拙者に見せてくれたのう。勝のハマり具合は、ムゲンショーグンの能力に影響を与えるほどでござる」
拓実の脳裏にムゲンショーグンの能力発動を宣言するシルバーの声が反響する。
「『本日の運試し、ガシャット・ガジェット!』……あれスマホゲーっぽいと思ってたけど、ほんとにスマホゲーが元になってたのか」
「頭の中に強い印象を残しているものが妖力に影響を与えることはよくある。しかも『運試し』というところがブルクダンの元々の能力と相性が良さそうだ」
「やっぱり関係あるの? SHINING LORD…」
「SHINING LORDの熱心なプレイヤー。今のところ、勝を含む行方不明になった人達に共通することはそれ以外わからない」
SHINING LORDは、色々な作品のキャラクターが登場する、日本中で幅広い層に人気のカードゲーム。
行方不明事件との関係が疑われるのは、そのスマホゲーム版。
プレイしていない4人の思い入れのある作品も参入している。
「SHINING LORDって、POEM FIGHTも参戦してるんだろ? 俺、網走吹雪が一番好きなんだけどカードある?」
「あるよ。原作通りすっごく強い! POEM FIGHTっていえば今日、春歌のレアカードゲットした!」
「霊媒探偵魅代のカードもあるんだったか」
「智和くんああいうオカルト系好きそうだよね。魅代さんも強いよ」
「拙者が小学生の頃に見ていたTOKYO GUARDIANSも参戦するという噂があるようでござるな」
「あれリメイク発表されたからSHINING LORDに来るって噂だけど、あくまで噂だからね~」
「黄金のハニーレモンの実物のカードはちょっとだけ持ってる」
「千影ちゃんハニレモ好きだもんね! でもハニレモのカードは上級者向けだからあたしには使いこなせない」
「しかし、拙者達が調べることになるということは、この行方不明事件、悪魔が絡んでいる可能性があるということでござろう? だとすれば、なぜSHINING LORDなのだ?」
「それはわからないが、勝がいなくなった以上、俺達が何もしないわけにはいかないだろう」
「じゃ、みんなでゲームやって悪魔が来るの待つってか?」
「いや、ゲームをやるのは結月だ」
「あたし?」
「この中でSHINING LORDをやってるのは結月だけだからな。結月がゲームをやって、他のみんなで周りを警戒する。悪魔が来たら戦う。これでいこう」
「悪魔っていつ来るの? 来るまでずっとやってなきゃいけない? あたしは楽しいからいいけど」
「調査によると、行方不明になった人達は、夜10時頃に寝室に入るところを家族が確認していたり、夜11時頃まで友達と屋台のラーメン屋にいたり、勝の場合は、昨日の夕方までブルクダン達とサッカーやってたり……」
「巨大妖怪達とサッカー!? 勝も妖怪だけど体格差えぐいサッカーだな」
「しかも勝がキーパーだったそうだ」
「勝がキーパー!? 巨大妖怪のシュート受けたら勝じゃなきゃ死ぬぞ」
「つまり、何かが起きるとしたら夜。それも夜11時以降…………あーだめだ、結月は帰らなきゃ」
「あたし、お母さんから千影ちゃんと一緒だったら8時以降になりそうなら連絡してくれたらいいって言われてる」
「千影、結月のお母さんと会ったことあるのか?」
「うん。結月のお母さんにもお父さんにもお会いしたことあるし、晩ごはんまでご一緒させて頂いたこともある」
「お母さん、結月が最近すごくしっかりしたお姉さんに仲良くして頂いてるって喜んでる。お父さんは、千影ちゃん礼儀正しいし食べ方も綺麗って褒めてた」
「なんか私、結月のご両親からすごい信頼されてて……。でも今まで8時以降まで一緒に遊んでたことないよね?」
「いつも8時までには家まで送ってくれるよね」
「なら8時以降でも保護者の方に連絡すればいけるか」
「ってことは今日、千影ちゃんとお泊まり!?」
結月の満面の笑みが千影に伝染する。
「そうなるね。……え、どこに泊まるの? 結月が私の家で泊まってゲームやって悪魔が出てきたら、どこにでもある普通の賃貸マンションが戦場になっちゃう」
「勝はどんな風に拐われたんだろうな。……いや、そもそも拐われたのかどうかもはっきりしてないか」
「もし悪魔が何らかの方法で妖怪の里に侵入して勝を拐ったのだとしたら、奴らに妖怪の里の場所を知られてしまった可能性も考えなきゃいけない。とにかくこれ以上、悪魔を妖怪の里にも、もちろん千影のマンションにも近付かせるわけにはいかない。俺の一族が所有してるペンションを使おう。そこなら悪魔に場所を知られても、その後誰も近付かせないようにすればいい」
「やったー! お泊まりでゲーム!」
「でもずっとゲームやってるわけにはいかないからな。目も悪くなるし。夏休みの宿題持ってきてるだろ?」
「え? ……あ、そっか。持ってきてる持ってきてる。なんでわかったの?」
「ネコマタンが言ってた。結月がコクピットに宿題置いてるって」
「あー、ネコマタンのコクピットって、暑すぎず涼しすぎず丁度いいし集中できるし……」
「だから時々あそこで勉強してるんだってな。一般人に見つからないようにしてくれてるならいいけど」
こうしてヨーカイジャー達は、河村一族が経営している山奥のペンションに泊まることとなった。
カラステングのコクピットに乗ってひとっ飛び。
ビームでコクピットから降りたそこに見えるのは、緑の木々の香りに囲まれた木造2階建て。
「へぇ~、素敵なところだね」
「おっ泊まり~!」
「勝助けたら一緒にカブトムシ探しに行きてぇ」
「うむ。カブトムシは夏のロマンの横綱でござる」
4人が話している間、智和はムゲンブレスで妖怪諜報部からの連絡を受けていた。
「今入った情報によると、行方不明になった人達はみんな、SHINING LORDのランクマッチで上位入賞常連の、ガチでガチなガチ勢だそうだ」
それを聞いた結月の顔が一瞬にして絶望に染まった。
「あたしそれ、1000位以内にも入ったこと無い…………勝くんはよく6位とか7位とか取ってる……」
それでは行方不明事件が悪魔の仕業だったとしても、悪魔が結月をターゲットに選ぶ可能性は低い。
悪魔が結月をターゲットに選ばなければ、今回の作戦は失敗に終わる。
「仕方がない。今日は宿題は休みにして、夜までカードの特訓でござる」
「いやいや、今えっと、もうすぐお昼の12時か。あたしみたいな底辺プレイヤーが夜までにランクマッチ上位に入るなんて無理!」
「でもレアカード手に入ったんだろ? それで勝てるんじゃね?」
「いやいやいや、カードが強くても使うあたしがあたしだからさ。それに春歌のレアカードが手に入って、やっと風属性デッキが組めるようになったとこで、ランキング上位になれるようなデッキかと言ったら…」
「風属性デッキ…。POEM FIGHTデッキとかはできねえの?」
「SHINING LORDは属性1つか2つに絞ってデッキ組んだほうが使いやすいんだけど、POEM FIGHTは主人公の嘉鳥勇気が火属性で、ヒロインの蝶野春歌が風属性で、拓実くんが好きな網走吹雪が水属性っていうふうに属性バラバラだから。コマンダーっていう能力持ったカードがあれば多属性デッキも使いやすくなるんだけど、あたしPOEM FIGHTのコマンダー持ってないから普通に属性絞ったデッキ使ったほうがまだ戦える」
こうして結月は自然豊かな山奥のペンションで、仲間達にルール等を説明しながらSHINING LORD、わいわい楽しくBBQ、またSHINING LORD、そして、
豊富な知識を持つ智和、地頭がよく柔軟性のある思考ができる千影、要領よく勉強を進められる拓実、日本史や古文に強い武士
という最強の布陣のアドバイスを受けながら宿題、またSHINING LORD、という充実した夏の過ごし方の見本のような時間を経て、夜を迎えた。
ペンションのロビー。
結月のスマホに充電器を繋ぐ。
「よしっ、これでバッテリーKILL対策も万全!」
「さすが結月、充電切れで負け扱いになることにバッテリーKILLなんて名前付けてる!!」
ソファに座りスマホを構える結月。
周りにいつでも変身できる体勢の仲間達。
ソファの前のテーブルにはスナック菓子と麦茶のペットボトル。
午後10時、完璧な環境を整えてのゲームスタート。
いつも以上に気力を充実させ、ランクマッチの順位を上げていく結月だったが、やはり行方不明者達のようなガチガチのガチ勢の順位に届くのには時間が足りない。
「やっぱり今夜中に上位ランクとか無理っぽい。拓実くんの秘策が効いてくれたらいいんだけど…」
「悪魔がSHINING LORDを使って何かしてるなら、多分、俺の秘策に乗ってくる可能性あると思う。ダメもとで、上位ランクに行けなかったときの保険ってことで」
智和による時間管理の元、結月は休憩を挟みながらゲームを続ける。
腰に手を当て麦茶を飲み干し、気合いを込めて次の試合を始めようとしたその瞬間は午前0時ジャスト。
仲間達に囲まれたソファから結月の姿が消えた。
「結月!!!!!」
千影が叫びながらソファを掴む。
「どこ!?」
「結月もだけど、敵は!?」
「4人で警戒していたのに、何の気配も感じられなかった…」
「やはりこれはどう考えても、悪魔の仕業で確定でござろう!」
「結月……」
千影はソファに残されたピンク色のスマホを両手で包み握りしめる。
「はっ!?」
気が付くと結月は真っ暗な、否、真っ黒な空間にいた。
光が無いわけではないので「真っ暗」ではない。
周りの様子はよく見える。
目の前にはテーブル、周りには実物大の人間が描かれた大きなカードが十数枚。
よく見ればその中に、よく知る2人の姿が描かれた物もある。
「勝くん! 杉森くん!」
仲間とクラスメイトのカードを見て、ここにあるカードの正体に気付く。
「悪魔!! いるんでしょ!! みんなをカードから出して!!」
「えらい遠くまで聞こえるええ声やな~」
関西訛りを感じさせる女性の声。
乾いた下駄の音を連れて真っ黒な空間に現れた、くるくる回る赤い和傘。
そこから顔を出したのは……
「舞妓はん」を思わせる艶やかな赤い振袖を着た体に、高下駄を履いた足、三角形のあんこ入り生八つ橋を思わせる頭部。
「いや。『悪魔は腰抜け勝負しろ』やなんてけったいな名前してはるから、どんなごっついおっさん出てきよるかと思とったけど、えらいかいらしいお嬢ちゃんやないの~」
拓実の秘策。
それは結月がSHINING LORDの中で使っているプレイヤーネームを「悪魔は腰抜け勝負しろ」に設定して挑発し誘き出すというもの。
「拓実くんの秘策が当たった…」
「あんた、急にこんなとこ来て、こんなカード見て、ウチのこと見て、せやのにあんま驚いてへんな。まるでそこにおる、銀色の服着たアホな妖怪みたいや」
結月は勝の姿が描かれたカードを横目で見る。
「それにそない、SHINING LORDに悪魔がおるってわかってるみたいな名前…………あんたヨーカイピンクやな?」
「そう、あたしは……」
結月はムゲンブレスに変身カードを入れる。
が、いつもと違いピンクの戦闘服を纏った姿になれない。
「でけへんよ変身。ここはウチが支配する空間。ここではウチがルールや」
「うわあああああああああああ!!!!!!!」
結月は叫びながら生身で殴りかかるが和傘を持っていない左手だけで簡単に止められる。
「にゃーにゃー元気のいい子猫ちゃんやねー。変身もせんと悪魔に勝てるわけあらへんやろ? あんたのオトモダチのヨーカイシルバーかて、人間よりは強ぉても、変身せんかったらあんたと大差あらへんかったわ」
悪魔は掴んでいた結月の手首をあっさり放す。
「あんたここから出たいんやったら、ウチのやり方で勝負してもらうで?」
「……どんなやり方?」
「あんたもよぉ知ってる、SHINING LORDや! ここにおる奴らも、ウチとSHINING LORDで勝負して、ほんで負けて、こないなってん」
「SHINING LORDで負けて、カードに閉じ込められた?」
「せや。強いプレイヤーのほうが負けた悔しさでぎょうさんデビルギー出してくれはると思て、ランキングの上のほうからここに来てもろとったんやけど、まさかヨーカイシルバーまでいてはったやなんて」
「勝くん、どこで攫ったの?」
「勝くんて、ヨーカイシルバー? どこで?言われたかて、こっから外のことなんか見えへんから、ウチにもわからへん」
どうやら妖怪の里の場所がバレたわけではなさそうだ。
「……いいよ、やったげる、SHINING LORD。ちょうどすごいレアカードが手に入ったばっかなんだ」
「そない普通のカードでやってもおもろないわ。使うんは、ウチが作ったカードや!」
テーブルの上に茶葉のような魔力が渦を巻き、SHINING LORDのカードデッキが現れた。
「それがあんたが使うデッキや」
「えー? どうせ弱いカードしか入ってな…」
結月はデッキのカードを確認して口が開きっぱなしになる。
「ウチは悪魔やけど鬼やない。相手にも強いカード使わしたる。それで負かして閉じ込めたほうが、ええデビルギーがぎょうさん手に入る」
「やっぱり鬼じゃないけど、悪魔だね」
「ハァ、ほんまにかいらしいお嬢ちゃんや。ウチはオノスケリス」
テーブルの上に再び茶葉のような魔力が渦を巻き、現れたデッキをオノスケリスが手に取る。
「お相手よろしゅう、お頼申します~」
互いにデッキを手に取り、対戦の準備を始めようとしたその時…
「ちゅぴー!」
声のした方を見ると、人間が閉じ込められているカードの間に、シマエナガをドッジボール程の大きさにしたような白くて丸っこい鳥が鳥籠に入っていた。
「かわいい! 何あの子!?」
「なんやのもー、せっかくかっこよぉ対戦始めるとこやったのに。おとなしゅうしときぃな。あの子は地球の『ほっかいどー』とかいうとこ歩いとったら…」
「あ、あなたはここから普通に出られるんだ?」
「そらそやろ。あの子は地球の『ほっかいどー』とかいうとこ歩いとったらたまたま見っけて、かいらしい妖怪やからグレモリーさん姉さんのお土産にしたろ思てんけど、あの子カードゲームでけへんから、あないして普通に捕まえたってん」
「妖怪なんだ…」
「ちゅぴぴー!」
「あの子も助けたいんやったら、ウチにSHINING LORDで勝つしかあらへんで」
「そうだね……。それじゃ!」
互いにテーブルを挟んで向かい合う。
それぞれ30枚のデッキをシャッフルして右側に置き、最初の手札として5枚のカードを引く。
対戦の準備が終わり、コイントスによりオノスケリスが先行に決まる。
そして、いつもはスマホから流れる対戦開始のコールを声を揃えて叫ぶ。
「GO! SHINING LORD!!」
オノスケリスの最初のターン。
通常、ターンの初めに「ドローフェイズ」が行われ、デッキからカードを引くが、先行プレイヤーは最初のターンにこれを行うことができない。
「ドローフェイズ」の次は「チャージフェイズ」。
手札から1枚選び「エナジーゾーン」に縦向き(リリース状態)で置く。
ここで置かれたカードが、戦闘を行う「キャラクターカード」や様々な効果を持つ「オペレーションカード」を使うためのコストとなる。
オノスケリスは闇属性、コスト8の【ベヒモス】のカードをチャージ。
「あ、あの時戦ったおっきい奴!」
「せやで。ウチのは悪魔デッキや!」
次に、「コメディフェイズ」か「シリアスフェイズ」のどちらかを選んで行う。
どちらを選んでもキャラクターカードを自分の「バトルエリア」に出したり(エントリー)、オペレーションカードを発動したりすることができるが、「ボケ」または「ツッコミ」という「コメディ属性」を持たないキャラクターカードはコメディフェイズに出すことができない。
また、オペレーションカードはカードによってコメディフェイズかシリアスフェイズどちらに発動できるかが決まっている。
「シリアスフェイズ。【ジャミリアーカプセル】を発動!」
【ジャミリアーカプセル】
闇属性 コスト1 シリアス
条件:手札を1枚捨てる。
・手札または自分のバトルエリアに存在する「特徴:デモンダイム」を持つキャラクターカードを1枚相手に見せる。その後、見せたカードのコストの数字以下の枚数の【ジャミリアー】をデッキから手札に加える。
エナジーゾーンに存在する、使いたいカードと同じ属性のカードを「コスト」の数字だけ横向き(ホールド状態)にすることで、そのカードを使うことができる。
オノスケスはエナジーゾーンの【ベヒモス】をホールド。
発動条件を満たすため、手札からキャラクターカード【フルフル】を捨てる。
捨てたカードは「アウトゾーン」に置かれる。
「見せるんは…コスト5の【ベルゼブル】様や!!」
【ベルゼブル】
闇属性 コスト5 ボケ 特徴:デモンダイム、悪魔、男、幹部
パワー4000
・これを手札からバトルエリアに出した時、デッキまたはアウトゾーンから「巨大化魔法」を1枚手札に加える。
「ベルゼブル…」
オノスケスはデッキから【ジャミリアー】を5枚手札に加え、デッキをシャッフル。
シャッフルの描写は今後省略する。
【ジャミリアー】
闇属性 コスト1 ボケ 特徴:デモンダイム、悪魔、戦闘員
パワー1000
・これはデッキに好きな枚数入れることができる。
デッキに同じ名前のカードは3枚までしか入れることができないルールだが、【ジャミリアー】はデッキに任意の枚数入れることができる能力を持つ。
通常この後「バトルフェイズ」に入るが、先行プレイヤーの最初のターンにはそれがスキップされる。
「ウチはこれでターンエンドや」
「あたしのターン!」
結月はドローフェイズにカードを1枚引く。
(次のターンにチャージされたら、ジャミリアーを2体出せるようになるんだよね…)
相手バトルエリアにキャラクターが存在しない場合、キャラクターは相手プレイヤーに直接攻撃 (ダイレクトアタック)を行うことができる。
このダイレクトアタックを1回受けると1ダメージが与えられ、先に3ダメージを受けたプレイヤーがゲームの敗者となる。
(何も出さないとジャミリアーの攻撃で2ダメージ受けちゃうから…)
結月はチャージフェイズに【長老妖怪メガガッパー】をチャージ。
【長老妖怪メガガッパー】
水属性 コスト4 ツッコミ 特徴:妖怪、男
パワー3000
・ゾードアップ(自分のバトルエリアの【ヨーカイグリーン】をアウトゾーンに送ることにより、これをエナジーをホールドせずにエントリーできる。)
・相手ターン中、このキャラクターのパワーは+3000される。
(今の手札だとコメディでもシリアスでも変わらないけど…)
「コメディフェイズ! 【ヨーカイグリーン】をエントリー!」
エナジーゾーンの【長老妖怪メガガッパー】をホールドし、【ヨーカイグリーン】をバトルエリアに出す。
【ヨーカイグリーン】
水属性 コスト1 ツッコミ 特徴:人間、男、グリーン
パワー2000
・コマンダー(これが自分のバトルエリアに存在する限り、自分は出典作品「夢幻戦隊ヨーカイジャー」のカードを使う時、エナジーを属性に関係なくコストの数字分ホールドすれば使うことができる。)
すると、テーブルの上に小さなヨーカイグリーンの姿がホログラムのように浮かび上がった。
「智和くん! ちっちゃい! かわいい!」
『言ってる場合か!』
「ちゃんとツッコんでくれた! かわいい!」
「おもろい演出やろ?」
「こんな状況じゃなかったらすごく楽しかったんだろうけどね。バトル!」
バトルフェイズ。
オノスケリスのバトルエリアにはキャラクターがいない。
「【ヨーカイグリーン】でダイレクトアタック!!」
攻撃を宣言したキャラクターをホールド。
小さいヨーカイグリーンがガチコンハンマーを装備し、オノスケリスのシナモンの香りがしそうな頭を殴りつける。
「ぐうううううっ…」
「やったー! 1ダメージ! ターンエンド!!」
「ウフフ、上手な攻撃やなー。ウチのターン!」
ここからはフェイズの移行の描写は可能な限り省略する。
オノスケリスはカードを1枚引き、【ジャミリアー】を1枚チャージ。
闇属性のエナジーを2枚ホールドし、【フラウロス】をエントリー。
テーブルに小さい豹顔豹柄悪魔・フラウロスの姿が浮かび上がる。
「豹柄おばちゃん…確か拓実くんが最初に戦った悪魔…」
【フラウロス】
闇属性 コスト2 ボケ 特徴:デモンダイム、悪魔、女、怪人
パワー3000
「この子は特に能力は持ってへんけど、【ヨーカイグリーン】をやっつけるにはそれで充分や。バトル! 【フラウロス】で【ヨーカイグリーン】を攻撃!!」
キャラクター同士が戦闘を行う場合、「パワー」の数字が大きいほうが勝ちとなり、負けたキャラクターは「バトルアウト」となりアウトゾーンに送られる。
『飴ちゃん舐めるかー?』
小さいフラウロスが小粒の小型爆弾をばら撒き、それが小さいヨーカイグリーンを直撃。
爆発が起き、小さいヨーカイグリーンは消滅。
【ヨーカイグリーン】のカードはアウトゾーンに送られる。
「ターンエンド」
「智和くん……。あたしのターン!」
ドローフェイズに引いた【武闘妖怪カラステング】をチャージする。
【武闘妖怪カラステング】
風属性 コスト5 ボケ 特徴:妖怪、男
パワー5000
・ゾードアップ(自分のバトルエリアの【ヨーカイレッド】をアウトゾーンに送ることにより、これをエナジーをホールドせずにエントリーできる。)
・このキャラクターが攻撃する時、手札を1枚捨てることで、このキャラクターのパワーをターン終了時まで+3000できる。
チャージした【武闘妖怪カラステング】をホールドし、【ヨーカイブルー】をエントリー。
「武士くん!」
【ヨーカイブルー】
風属性 コスト1 ボケ 特徴:人間、男、ブルー
パワー2000
・このキャラクターが攻撃する時、手札から火属性のカードをチャージすることで、このキャラクターのパワーをターン終了時まで+2000できる。
「バトル!! 【ヨーカイブルー】で【フラウロス】を攻撃! 能力発動!」
手札から火属性の【炎熱妖怪カシャ】をエナジーゾーンに置く。
【炎熱妖怪カシャ】
火属性 コスト4 ツッコミ 特徴:妖怪、男
パワー4000
・これが自分のバトルエリアに存在する時、自分の「特徴:合体巨人」を持つキャラクターは自分ターン中、パワー+4000される。
これにより、【ヨーカイブルー】のパワーが【フラウロス】を上回り、【フラウロス】はバトルアウトとなりアウトゾーンに送られる。
『いけずせんといてぇなー!!』
ホログラムのヨーカイブルーがフラウロスを炎の剣で撃破。
「やったやったー!!」
(今のうちにせいぜい喜んどったらええわ…)
次のターン。
ホールド状態のキャラクターはターン開始時に全員リリース状態になる。
オノスケリスはカードを1枚引き、また【ジャミリアー】を1枚チャージ。
3枚のエナジーをホールドし、3体の【ジャミリアー】をエントリー。
「ウチそない元気なお侍さんやつけれるカードあらへんから、これで守りだけ固めてターンエンド」
次のターン。
結月は引き当てたカードに思わず顔が綻び声が出そうになりギリギリ抑える。
(やった! あたし!!!)
【ヨーカイピンク】
土属性 コスト1 ボケ 特徴:人間、女、ピンク
パワー2000
・このキャラクターがエントリーした時、このキャラクターをホールドし、自分の土属性のエナジーを1枚手札に戻してよい。そうした時、手札に戻したカードのコストの数字以下の数の相手のパワー3000以下のキャラクターをアウトゾーンに送る。
(よーしこれを……)
【ヨーカイピンク】を出すためのエナジーをチャージしようとした時、綻んだ顔が一気に真顔に変わる。
「あっ……!!」
「どないしはったん? もしかして、今引いたカードを出すためのエナジーが無い?」
「このデッキ、属性バラバラ……」
そう、結月のデッキは水、風、土など、色々な属性のカードが入った多色デッキ。
ヨーカイジャーメンバーの再現度は高いが、それ故に属性の統一はされていない。
「強いデッキくれたんじゃないの!?」
「強いで、そのデッキ。お嬢ちゃんが使いこなせさえすれば。ちゃんとコマンダー入っとったやろ?」
「コマンダー……はっ!!」
「コマンダー」の能力を持つ【ヨーカイグリーン】は既に倒されている。
「『出典作品』はみんな『夢幻戦隊ヨーカイジャー』にしたってるから、【ヨーカイグリーン】おったらどんな属性のキャラクターも出せたのに。ほんまお嬢ちゃん、かいらしいわぁ~」
オノスケリスは口元らしき部分に手を当て小首を傾げる。
「うぅ……。でも何かチャージしなきゃ……」
光属性の【ヨーカイシルバー】をチャージ。
バトルフェイズに【ヨーカイブルー】の攻撃で【ジャミリアー】を1体バトルアウトさせてターンエンド。
「カラフルで奇麗なエナジーゾーンやねぇ~。ウチなんか黒一色やから羨ましいわぁ~」
オノスケリスのターン。
闇属性の【バルバトス】をチャージし、コスト3の【ザエボス】をエントリー。
【ザエボス】
闇属性 コスト3 特徴:デモンダイム、悪魔、男、怪人
パワー2000
・これをエントリーした時、相手のコスト3以下のキャラクターはターン終了時までパワー-1000される。
「ワニ頭! あたしが初めて戦った悪魔!!」
ホログラムのザエボスが足元に突き立てた拳を中心に広がった赤いマグマがヨーカイブルーを苦しめ、パワーを-1000させる。
「バトル!」
ホログラムのザエボスがヨーカイブルーにジャンプからの噛みつき。
『無念!』
ホログラムのヨーカイブルーは消滅、カードの【ヨーカイブルー】はバトルアウトでアウトゾーンへ。
「お嬢ちゃんのバトルエリア、スッキリしてよろしいなぁ。ジャミリアー2体でダイレクトアタック!」
『ジャミジャミ!』
ホログラムのジャミリアー2体が棍棒で結月に殴りかかる。
「あああああああ!!!」
本物のジャミリアーに殴られたかのような衝撃。
肉体的なダメージは無いが精神力は削られる。
「あと1点、ダメージ受けたらお嬢ちゃんもカードの中でデビルギー絞らしてもらいますえ。ターンエンド」
「ごめんね武士くん、あたしがザエボスに噛まれそうになった時は拓実くんが助けてくれたのに…」
結月のターン。
「来てくれたんだ……!」
引き当てた土属性の【偶像妖怪ネコマタン】をチャージ。
ホールドして【ヨーカイピンク】をエントリー。
「あの時みたいにやっつけちゃう! 能力発動!」
【ヨーカイピンク】をホールドし、エナジーゾーンの【偶像妖怪ネコマタン】を手札に戻す。
「【偶像妖怪ネコマタン】はコスト4! 【ザエボス】も【ジャミリアー】もみんなアウトゾーン!!」
ホログラムのヨーカイピンクがザエボスとジャミリアー達の頭上から無数の肉球型エネルギー弾を降らせる。
ホログラムのザエボスとジャミリアー達は以前の戦いを再現するかのように消滅、カードの【ザエボス】と【ジャミリアー】2体はアウトゾーンへ。
「あたし、っていうか【ヨーカイピンク】は能力発動のためにホールドしてるから攻撃できない。ターンエンド」
「やるやないの。せやけどこれで…」
オノスケリスのターン。
闇属性の【アバドン】をチャージ。
「5枚…」
「!!!!!」
闇属性のエナジーを5枚ホールドして【ベルゼブル】をエントリー。
『チェケラ!』
ホログラムのベルゼブルが例の指の形で結月に指を差す。
【ベルゼブル】の能力により、【巨大化魔法】がオノスケリスの手札に加わる。
【巨大化魔法】
闇属性 コスト5 シリアス
・次の2つの効果のうち1つを選んで発動する。
①自分のアウトゾーンに存在する「特徴:デモンダイム」を持つキャラクターカードを、パワーを2倍にしてバトルエリアに出す。
②自分のバトルエリアに存在する【ベルゼブル】1体のパワーを2倍にする。
「ほなベルゼブル様、あんじょうお頼申します~。バトル!」
【ベルゼブル】で【ヨーカイピンク】を攻撃。
ホログラムのベルゼブルが高速飛行からの右ストレートでヨーカイピンクを殴り飛ばし消滅させる。
『きゃあああああああああああ!!!!!』
「ありがとうあたし。よく頑張ってくれた…」
「どない? 自分が死ぬとこ見る気分は?」
「……あんた、SHINING LORDやってるのに知らないの? バトルアウトしたキャラクターは死ぬんじゃなくて、キャラクターからデータに戻るだけなんだよ」
「はて、そやったかいな? そないな勝ち負けに関係ない設定、よぉ覚えてへんわ」
自分のエナジーは属性バラバラ、相手は闇属性が5枚。
あと1回ダイレクトアタックを決められれば負けてカードに閉じ込められる。
絶望的な状況のはずだが、結月の表情の中に微かな「希望」のような物が滲む。
(お嬢ちゃん、なんや企んではるんやろか? まあ、何しよっても次のウチのターン、ベルゼブル様かアウトゾーンの悪魔を【巨大化魔法】でパワー2倍にしたったら、せいぜいパワー1か2のキャラクターしか出されへんお嬢ちゃんに勝ち目なんかあらへん…)
しかし結月の心の中には、最初の5枚の手札からずっと持っていた1枚のカードに見出した、おぼろげながらも確かな光が灯っていた。
「バトルアウトしたキャラクターは死ぬんじゃない。死んだわけじゃない。だったら……」
「ちゅぴちゅぴぴー!」
「うん、待ってて鳥ちゃん、絶対出してあげるからね。あたしのターン!」
目を閉じてカードを引く。
少しずつ開いた視界の中に映る赤い絵柄に、心の中に灯っていたおぼろげな光が眩しい太陽に変わる。
「きた!」
土属性の【偶像妖怪ネコマタン】をチャージ。
そして風属性の【武闘妖怪カラステング】をホールドし、【ヨーカイレッド】をエントリー。
【ヨーカイレッド】
風属性 コスト1 ボケ 特徴:人間、男、レッド
パワー2000
・このキャラクターが攻撃する時、自分の風属性のエナジーを1つホールドしてよい。そうした時、このキャラクターのパワーはターン終了時まで+1000され、もう1度攻撃できる。
「拓実くん。そして、拓実くんが連れてきてくれた、あたし達のクセ強な仲間!」
【ヨーカイレッド】をアウトゾーンに送り、最初の手札から持っていた【伝説妖怪ゲキリンダー】をエントリー。
【伝説妖怪ゲキリンダー】
光属性 コスト6 ボケ 特徴:妖怪、男
パワー6000
・ゾードアップ(自分のバトルエリアの【ヨーカイレッド】をアウトゾーンに送ることにより、これをエナジーをホールドせずにエントリーできる。)
・これが自分のバトルエリアにある時、自分のシリアスフェイズに自分のアウトゾーンにあるキャラクターを1体自分のバトルエリアに出す。この能力は1ターンに1回だけ使える。
ホログラムのゲキリンダーも出現。
スペースの都合のためか、人間サイズのベルゼブルとの体格差は実物ほどではない。
「ゲキリンダーには時を戻す力がある。でも、時を戻しても失われた命は戻らないんだって。だけどバトルアウトしたキャラクターは死んだわけじゃない。能力発動!」
『ちょっと待った』
「え?」
『バトルアウトしたキャラクターは死んだわけではないという話だが、確かベルゼブル以外の悪魔は死ななければ巨大化できないはず。しかし【巨大化魔法】のカードを使えばアウトゾーンの悪魔を巨大化させられるのなら、やはりバトルアウトしたキャラクターは死…』
「ゲキリンダーさぁ~、カードでまでなんかめんどくさいこと言い出すのやめて? カードなんだから、現実そのまんま全部再現できるわけじゃないでしょ? だからこれはこれ、それはそれって感じで飲み込んで、とにかく能力発動しちゃって?」
『なるほど、それも悪くないだろう。というわけで、時を戻そう』
ホログラムのゲキリンダーが金色の光を放ち、その光が結月のアウトゾーンに降り注ぐ。
「【ヨーカイグリーン】をバトルエリアに出す!」
ホログラムのヨーカイグリーンも再び現れる。
「いや、せっかくやっつけたったのに!」
「そして、バトル! 【伝説妖怪ゲキリンダー】で、【ベルゼブル】を攻撃!」
『ゲキリンダーキーーーーック!!!』
『げぶふぁあっ!?!?!?』
ホログラムのゲキリンダーが長い首でベルゼブルを殴り飛ばし消滅させる。
「あたしが知ってるキックじゃなかったけどこれで相手のバトルエリアはがら空き!!」
「ベルゼブル様ー!!!」
「【ヨーカイグリーン】でプレイヤーにダイレクトアタック!!」
「いやああああああああ!!!!!!」
ホログラムのヨーカイグリーンが再びオノスケリスにガチコンハンマーの一撃を食らわす。
「これでダメージは2対2!」
思わずひっくり返ったオノスケリスがテーブルに手を突きながら立ち上がる。
「つ……つまり次ダイレクトアタックされたほうが負け。おもろなってきたやないの……ウチのターン!」
ドローフェイズに引いたのは【ヨーカイグリーン】よりパワーの低い【ジャミリアー】。
「この子今更何しに来とん? チャージ!」
【ジャミリアー】をチャージしエナジーゾーンは闇属性6枚。
そのうち5枚をホールドし【巨大化魔法】を発動。
「デビル デビレバ デビルトキ カモンデーモン デビデビレ ベルゼブル様、おっきなって、おこしやす~!」
アウトゾーンから【ベルゼブル】がパワーを2倍の8000にしてバトルエリアに出す。
ホログラムのゲキリンダーより一回り大きい巨大ベルゼブルがテーブルの上に現れる。
「コマンダーは厄介やけど、やっつけても【ゲキリンダー】おったら生き返ってきはるから……バトル! 【ベルゼブル】様で【ゲキリンダー】に攻撃!」
ホログラムの巨大ベルゼブルの高速移動からの右アッパー。
攻撃力が2倍になったベルゼブルの攻撃に耐え切れず、ゲキリンダーは消滅。
『智和を残せたなら、悪くないだろう…』
カードもアウトゾーンへ。
「ゲキリンダー、ありがとう…」
「さあ、これでお互い手札は0。こっちにはパワー8000になった【ベルゼブル】様。コマンダー1体残ったところで、次のウチのターンで【ベルゼブル】様がペラッペラの千枚漬けみたいにしてくれはるわ」
結月はデッキの一番上のカードを掴み、深呼吸。
仲間達との思い出が甦る。
初めてヨーカイピンクとして戦ったあの日、千影の変身後の美しさにも憧れたあの日、巨大戦艦に敗れ、高校生の自分だけが仲間達と一緒にいられなかったあの夜、千影のサプライズバースデー、みんなで行った海水浴……
「あたしのターン!」
引いたカードは、
【みんなで行った海水浴】
水属性 コスト3 コメディ
・デッキからカードを3枚引く。
「ついこの間の出来事がもうカードになってる!?」
「グレモリーさん姉さんから聞いてん。海行ったらあんたらみんなで海水浴来とったって」
「まあいいや、チャージはせずにコメディフェイズで発動!」
コマンダーがいるので属性を問わずエアジーをホールドして発動できる。
【長老妖怪メガガッパー】、【武闘妖怪カラステング】、【炎熱妖怪カシャ】をホールドし、デッキからカードを3枚引く。
その3枚のカードを確認し、結月は深いため息をつく。
「どないしたん? 【ベルゼブル】様に勝てるカード引かれへんかったん?」
「いや、そうじゃなくて……せっかくカードのキャラクターが実体化する対戦してるのに、千影ちゃんのカード引けないまま、このターンで終わっちゃうんだな~って」
「なんやて!?」
「みんなとの思い出が、あたしに奇跡をくれた…」
【みんなで行った海水浴】の効果で引いたカード。
それは風属性の【斬空妖怪カマイタチ】、光属性の【幻惑妖怪キュービルン】、そして、
【ムゲンオー】
風属性 コスト10 ボケ 特徴:妖怪、男、女、合体巨人
パワー15000
・ゾードアップ(自分の手札、バトルエリア、エナジーゾーンの【武闘妖怪カラステング】、【長老妖怪メガガッパー】、【偶像妖怪ネコマタン】、【斬空妖怪カマイタチ】、【幻惑妖怪キュービルン】をアウトゾーンに送ることにより、これをエナジーをホールドせずにエントリーできる。)
・このキャラクターが攻撃するとき、その戦闘が終わるまで相手はキャラクターとオペレーションの効果を発動することができない。
「エナジーゾーンの【武闘妖怪カラステング】、【長老妖怪メガガッパー】、【偶像妖怪ネコマタン】、手札の【斬空妖怪カマイタチ】、【幻惑妖怪キュービルン】をアウトゾーンに送り、【ムゲンオー】をエントリー!!」
テーブルの上にホログラムの巨大ベルゼブルと同程度の大きさのムゲンオーが現れる。
「そ…そんな……」
「ねえ、もう人間閉じ込めるのやめない? こんな面白いカード考えられる才能、そんなことに使うのもったいないよ。デビルギー集めなんかやめて、これからも一緒にカードで遊ぼうよ」
「はァ!? デビルギーはサタン様にお目覚め頂くために絶対必要や! やめるわけあらへんやろ!」
「そっか……。【ムゲンオー】で【ベルゼブル】を攻撃!」
ホログラムのムゲンオーの右手の夢幻斬空剣が巨大ベルゼブルを切り裂き消滅させる。
「そして! 【ヨーカイグリーン】でプレイヤーにダイレクトアタック!」
ホログラムのヨーカイグリーンが三度オノスケリスにガチコンハンマーの一撃を食らわす。
『2度あることは3度あるってな!』
「いいいいいいいいいいいいやああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
3点目のダメージの衝撃に吹っ飛ぶオノスケリス。
振袖の背中を床で強打、と同時に真っ黒な空間は消滅。
そこは結月が元いたペンションのロビー。
戻ってきた結月と、困惑する仲間達。
仰向けに倒れたオノスケリスと、解放された人間達、鳥籠と、勝。
「えーっとえっと、皆さん! これは、夢です!」
「二ノ宮?」
「あ、杉森くん! あるよね! 夢にクラスの子が出てくることあるよね!」
結月の様子と倒れている生八つ橋の姿に全てを察した拓実武士千影は人々を出口に誘導し、智和はムゲンブレスの通話機能で妖怪情報統括部に記憶操作を依頼する。
「はい皆さん、夢の続きはあちらでーす! って勝は出なくていいから!」
「あ、そっか。みんな、あの倒れてるのが悪魔だ!」
「うん、それは見たらだいたいわかった」
一般人達が全員ペンションから退出した辺りで、オノスケリスが全身を震わせ、床を掴み砕きながら起き上がる。
「許さへん…………絶っっっ対に許さへんで、ヨーカイグリーン!!!」
「ゑ!? 俺!? なんで!?!?!?」
「うん、まぁ、色々あってね…」
「とにかく変身だ!」
「妖怪変化!」
全員変身、グリーンがまず囮となって外へ飛び出し、オノスケリスをペンションからも一般人達からも離れた所へ誘導する。
振袖高下駄で信じられないスピードで走るオノスケリス。
捕まりかけたグリーンをレッドが空から搔っ攫う。
「あのバカまだ追ってくるぞ」
「結月になぜ俺が狙われてるか聞くまでは死ぬわけにいかない! とにかくあっちの川のほうに頼む!!」
残りのヨーカイジャーもペンションを飛び出し、深夜でも目立つ色鮮やかな追跡劇を目視確認。
「拙者達も追うぞ!」
「その前に!」
ピンクがスキャットクロウを装備、鳥型妖怪が捕らわれていた鳥籠を加減して壊す。
「これであなたは自由だよ。あたし達はあの悪魔やっつけてくるから、あなたは好きな所へ行ってね」
「ちゅぴ…」
走り去る4人の背中を見ながら、鳥型妖怪は小さな声を漏らす。
レッドとグリーンは人気の無い、月明かりで視界の確保はできる河原の上空に辿り着いた。
「今だ!」
「オウケイ!」
レッドが地上のオノスケリスに向けてグリーンを放り投げ、同時にグリーンがガチコンハンマーを装備し振り上げる!
「またそれかいな!!」
「またって何だ!?」
落下の勢いが付いたガチコンハンマーがオノスケリスの脳天に振り下ろされる直前、オノスケリスが魔力で赤い和傘を生成し攻撃を受け止め、弾き返す。
グリーンは弾き返された勢いを重心移動で抑えながら着地。
レッドも着陸し他のメンバー達も追い付いた。
「誰が呼んだか旅烏 鼻高々にてんつくてん 天に代わって只今参上! 空の勇者、ヨーカイレッド!」
「誰が言ったか川流れ 流れるどころか掻き分けて 登って飛び出せナイアガラ! 水の戦士、ヨーカイグリーン!」
「誰が言ったか猫かぶり 花も恥じらうJK3 嘘はいらない夢見る乙女! 獣のアイドル、ヨーカイピンク!」
「誰に言われどカマわない イタチごっこにピリオド刻み 腹を切らずに悪を斬る! 風の剣士、ヨーカイブルー!」
「誰を染めるか狐色 こんこん今夜も手鞠歌 お目にかけましょ万華鏡 幻の賢者、ヨーカイイエロー!」
「誰もオイラを止められねえ! 当たるも八卦の大予言! 爆走疾風ギンギラギン! 閃光の覇者、ヨーカイシルバー!」
「夢も現も守るが仏 夢幻戦隊!」
「ヨーカイジャー!!!!」
「これがほんまもんのヨーカイジャーか…」
オノスケリスは袖の下から茶道に使う茶碗のような物を取り出す。
「行きよし、ジャミリアー!!」
それを放り投げると空中で弾け、中から7体のジャミリアーが姿を現した。
「ジャミジャミ!」
ジャミリアー達は棍棒を振り上げながらリズミカルに足を踏み鳴らす。
「行くぞ!」
「オウ!」
グリーンの掛け声でヨーカイジャー達が走り出す。
レッドがフェザーガントレットとクロノスマッシャーを装備。
1体のジャミリアーが両拳による連続パンチを棍棒で防ぐも、棍棒にはみるみるうちにヒビが入り、砕けると同時に右拳で顔面を抉られ吹っ飛ばされる。
グリーンのガチコンハンマーがジャミリアーのボディで火花を散らし、ブルーがブライブレードを振るい2体続けて斬り捨て、イエローがライジュウの能力カードによりコンコンボーから放った電撃で3体纏めて痺れさせ、動きを鈍らせたところでシルバーがオボロバルカンの連射を浴びせる。
上流では、ピンクがスキャットクロウを連続で振るい、その攻撃をオノスケリスが日本舞踊のような動きに乗せた和傘による防御で無力化する。
「お嬢ちゃん、カードではえらい強かったなぁ」
「本物のあたしも強いもん!」
ピンクはムゲンブレスに必殺カードを入れる。
「必殺妖技・肉球謝肉祭!!」
オノスケリスの頭上から無数の肉球型エネルギー弾が降り注ぐ。
オノスケリスはそれらを頭上で和傘を回転させて弾き飛ばす。
「カードでは強い技やなぁ」
「んも~!」
ジャミリアーを片付けて駆け付けた仲間達。
ムゲンシューターとオボロバルカンの一斉射撃も弾かれる。
「バンバンバンバン、賑やかでよろしおすなぁ」
「くっ……遠距離攻撃は弾かれる……」
「ならば近付いて切り捨てるまで!」
ブルーがブライブレードを構え日頃の鍛練により鍛えた脚力によりオノスケリスを間合いに捉えるその直前、オノスケリスは和傘で風に乗って夜空へ舞い上がり、空中からブルーに向けて両足の高下駄を飛ばす。
片方の高下駄をブライブレードで受け止め、刀と高下駄で鍔迫り合いのようなことをしているところに、もう片方の高下駄に下腹へ蹴りを入れられ吹っ飛び、痛みを堪えながらグリーンの隣に着地。
「顔以外は人間のような奴だが……出来る……」
「顔は全く人間じゃない奴だが……接近戦も厳しいか……」
ヨーカイジャー達から数十m離れた地面に揃った高下駄を、ふわりふわりと降りてきたオノスケリスがそのまま元のように履いてみせた。
その時、ピンクに鳥籠から出されたあの白い鳥のような妖怪が、ペンションの方向から飛んできてヨーカイジャー達の頭上を飛び回り始めた。
「ちゅぴちゅぴー!」
「鳥ちゃん!!」
グリーンはその妖怪を資料映像で見たことがある。
「こいつは、コロボックルじゃないか!」
「この子そんなかわいい名前だったの? 悪魔に捕まってたんだけど……」
「ちゅっぴー! ちゅちゅぴちゅちゅぴ! ちゅちゅぴぴ!」
シルバーが力強く頷く。
「わかる! その気持ちわかる! ヨーカイジャーの噂は聞いてて、ヨーカイジャーの役に立ちたいと思ってたんだって?」
「いや、そんなのいいから、早く逃げて!」
「ちゅちゅちゅちゅちゅちゅ、ちゅっぴー!!!!!」
コロボックルの体が光を放ち、その光が凝縮して1枚のカードになり、ピンクの手元に降りてきた。
「これ……必殺カード!? あたしに?」
「ちゅぴぴぴちゅ、ちゅっちゅちゅぴー!」
「いつかヨーカイジャーに渡したくて、カードの作り方練習してたんだって!」
話しているところに高下駄が飛んできて、コロボックルを直撃する寸前にレッドが割って入りパンチで弾く。
「ウチのことほったらかして、仲良ぅお話ししてはるんやねぇ」
ヨーカイジャー達はカードのイラストを見て、そのカードで発動するのがどのような技かを理解し、散り散りに走りだす。
「あら今度は何しはりますの~?」
ピンクがムゲンブレスに必殺カードを入れると、コロボックルは愛らしい雄叫びと共に「yokaiger」というロゴが入った白いボールに変身し、高く掲げられたピンクの手に収まる。
「いくわよっ、ヨーカイジャータイフーン!!」
ピンクが妖力を注ぎ込むと、ボールは爽やかで愛らしいピンクに染まる。
「勝くん!」
投げられたボールをシルバーが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは力強く輝く銀色に染まる。
「千影!」
オノスケリスの視界を掠めて届いたボールをイエローが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは妖しく魅惑的な黄色に染まる。
「たーけしー!」
「母ちゃんのような発音はわざとでござるな?」
弧を描いて飛んできたボールを武士が受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは鋭く吹き抜ける風のような青に染まる。
「智和!」
真っ直ぐに飛んできたボールをグリーンが受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは知性の奥に秘められた情熱を思わせる緑に染まる。
「よっしゃいくぞー!」
グリーンがオノスケリスに向かって叫ぶと同時に大きく振りかぶる。
「何しても無駄やのに、ほんまに元気でよろしいなぁ」
オノスケリスがグリーンに和傘を向け、その方向から飛んでくるであろう攻撃に備える体勢に入った所で、グリーンが無言で静かにレッドの方へボールを投げる。
レッドがボールを静かに受け取り、妖力を注ぎ込むと、ボールは勇気と正義を象徴する赤に染まり、更にカラステングの翼を思わせる装飾が現れる。
レッドはボールを真上に投げ、ジャンプでそれを追い抜き立体回転からのムーンサルトキックを放つ。
「必殺妖技・爆裂暴風球!!」
渦巻く風を伴う超高速のボールが振り向き様のオノスケリスの振り袖ボディに直撃。
ボールに込められた妖力を叩き付けられながら空中に押し上げられ思わず和傘を手放しそのまま力無く落下し地面に激突。
ボールは再びピンクの手に収まりコロボックルの姿に戻る。
「あんたら、ええ時計してはるなぁ~」
オノスケリスは長い袖を揺らしながら倒れ、爆散。
「これ時計じゃないんだけどな」
グリーンが爆炎にムゲンブレスを見せる。
羽音を立てて星空を横切りベルゼブルが飛んでくる。
「あいつやっと見つけたと思ったらやられちまってるZE!」
ベルゼブルは魔力で髑髏型のマイクを生成して呪文を唱える。
「YO!デビル デビレバ デビルトキ カモンデーモン デビデビレ 最後のバイブス、AGEてこうZE!」
ベルゼブルが目から放ったビームにより、オノスケリスの残骸が巨大なオノスケリスの姿となりヨーカイジャー達を見下ろす。
「あんたら小そうて、ますますかいらしいわぁ~」
「……よーし、本物のムゲンオーも見せてあげる! コロボックルちゃんは離れてて」
「ちゅぴ!」
「サモン、パートナーズ!!」
待機していたカラステングと妖怪の里から召喚された巨大妖怪達。
ヨーカイジャー達がコクピットに転送され、レッドがムゲンブレス、シルバーがムゲンライザーに合体カードを入れる。
「夢幻合体!」
「完成、合体巨人・ムゲンオー!」
「合体巨人・ムゲンショーグン!」
並び立つ2体の合体巨人。
巨大オノスケリスは和傘を生成し、風に乗って夜空へ舞い上がる。
そこでムゲンショーグンが巨大オノスケリスの真下に入り、左手のガトリング砲を連射する。
「うわうわうわうわあああああああ!!!」
穴だらけの体では風に乗れず、落下の勢いそのままにムゲンショーグンの右手による突きを鳩尾に喰らい嗚咽を漏らす。
「おぶっ……!?」
「オイラ今日ほとんど捕まってたから、ここでいいとこ見せねえと!」
「こうなったら……」
巨大オノスケリスは突き上げられた右手から逃れて距離を取り、袖の下から組紐のようなストラップが付いたスマートフォンを取り出す。
「電脳世界に戻って出直し……」
しかし巨大なスマホ画面に映る、無機質で幾何学的に見えるあの文字。
「圏外……」
ペンションから離れすぎていてWi-Fiも使えない。
「今だ!!」
レッドがムゲンブレスに必殺カードを入れる。
するとムゲンオーの全身を5色の光が駆け巡り始める。
「必殺大妖技 夢幻斬空剣・無限魔斬撃!!!!!」
高速移動から巨大オノスケリスの体を∞型に切り裂き駆け抜ける。
その剣の軌道は凄まじい光を放ち、斬られた勢いの残った巨大オノスケリスの体は長い袖を振り乱し「あ~~れ~~!」とばかりに回転する。
「そろそろ、ぶぶ漬けでもどうどす? ヨーカイグリーン!」
爆散。
「また俺!? 最後まで俺!?」
ムゲンオーとムゲンショーグンは互いの右腕と左腕を星空にクロスさせて打ち合い、勝利の余韻を分かち合う。
「ちゅっぴっぴー!」
少し離れた木の上でコロボックルが羽をばたつかせ跳び跳ねる。
ベルゼブルは以前オノスケリスから渡された【ベルゼブル】の自作カードを見つめ、どこかへと飛び去った。
戦いを終え、ペンションに戻り変身解除したヨーカイジャー達。
コロボックルはムゲンオーのコクピットに乗せて北海道まで送り届けられることになった。
必殺カードを使えばまたいつでも呼び出してヨーカイジャータイフーンを発動することができる。
「ふぁ~あ、眠い!」
結月は千影の肩に寄りかかり頭を乗せる。
「よしよし、よく頑張ったよく頑張った」
千影が乗せられた頭を撫で回す。
「 捕まってた人達のことは妖怪治安維持部隊と情報統括部に任せてあるし、俺達はもう、目覚まし掛けずに寝るか!」
「だな!」
「うむ。寝不足は健康と美容と武士道の大敵でござる」
「オイラしばらくSHINING LORDやらなくていいや……」
「え、でも今やってるイベント……」
「やっぱやる。多分寝たらまたやりたくなる」
それぞれの個室に戻り、シャワーを浴びる者、浴びずにベッドに沈む者、SHINING LORDのデイリーボーナスだけ受け取っておく勝。
それぞれの夜を、山の静けさが包み込んでいく。
約1時間後、ようやくアドレナリンが抜けて眠気の気配が見えてきた、ツインテール解除形態の結月。
天井の木目を眺めていると、ムゲンブレスの着信音。
通話ボタンを押すと、聞こえてきたのは智和の声。
≪すまん、起こしちまったか?≫
「んーん、どしたの?」
≪明日にしようと思ってたんだが、やっぱり聞かなきゃ眠れないみたいでな……≫
「何を?」
≪あいつが俺に怒ってた理由≫
「あ。えっとねー…」
【To be continue…】
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