episode:14 新戦士を探せ!
この作品は天道暁によるオリジナルのスーパー戦隊作品です。現在放送されているスーパー戦隊シリーズを制作・放送している各団体とは一切関係ありません。
オープニングテーマ「your kind!」
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妖怪の里・河童ヶ沼。
その日、ゲキリンダーがメガガッパーに呼び出されていた。
〔長老、ネネコガッパは素晴らしい妖怪だ。若くして妖怪治安維持部隊隊長として立派に部下達をまとめているし、気が強そうに見えて、根は優しく細やかな気遣いができる。だが申し訳ない、俺はネネコガッパとそういう関係になるつもりは……〕
〔どこから湧いて出た何の話をしとるんじゃ!! 伝言を任せたテンニョから何をどう聞きおった!?〕
「びゅびゅーん?」
飛翔妖怪テンニョが首をかしげながら上空を通り過ぎる。
〔テンニョから、長老から俺に新しいパートナーについて話があると聞いて……〕
〔パートナーとはそういう意味ではない!! お主のことは戦う仲間としては信頼しておるが、大事な孫娘の相手としては不安と不満が限界突破してしまうわい! そもそもネネコはお主のタイプではないと、今までお主が告白した相手を見ればだいたい予想できる! そうではなく、人間のパートナーのことじゃ!〕
〔あーあ!〕
長い首で全力で頷く。
〔だったら最初からそう言えばイイ!〕
〔言わんでも最初から察しろバカモン!〕
〔しかし人間のパートナーか……。拓実が俺とカラステング両方のパートナーではだめなのか?〕
〔そういうわけではないが…………ワシらはレヴィアタンとの戦いで、悪魔の恐ろしさを改めて思い知った〕
〔ああ。レヴィアタンとの戦いでは、妖怪も人間も深い傷を負わされた。それでも奴や奴が操る軍艦が、デモンダイム最強の戦力とは思えない〕
〔うむ。奴らの力はまだまだ図り知れん。そこで戦力強化のために、ヨーカイジャーに6人目のメンバーを入れることを考えた〕
〔なるほど、それで俺に新しい人間のパートナーを探せと。それは悪くないとは言えないだろう〕
〔やはり拓実以外には考えられんか……〕
〔ヨーカイジャー結成自体に反対していた俺が、今は合体巨人の中心にまでなっているのは、拓実が俺を2体目のパートナーにしてくれたからだ。時を操る力は、本来人間には過ぎた力。俺は拓実だから、その一部を託す気になった。他の人間など考えられない〕
〔だがヨーカイジャー達の負担を減らすことは必要じゃ〕
〔それなら6人目のヨーカイジャーを入れるより、巨大戦力を強化するほうがイイ。例えば、ヨーカイジャー5人がいなくても同じように戦える新しい合体巨人とか、5体合体にこだわらず、もっと少ない数の妖怪でできる合体とか……〕
〔いやいや、最初から合体巨人サイズの敵と戦うこともあるが、最初は人間サイズの悪魔と戦って、そいつをヨーカイジャーが倒したら巨大化することが多いじゃろ。やはりヨーカイジャーを増やすほうがいい〕
〔例えば長老が大好きなカッパ巻きをおなかいっぱい食べられたとしても、デザートのプリン・ア・ラ・モードが不味ければ、その食事は最悪の思い出になってしまうだろう〕
〔そうか? ワシはデザートのプリン・ア・ラ・モードが旨かろうが不味かろうが、カッパ巻きさえ旨ければ満足できるがのぉ〕
〔結局一番印象に残るのは最後に食べた物の味だ。重要なのはデザートのプリン・ア・ラ・モードの味だろう〕
〔メインはカッパ巻き、腹に溜まるのはカッパ巻き。大事なのはカッパ巻きじゃ!〕
〔プリン・ア・ラ・モード!〕
〔カッパ巻き!〕
〔プリン・ア・ラ・モード!〕
〔カッパ巻き!〕
〔プリン・ア・ラ・モード!〕
〔カッパ巻き!〕
〔プリン・ア・ラ・モード!〕
〔カッパ巻き!〕
〔プリン・ア・ラ・モード!〕
〔カッパ巻き!〕
そこへ、任務に出ていたネネコガッパが帰ってきた。
「さっきから何の話して……」
〔ネネコ!! 丁度いいところに帰ってきた!!〕
〔カッパ巻きとプリン・ア・ラ・モード、どっちが大事だと思う!?〕
「ああ???」
ネネコガッパは頭の皿の傍を掻く。
「んなもん、どっちも大事に美味しく食っときゃいいだろ?」
巨大妖怪2体がネネコガッパを見つめて固まる。
「な……何だy……」
〔それだあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!〕
〔それじゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!〕
「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
「夢幻戦隊ヨーカイジャー」
episode:14 「新戦士を探せ!」
数日後、某所の中華料理屋。
厳ついサングラス、銀髪、銀のジャケット、ダメージジーンズ、全身の要所要所にシルバーのアクセサリー。
そんな男が店の真ん中の席で、チャーハンから餃子、フカヒレ、北京ダックまで、既に15人前は平らげている。
サングラスの男が肉まんを一口齧った直後、近くを通った店員を呼び止めた。
「おい」
「はい!?」
「これ作った奴呼んで来い」
「しょ……少々お待ちください!」
小走りの店員に呼ばれ、厨房から店長が文字通り腰を低くしながら出て来た。
「あの……当店の料理がお口に合いま……」
サングラスの男はどこからか先が髑髏の形になったマイクを取り出した。
「マジで旨すぎこの肉まん! 町で一番味自慢! 食えば広がる夢とロマン! 作れるお前はスーパーマン! YO!」
突然始まったラップに、店長も店員も他の客達も思わず体を揺らす。
「皮はしっとりふんわり感! 具材にしっかりフィット感! 肉汁ジューシー! 旨味を重視ー! シンプルに言うならすっげえおいしー! say! Ho~?」
「Ho~!」
店全体でのコール&レスポンス。
「Ho! Ho! Ho! Ho!?」
「Ho! Ho! Ho! Ho!」
「Ho! Ho! Ho! Ho!?」
「Ho! Ho! Ho! Ho!」
「中華に夢中か料理で勝利 最強最高ホイコーロー このままガンガンいっチャイナ! チェケラ!」
例のあの「チェケラ!」のときの手を高らかに掲げると、店中から歓声、拍手、口笛。
その後もサングラスの男はそれまで食べたのと同じくらいの量を食べ続けた後、会計へ。
「合わせまして、666666円頂戴いたします~」
「ろくじゅうろくまんろ……ああ金ってヤツは計算がめんどくせえ。これ全部とっとけ!」
サングラスの男はジャケットから少なくとも100万円はありそうな札束をレジカウンターに叩きつけた。
店員は物理的、精神的両方の衝撃で背骨を仰け反らせる。
「俺様は旨い料理を作る奴には最高のリスペクトを与える。こんな物、俺様ならいつでも簡単に手に入るが、この店の味は唯一無二、オンリーワンだ。この金でずっと旨い料理を出し続けろ。それが俺様との約束だYO! オッケー? チェケラ!!」
「チェ……チェ……チェ……」
店全体で声を揃えて、
「チェケラ!!」
サングラスの男は肩を揺らしHIP-HOP調の足取りで店を出る。
隣の洋菓子店の前で店員が皿に盛られた試食品のケーキを持って立っていた。
「新発売のシフォンケーキですー。お一ついかがですかー?」
サングラスの男はそれを一つ口に放り込み店員の顔面にパンチ一発。
「マズい!!」
「げぶぷっ!?!?!?」
店員はガラス戸を突き破り店の奥まで吹っ飛ばされ、店の奥から鳴ってはいけない類の音がした。
サングラスの男は全く気に留めず、また肩を揺らしHIP-HOP調の足取りでどこかへ歩いて行ったんだYO!
一方その頃、平日で人がいない某所の公園。
拓実は智和から指示を受け、ここでヨーカイジャーの新メンバーとなるパートナー人間を探しているという妖怪を待っていた。
ヒト語を話せる妖怪も一緒に来るので意思の疎通に問題はないだろうとのこと。
「おーーーーーーーーい!!」
空から聞こえてきた声に振り向くと、まず目に入ったのは、1体だけで合体巨人の胴体と足になれそうなほど巨大な銀色のウシのような妖怪。
その頭の上に、和服を着て「THE 風呂敷」な柄の風呂敷包みを背負った10歳くらいの人間の少年に似た妖怪が乗っている。
ウシのような妖怪の両隣に、二回りほど小さいがそれでも巨大な2体の妖怪。
1体はオレンジ色で四肢の代わりにタイヤが付いたイノシシのような姿、もう1体は背中側は群青色で腹側は白い縦長のエイのような姿。
それらの妖怪達がステルスモードで公園の上空に到着。
少年のような妖怪がウシのような妖怪の頭からジャンプ、体を丸めての華麗な高速回転を経て頭から地面にめり込んだ。
「おい!!!!!!」
少年のような妖怪は逆立ちの体勢で両手を地面に付け、肘のバネでめり込んだ頭を引っこ抜くと同時に後方ジャンプで足を揃えて着地。
「痛っ………………たぁ…………………………、手の下の所に小石があった……」
「いや頭! 頭頭頭!」
少年のような妖怪は親指を自分に向け自己紹介。
「オイラは招福妖怪ザシキワラシ!」
「頭から地面にめり込んだ奴が招福妖怪を名乗った!!」
「オイラは周りの奴らの福を招く妖怪だから、オイラ自身が幸福かどうかはどっちでもいいんだ」
「にしても今の幸福じゃないほうにぶっちぎりすぎだろ。……いや、あんな落ち方したのに平然としてられるのが幸福なのか?」
「痛っ………………たぁ…………………………、痛いとこ突かれちまったなぁ……」
「心理的!? 頭から地面にめり込んだ奴が心理的な痛さのほうを気にしちゃってる!?」
「で、この一番でっかいウシみたいな奴が、パートナーを探してる予言妖怪ブルクダン。こないだから探してんだけどなかなかいい人間が見つからなくて、オイラと、そっちのイノシシみたいな爆走妖怪オボログルマと、そっちのエイみたいな疾風妖怪イッタンモメンっていう、3体の友達で探すの手伝ってやろうってことになったんだ」
「で、それに俺が参加すればいいんだな。俺はヨーカイレッド、烏丸拓実!」
「ヨーカイジャーの戦い、オイラ達は妖怪の里のモニターとか、タブレットとかで見られるんだ。かっこいいよなぁ~」
「まぁ、かっこいいって言われてみりゃあ、かっこいいのかもな。そんな俺らに負けないくらいかっこいい人間を探さなきゃいけないんだよな?」
「そーなんだよ。だから苦労してんだよ。な、ブルクダン?」
〔モォ~!〕
「全く予想通りの鳴き声。ってか予言妖怪ってんなら、その予言の能力でパートナー探せねえの?」
「予言の能力は時々しか発動しねえんだ。でも占いくらいなら今すぐにでもできるぜ」
ブルクダンが公園の地面にゆっくりと着地。
「コイツの尻尾を思いっきり引っ張ってくれ」
拓実はブルクダンの後ろに回り、持ちやすい位置に下げてくれた尻尾を思い切り引っ張る。
「早く前に来て!!」
拓実は走ってブルクダンの前に来る。
ブルクダンの両目がスロットマシンのように回転し、それぞれ「大」と「吉」のところで止まった。
「大吉!」
「くっっっっっっっっっっっっだらねえええええええええええええ!!!!!!!!!!」
「ちなみに今日のオイラは半吉だった」
「あの良いのか悪いのかよくわかんないやつか!! ってか本当に招福妖怪自身が幸福である必要無ぇんだな!!!」
ザシキワラシだけステルスモードを解除し、ブルクダンのパートナー・6人目のヨーカイジャー探しが始まった。
とりあえず街を歩いてみる。
巨大妖怪3体はステルスモードのまま飛んで着いてくる。
一行の前方に、トングとゴミ袋を持って熱心にゴミ拾いをする青年が見えた。
「ああいう地道な良いことができる人間が良いヤツなんだよな? オイラ声掛けてみる!」
ザシキワラシが青年に駆け寄る。
「うわああああああああああああああ!!!!!!!!! 下手に子供に関わると犯罪者扱いされるううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
青年は絶叫しながら走り去った。
目を丸くするザシキワラシ。
空中で顔を見合わせる巨大妖怪達。
「妖怪のみんな、彼を責めないでやってくれ。彼は何も悪くないんだ。悪いのは、大人が見ず知らずの子供に少しでも関わると即犯罪者扱いされる社会を作った奴らだ」
さらに歩いていくと、選挙カーの上から演説する政治家と、それを取り囲む群衆が見えた。
「あのおっさん、なんか良いこと言ってるっぽいな。行ってみよう!」
ザシキワラシは拓実の手を引いて走っていく。
「経済政策はー?」
群衆からの声。
「消費税減税、議員報酬の見直し等、抜本的な改革を進めて参ります!」
「少子化対策はー?」
群衆からの声。
「公立保育園の拡充、子育て支援特別予算の編成等、徹底的な改革を行って参ります!」
「裏金はー?」
拓実からの声。
「裏金は3000万円…………ハッ!?」
群衆は一斉にスマホをいじりだした。
拓実と妖怪達は、炎上が拡散する音を聞いた気がした。
さらに歩いていくと、タイトなビジネススーツに身を包んだ女性が歩いてくるのが見えた。
「別に男にこだわる理由はねえんだよな。あの綺麗な姉ちゃんとかどうだろう?」
女性はバッグからスマホを取り出し、画面を見つめ指を動かしながら歩き続ける。
前から歩いてきた外回りのサラリーマンらしき男性が女性を避けようとするが、女性は前を見ていないため上手く擦れ違えず互いの肩が軽くぶつかった。
「いやあああああああああああああああああ!!!!!!!!! ぶつかりおじさんがわざと女性を狙ってぶつかってきたああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
「な……何を言ってるんだ! 君がちゃんと避けないからぶつかったんじゃないか!」
「は? なんで私が避けなきゃいけないの? 私女なんですけど?」
一行は離れた位置から一部始終を見つめていた。
「拓実、あの姉ちゃんは悪くねえの? あれもこんな社会を作った奴らのせいなの?」
「……いや、あの姉ちゃんは悪くないどころか、こんな社会を作った奴らの一人だ」
さらに歩いていくと、厳ついサングラスを掛けた男がアクセサリーをジャラジャラ鳴らしながらHIP-HOP調の足取りで歩いてくるのが見えた。
「お! あの人とかどう? 強そうだし、なんか大物感ある」
拓実がサングラスの男に近付こうとするが、ザシキワラシは動かず拓実の服の裾を引っ張る。
「拓実、行こう。よくわかんないけどあいつ、すごく嫌な感じがする……」
拓実はザシキワラシの眉を寄せた表情を見て、そっとザシキワラシの背を押し曲がり角を曲がる。
それを遠目に見ていたサングラスの男。
「ちっこいのが1匹、でっかいのが2匹、超でっかいのが1匹。それと一緒にいた人間は恐らく……」
サングラスの男は呟いて、傍を通り過ぎようとした女性の手からスマホを奪い取る。
「は!? なんでスマホ取るの? 私女なんですけぶぶべぶぁっっっ!?!?!?」
顔面パンチ一発。
女性は吹っ飛び、近くの塀にぶつかり鳴ってはいけない類の音がして動かなくなった。
サングラスの男は奪ったスマホを耳に当てる。
「しもしもー? って、あいつスマホ持ってなかったYO! 直接言いに行こう。チェケラ!」
サングラスの男はスマホを地面に投げつけて破壊し、また肩を揺らしHIP-HOP調の足取りで歩き出した。
拓実と妖怪達は一旦公園に戻って休憩。
ザシキワラシは拓実が買ってきた自動販売機のジュースを美味しそうに飲む。
「カラステングが俺を選んだのはインスピレーションって言ってたな。行動力がありそうで、正義感も強そうな奴で、話してみたら思った通りの奴だったって」
「ブルクダンも、そんな奴に会えるかな?」
〔モォ~……〕
「会えるだろ。世の中あんな奴らばかりじゃないし、ばかりだったらとっくに世界滅亡してるし」
「確かに……」
ザシキワラシが遠くを見つめながらペットボトルを傾けたその時、ペットボトルが放り出され飲み干そうとしていた残り僅かのジュースが公園の地面に染み込んだ。
「!!!?」
突然ザシキワラシを空中へ搔っ攫った黒い影……
クジャクのような顔と翼、海苔を巻き付けられたような黒い体、左腰には干潟にいる魚・ムツゴロウに似た鞘に納めた剣、右腰には手の平サイズのカブトガニのような物が付いている。
「俺は悪魔カイム! 俺が通った後にはぺんぺん草も生えない!」
〔ブオオオオオオオン!!〕
空中のイッタンモメンがすぐさま反応し、ザシキワラシを取り戻さんと迫るが、カイムはクジャクのような翼から大量の石炭を発射、イッタンモメンの顔面で炸裂し辺りは黒煙に包まれる。
「やめろ! 離せ! ゲッホゲホゲホゲホ!!」
「ザシキワラシ! ……くっそ、何も見えねえ!」
「こいつを返して欲しければ、ヨーカイジャー全員でA地点の廃倉庫まで来い!」
黒煙が拡散され視界が戻ると、空にカイムとザシキワラシの姿は無かった。
妖怪達と拓実は、カイムに届くことのない怒りの声を上げる。
「チクショウ…………………………A地点ってどこなんだあああああああああああああああ!!!!!!!!」
〔モォ~~~~~~!!!!!!!〕
〔ブオオオオオオン!!!!!!!〕
〔ブヒイイイイイイ!!!!!!!〕
数十分後。
5人揃ったヨーカイジャーは、リーマンショックの影響で倒産した貿易会社「株式会社A地点」の廃倉庫に辿り着いた。
「A地点って会社名かよナメてんのか」
カイムが鍵を壊したと思われる扉を開くと、高い天井から鎖で縛られ吊るされたザシキワラシが見えた。
「ヨーカイジャー! こういうときは、来るなー! これは罠だー! って言えばいいんだよなー!?」
「それでいいと思うー! で、実際罠なのか?」
扉を潜りながら、ザシキワラシの真下で剣を構えているカイムに尋ねる。
「罠……と言われてみれば罠かもしれないな。ここでヨーカイジャー全員を葬り去る計画だし」
「とのことですが、何かヤバい仕掛けとかありそうですか智和さん?」
拓実は智和にマイクを向けるジェスチャーをする。
「そうだな、あそこに積んである土嚢の中とか、爆弾とか仕掛けやすそうだな」
「爆弾なんて仕掛けてないぞ?」
「今のは嘘だと思いますか千影さん?」
「うーん、澱み無く言ったから嘘ではなさそうだけど、悪魔だし、絶対嘘じゃないとは言えないかな?」
「では取り合えずどうするべきですか武士さん?」
「取り合えず戦うべきでござろう」
「好きな食べ物は何ですか結月さん?」
「ストロベリーパフェ!!」
「それじゃあ変身いきますか」
「妖怪変化!!」
ヨーカイジャー達はカイムが発射した石炭の大群をギリギリでかわしながら変身。
吊るされたザシキワラシの目に5色の光が映る。
「誰が呼んだか旅烏 鼻高々にてんつくてん 天に代わって只今参上! 空の勇者、ヨーカイレッド!」
「誰が言ったか川流れ 流れるどころか掻き分けて 登って飛び出せナイアガラ! 水の戦士、ヨーカイグリーン!」
「誰が言ったか猫かぶり 花も恥じらうJK3 嘘はいらない夢見る乙女! 獣のアイドル、ヨーカイピンク!」
「誰に言われどカマわない イタチごっこにピリオド刻み 腹を切らずに悪を斬る! 風の剣士、ヨーカイブルー!」
「誰を染めるか狐色 こんこん今夜も手鞠歌 お目にかけましょ万華鏡 幻の賢者、ヨーカイイエロー!」
「夢も現も守るが仏 夢幻戦隊!」
「ヨーカイジャー!!!!」
「ヨーカイジャー……かっこいいな……」
石炭を避けられたカイムは舌打ちして右腰のカブトガニのような物体を取り外し、
「行け、ジャミリアー!」
と叫びながら放り投げた。
カブトガニのような物体は空中で弾け、中から人間サイズの使い魔、ジャミリアーが6体現れた。
「ジャミジャミ!」
ジャミリアー達は棍棒を振り上げリズミカルに足を鳴らし、ヨーカイジャーに向かって走り出した。
「行くぞ!」
「オウ!」
グリーンの合図でヨーカイジャーも走り出す。
ピンクがスキャットクロウを構えながら走る。
2体のジャミリアーが迎え撃たんと構えるが、走るピンクが突然2人に増えた。
1人のピンクがスキャットクロウを振り上げジャンプ、混乱するジャミリアー達に振り下ろす。
ジャミリアー達が棍棒で防御する背後で、もう1人のピンクがムゲンブレスに必殺カードを入れる。
「必殺妖技・肉球謝肉祭!!」
ジャンプしたほうのピンクが消え、2体のジャミリアーの頭上から無数の肉球型のエネルギー弾が降り注ぐ。
ジャミリアー達は爆散、本物のピンクと幻影のピンクを出していたイエローがハイタッチ。
「必殺妖技・流氷上手投げ!!」
グリーンが操る氷塊の混ざった水流が4体のジャミリアーを飲み込み、氷塊をぶつけながら天井高く巻き上げていく。
ブルーが水流の中のジャミリアーと氷塊を足場に駆け上がり、ザシキワラシを吊り下げている鎖をブライブレードで一刀両断。
水流で氷塊ごと流され床に叩きつけられたジャミリアー達は爆散、直後にザシキワラシを抱きかかえたブルーが着地。
「怪我はないか?」
「う……うん! ありがとう!」
ジャミリアー殲滅を確認したグリーンがブルーの背中に声を掛ける。
「もうお前に斬れない物はないんじゃないか?」
「否、世界は広い。その上、我らは異世界からの敵と戦っておるのだ。修行の道に終わりは無し!」
「……だな」
ブルーは解放したザシキワラシの手を引き廃工場の端へ向かう。
カイムの剣による連撃を、レッドは右拳のフェザーガントレットと左拳のクロノスマッシャーで受け流していく。
両手に武器を装備できるようになったことで、レッドの戦闘スタイルがより強化された。
隙を見つけて右拳のジャブ、間合いを取ってダイヤルを回し、クロノスマッシャーのデジタル表示が「5」になったところでボタンを押し、スローモーションに見えるカイムのボディに、レッドの体感5秒分の連続パンチを叩き込む。
見えない速さの連続パンチを食らったカイムは腹を押さえながら後退、空中に逃れ翼からの石炭群を発射する。
そこでピンクがレッドとカイムの間に駆け込み、ヌリカベの能力カードによるバリアを発生させ石炭を防ぐ。
横からグリーンブルーイエローがムゲンシューターでカイムを狙撃、翼に十数発命中。
カイムは翼から煙を出しながら落下、全身をコンクリートの床に打ち付ける。
「お……おのれ……」
「よーし、このまま一気に……」
レッドがカードホルダーからムゲンバズーカのカードを取り出そうとしたその時、どこかから虫の羽音のような、それにしてはやたらと大きな音が響いてきた。
「何だ……?」
「なんか、嫌な音……」
ピンクは背筋を震わせる。
次の瞬間、ヨーカイジャー達の間を何かが高速で駆け抜け、同時にヨーカイジャー達は体から火花を散らし体勢を崩す。
「うわああああああああ!!!!」
駆け抜けた何かはカイムの前で急ブレーキを掛けその姿を現す。
銀色のハエの顔、銀色の体、胸に桃色の「Z」のように見えるマーク、黒い髑髏マークが付いた4枚の翅、右腰には赤いレンガのような物体が、左腰には手の平サイズのひょうたん型の醤油差しのような物体が付いている。
ハエ頭の何者かは魔力により先が髑髏の形になったマイクを生成する。
「YO! お前ら噂のヨーカイジャー! 俺と会ったら後悔ジャー! 人間苦しめデビルギー回収! 健気な悪魔に漂う哀愁! 邪魔するお前らに手加減不要! 俺に会ったのが一番の不幸! SEY! HO~?」
傷付いているはずのカイムがノリノリで、
「HO~!」
「Ho! Ho! Ho! Ho!?」
レッド、ピンク、物陰のザシキワラシも思わず、
「Ho! Ho! Ho! Ho!」
「おい!!」
「ハッ…………!?」
グリーンのツッコミで我に帰る。
「デモンダイム幹部! 倒すぜ全部! すこぶる荒ぶるミゼラブル イケてる俺様ベルゼブル!!」
「ベルゼブル様最高~!」
「YO~~! チェケラ!!」
例の「チェケラ!!」のときの手の形でヨーカイジャーを指差す。
「ベルゼブル……」
「あいつも幹部か……」
「ああああああああっ!!!!」
物陰からザシキワラシがベルゼブルを指差し叫ぶ。
「あいつさっきの! 嫌な感じの奴!」
「さっきのあのサングラスの人か!!」
「さすが妖怪、勘がいいな。人間に変身して妙な気配がする所を歩いてたらお前らを見つけて、マイメンのカイムに抹殺を頼んだが……」
「すいません! 不甲斐なくて!!」
カイムが直角を越えた角度で頭を下げると、ベルゼブルがその肩に手を置く。
「いいYOいいYO顔上げろYO! 俺様はお前の頑張りに最高のリスペクトを与え、お前のバトルを引き継ぎ俺様がヨーカイジャーを……」
「いえ、俺にやらせてください!!」
「Hu~! OKブラザー、カマしてこいYO!」
ベルゼブルに背中を叩かれ、カイムが前に出る。
「だったら俺達も全力でいくぜ!」
レッドがムゲンブレスにカードを入れると、5人の専用武器が一つに合体、さらにレッドの左腰のホルダーからムゲンソードが抜け出てムゲンシューターに変形、5つの武器が合体した物の底の部分に合体、この合体武器を発動するためのトリガーとなった。
「いくぜ、ムゲンバズーカ!!」
レッドが完成したバズーカを構え、反動に備えてグリーンがレッドの右肩、イエローが左肩を支える。
更にブルーがグリーンの背中、ピンクがイエローの背中を支える。
「うおおりゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
気合いと共にトリガーを引くと、5色の光が表面を駆け回る球形のエネルギー弾が発生、轟音と共に撃ち出された。
翼に穴が空いたカイムは避けきれないと判断、剣を構え翼から出せるだけの石炭を飛ばし光弾を迎え撃つ。
光弾は石炭群を飲み込み、剣を砕きカイムに直撃。
「これが……俺の……性…………!!」
爆散。
「うよっしゃああああああああああああああああ!!!!!!」
ムゲンバズーカは分離しそれぞれの持ち主の元へ戻る。
「カイム……お前のパンチライン、俺様のハートにGyunGyun響いたYO!」
ベルゼブルは髑髏型マイクを構える。
「YO! デビル デビレバ デビルトキ カモンデーモン デビデビレ 最後のバイブス、アゲてこうZE!」
「巨大化呪文もラップ調!?」
ベルゼブルはカイムの残骸に向けて目からビームを発射。
残骸は天井を突き破って巨大なカイムの姿となりヨーカイジャー達を見下ろす。
「俺の名はカイム! 負ける気は皆無!」
「今更こいつもラップ!?」
「ラップを始めるのに、遅すぎるなんてことは無いんだYO!」
「いやいやそれにしても死んで巨大化してからじゃ……まぁとにかく!」
ヨーカイジャー達はムゲンブレスにパートナー妖怪の召喚カードを入れる。
「サモン、パートナーズ!!!!」
妖怪の里。
「春夏秋冬山・南エリア」で木々の間を歩いていた伝説妖怪ゲキリンダーが空を見上げ、天を駆け上がりながら金色の光になって高速移動を開始。
「河童ヶ沼」の底から長老妖怪メガガッパーが水飛沫を上げながら浮かび上がり、緑の光になって高速移動を開始。
「妖怪電気街」のステージのモニターに「きんきゅーしゅつどー」の文字が表示され、ステージ上の偶像妖怪ネコマタンがそれを見て敬礼、客席の妖怪達が振るサイリウムに見送られながらピンクの光になって高速移動を開始。
「試し斬りの竹林」で瞑想していた斬空妖怪カマイタチが空を見上げ、青い光になって高速移動を開始。
「妖怪稲荷神社」の神殿の扉が開き、奥から幻惑妖怪キュービルンが「お座り」のポーズのまま前進、その足元から機械的なカタパルトが伸び、どこかから響いてきた「five,four,three,two,one,zero!」というカウントダウンでキュービルンが「お座り」のポーズのまま空高く射出され、黄色い光になって高速移動を開始。
ヨーカイジャー達の前に5つの光が降り立つと同時に巨大な妖怪の姿を表し、5体のパートナー妖怪達が並び立った。
5体の妖怪達は目からビームを出しそれぞれのパートナー人間をコクピットに転送。
「合体いくぜ!!」
レッドがムゲンブレスに合体カードを入れると、5体のパートナー妖怪達が宙に浮き上がり変形を始める。
ゲキリンダーの両前足と尻尾が外れ別次元へ転送され、後ろ足が背中側へ折り畳まれ、体全体が垂直に起き上がり首が体内に引っ込むようにして合体に適度な長さになる。
メガガッパーの両腕が引っ込み、甲羅が上にスライドして体の下半分が2本の足の形状になったところでゲキリンダーの体の下に合体して「下半身」となる。
ネコマタンの尾と後ろ足が折り畳まれ、前足は爪が出た状態で頭に被さるようにスライドし、全体的に鋭い爪の付いた腕といった形状になりゲキリンダーの左腕部分に合体。
カマイタチの刃物状の尾が外れ、後ろ足が折り畳まれ、鎌の付いた前足は頭に被さるようにスライドし、鎌の間に刃物状の尾が収まり全体的に鋭い剣の付いた腕といった形状になりゲキリンダーの右腕部分に合体。
キュービルンの体が前部と後部で半分に分離、前部は中心にキツネの顔が付いたプロテクターといった形状に変形しゲキリンダーの胸に合体、後部は九本のキツネの尾が付いたプロテクターといった形状に変形しゲキリンダーの背中に合体。
最後にゲキリンダーの首が回転扉のように回転、中から人型の顔が姿を表した。
レッド以外の4人もゲキリンダーのコクピットに転送され、ヨーカイジャー達から見て左から、ピンク、イエロー、レッド、グリーン、ブルーの順に席に着いた。
「完成、合体巨人・ムゲンビルダー!!」
5人声を揃えてその名を叫ぶ。
ムゲンビルダーは足を高く上げて振り下ろし、歌舞伎の見栄を切る動きでポーズを決める。
「見ていてくださいベルゼブル様!」
巨大カイムは再生した翼から石炭群を発射。
ムゲンビルダーは両腕をクロスさせて防御する。
コクピット内のグリーンは衝撃に耐えながら奥歯を噛む。
「これでは近付けない……」
〔安心しろ、無理をすれば近付ける!〕
「無理をせずに安心させてくれ」
「そうだ、さっきみたいに……」
ピンクがムゲンブレスにヌリカベの召喚カードを入れる。
「サモン、サポーターズ!!」
妖怪の里。
「食べ放題の海」の海底から鉄壁妖怪ヌリカベがアワビのような殻を上にして海面に浮上、手を振るニンギョに見送られながらグレーの光になって高速移動を開始。
グレーの光は巨大カイムとムゲンビルダーの間に入ってヌリカベの姿を現し、バリアを張って石炭群を防ぐ。
「さっすがヌリカベちゃん! また一緒に頑張ろうね!!」
ヌリカベは触角を出し、元気に振って全快復帰をアピールする。
「ならばこれはどうだ!?」
巨大カイムは石炭の発射をやめ、右手を天に掲げて熱気球状のエネルギー体を作り出した。
それが巨大カイムの手から放たれると、熱気球にあるまじきスピードでバリアを飛び越えムゲンビルダーの頭上に移動、大爆発して爆炎と爆風を撒き散らす。
「うわあああああああああああっ!!!!」
ムゲンビルダーは金色のボディを焦がされ、コクピット内まで伝わる石炭群以上の衝撃がヨーカイジャー達を襲う。
「もう一発!!」
巨大カイムはまた右手を天に掲げて熱気球状のエネルギー体を作り出す。
ヌリカベとバリアの向こうで体勢を立て直そうとするムゲンビルダーに狙いを定めたその時、背後から突然の「足カックン」を受けて前のめりに転倒、熱気球状のエネルギー体はそのまま巨大カイムの背中に落下し大爆発。
「どぅわぎゃあああああああああっ!?!?!?!?」
〔モォ~~~~!!!!!〕
「足カックン」により巨大カイムの攻撃を止めたのは、ザシキワラシ救出に参加すべく友達2体と共にヨーカイジャーに着いてきていたが「お前らが人間サイズの悪魔と戦うと余計な被害がでるから」と智和に言われ近くで待機していたブルクダンだった。
ブルクダンは多少の爆風を浴びながらも安全圏に後退。
少し離れたところから見ていたザシキワラシが飛び跳ねて喜ぶ。
「いいぞー! ブルクダン!」
その上空でオボログルマとイッタンモメンがベルゼブルに睨みを利かせる。
「フン。安心しな、今日はもうお前らと遊んでやる気は無ぇYO!」
激痛を堪えながら起き上がる巨大カイムの姿に、コクピット内のグリーンが勝機を見出した。
「よし、今だ結月!」
「え? あたしは二ノ宮……」
「今田結月って誰だよ換装カード使えっての!」
「あ、そっか!」
ピンクはムゲンブレスにヌリカベの換装カードを差し込む。
ヌリカベの体が宙に浮き、触角が引っ込み、殻が左に来る向きに体を動かし、本体下の部分から拳のような物が出る。
ムゲンビルダーの左腕のネコマタンが外れ、盾の付いた腕の形になったヌリカベが代わりに左腕に合体する。
「完成、ムゲンビルダーシールド!!」
5人全員で叫ぶ声と共に、盾を掲げてポーズを決める。
〔貝の盾、悪くないだろう〕
「盾といっても防御だけじゃないぜ!」
レッドがムゲンブレスに必殺カードを入れる。
ムゲンビルダーシールドの全身の妖力が左腕の盾に集中し、盾はアワビの貝殻の裏側の光沢を思わせる妖艶な光を放ち始める。
ムゲンビルダーシールドは光り輝く盾を体の前に向けて走り出す。
「必殺大妖技・鉄壁封魔陣!!!!!」
盾からバリアを発生させながら体当たり、と同時にバリアが巨大カイムの体を包み込んで浮き上がらせ、急速に小さな立方体型に圧縮していく。
「これにて終了、俺の神話…………!」
爆散。
「うよっしゃああああああああああ!!!!!!」
ムゲンビルダーシールドは盾を掲げて、ネコマタンは口元に前足を当ててウインクしてポーズを決める。
「……カイム、そしてヨーカイジャー! お前らのSpirits、見せてもらったYO! また会おうZE!」
ベルゼブルはムゲンビルダーシールドに「チェケラ!」の指を向け、どこかへと飛び去っていった。
戦いを終え、変身を解除したヨーカイジャー。
ムゲンビルダーシールドと巨大妖怪達が見守る中、ザシキワラシに改めて顔を見せる。
「へぇー、あなたがザシキワラシちゃん? かっわいいいいー!!」
「ピンクの姉ちゃん、『ちゃん』はやめてくれ」
「にしても、ベルゼブルか……」
「また厄介な奴が出てきおった。戦力増強の判断は、間違っていなかったようでござるな」
「うん、そのためには、この子のパートナーを探さなきゃだよね……」
千影が見上げる先には、どことなく不安げに見えるブルクダンの顔。
「ま、考えててもしょうがねえ! そうだ、こんな時こそ、ブルクダンの能力で俺らの運勢、占ってみねえ?」
「え、この牛くん占いできるの!?」
結月が飛び跳ねツインテールを揺らす。
「お、やってみるか?」
ザシキワラシにやり方を教えられ、結月がブルクダンの尻尾を思い切り引っ張る。
「いっくよー! それっ!」
ブルクダンの両目がスロットのように回転し、それぞれ「大」と「凶」の所で止まる。
「あ……」
「おい何してくれてんだ最『凶』JK!!」
「え、あたしのせい!? あたしのせい!?」
首と眼球を激しく動かす結月を千影が抱きしめ頭を激しく撫でるというか擦る。
「違う! 結月のせいじゃない! かといって牛くんのせいでもない!」
「千影ちゃん!! 火が点いちゃう!! サバイバルのときのアレみたいになっちゃう!!」
「占いは当たるも八卦、当たらぬも八卦、これは当たらぬと思えば当たらぬものだ!」
「気の持ちようだな。うん、今日は帰ろう!」
ヨーカイジャー達はステルスモードのムゲンビルダーシールドが各メンバーの自宅近くまで送っていくことになった。
ザシキワラシはまだパートナー探しをやりたがったが、「大凶」の目のブルクダンに諭され、今日のところは友達3体と共に妖怪の里に戻って休むことにした。
ザシキワラシ達に手を振り、ムゲンビルダーシールドのコクピットに転送されるヨーカイジャー。
それを見送るザシキワラシの胸いっぱいになっていた思いが溜め息のように零れる。
「かっこいいな、ヨーカイジャー……」
【to be continue…】
本編を読んだ後は「ヨーカイジャー悪魔データベース」で、登場した悪魔の情報をチェックしよう!
今回は2体同時公開!
https://ncode.syosetu.com/n9246jz/15/
https://ncode.syosetu.com/n9246jz/16/
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