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58 五つの大きな魔力源


「レイン、この大陸の全体マップを出してくれ」



「かしこまりました。マスター」


 ヴォン!と空中に電子画面が出たかとおもうと、すぐに大陸の全体マップが映し出された。この時代ではありえない技術で映し出されているその画面を驚いた様子で見つめる一同。



「すげー……なんだこれ」


「ほんとですぅ~ほわぁ~」


「いったいどんな魔法なんだ…」


「ほんとにこの星のニンゲンじゃないのね…夢でも見てるみたい」

 アリシアはクラクラとする頭を抑えながらゴルビーにふらっと寄りかかる。


「さすがレインちゃんネ! 地球の技術を集合させたスーパーロボットアルヨ!」


「レイン、魔力探知でひときわ大きな魔力源を探し出せるか?」


「了解。魔力源サーチ開始…サーチ中、サーチ中…サーチ完了。モニターにレイヤーを重ねます」


 モニターに映し出されたのは4つの大きな魔力源が、東、西、南、北に青色で、そして中央に異常な大きさの魔力源がひとつだけ赤く表示されていた。そうするとメイリャンがハイテンションで嬉しそうにモニターを指して叫ぶ。


「この配置! 絶対四天王ヨ! こいつら倒すと魔王城へ行けるアイテム落とすアル! 昔ゲームでやたよ!」

 

「ふむ……ならばおそらく中央の異常な魔力源が、魔王の可能性が高いな……」


「マスター……」


「む? どうした? レイン」


 いきなり難しそうな顔をするレインに、少し動揺する鋼鉄。その動揺する顔をしっかりと見つめながら、レインは淡々と喋り出す。


「ワタシの電子画面に赤で表示されたということは、クラスS以上の対象だと推測されます。さらに、魔力認知の魔法がかかっている恐れがあります、その場合、魔力を解放した瞬間クラスSSに危険度が跳ね上がると予想されます」


「魔力認知……魔力を小さく見せているかも知れぬということか」


「どれだけ強くてもオイラの聖剣と竜紋ドラゴニック・セイグラムがあればイチコロだぁい!」


 僕が一番なんだと言わんばかりに剣を抜き椅子に片足をかけるトロン。一同はトロンの姿を見て笑っているが鋼鉄だけは机に両手を付いて下を向いていた。思いつめた様子の鋼鉄にゴルビーは声をかける。


「んで、SSっていうのはどれくらい強いんだ?」


「神だ……神々の個々の戦闘力はクラスSS+から始まるんだっ……!」


「?!」


「つまり……限りなく神に近い、ということ…!」


「?!!」


「な?!!」


「え……それって……ウィディア神さまやレティア神さまと同じ強さって……こと?」


 和気あいあいとしていた雰囲気が急に冷えていく。一同の笑顔が消え、暗い顔になっている。

 洞窟での神二人の強さを目の当たりにしていた一行はその次元の違う闘いを思い出す。

 特にミリィは、あの洞窟でのできごとがトラウマになっているようで、両腕を抑えベッドの上でカタカタと震えていた。両腕に浮き出ている赤い蛇の紋様がチカチカ点滅しており、ミリィの怯えようを現していた。


「大丈夫よミリィ! もうあの神さまはあなたの中にはいないから!」

 アリシアがミリィの横に座り抱きしめ慰める。よしよしとミリィの頭を撫でるとミリィはアリシアの胸に顔を埋めた。


「ゴルビー……」

 ミリィを抱きかかえながら心配そうな顔でゴルビーを見つめるアリシア。腕を組み暗い顔でうつむいていたゴルビーがアリシアと目を合わせると、両者共、うなづきながら意を決した様子で鋼鉄とレインに話しかける。


「悪い、鋼鉄さん。一日だけ考えさせてくれ」


「私もよ……ちょっと考えさせて」


「ゴルビーのおっちゃん! アリシア姉ちゃん!」

 部屋に響くほどの大きめの声で叫ぶトロン。体がビクッと動くほどミリィが驚く。


「すまんなトロン。一日時間をくれ」


「トロン、ミリィを少しお願いね」

 そう言うと二人は自分の部屋に戻って行ってしまった。


「アイヤー……」


「そんな……」

 ミリィの隣に力なくストンと座り手を握るトロン。ミリィも優しく両手で握り返した。


「無理もない。二人は魔王の強さが神に匹敵するかもとは思いもしなかったのだろう……だが、勇者パーティーに入るとは、そういうことなのだ……」


「マスター……」

 レインは寂しそうな顔をして鋼鉄を見つめている。鉄仮面の上からの表情は分からなかったが、トロンとミリィには分かっているようだった。



「さて……わたしたちも、一旦自室に戻って買い出しの準備をしようか」


 鋼鉄は腕に装着されているコンソールのようなものをピポパと音をたて操作したかと思うと、バシュン! シュウウウと全身の鎧から湯気が出ていく。何か設定を変更したのだろうか。しばらくして湯気が収まると、スーツからシステム音が部屋に鳴り響き、ミリィに話しかけた。


 システム音)ディフュージョンスーツ、警戒モードへ移行。高速で近づく物体に対してオートでブーストを発動シマス。



「昼食には帰ってくる。ミリィも今日一日、今後トロンの旅に付いてくるかどうか、考えておいて欲しい。さあ行こうか、レイン、メイリャン」


「かしこまりました、マスター」


「わかたアル!」


 レインとメイリャンは鋼鉄と共にミリィの部屋を後にする。トロンと二人きりになったミリィは、しばらく黙り込みうつむいていると、いきなり思い出したかのように語りだした。


「わたしの故郷の村は……魔王軍に滅ぼされたの」


「?!」


「襲撃されている間、ずっとワイン蔵の樽の中に隠れてた…お母さんが、ここにいれば安全だからって……」


「お父さんとお母さんが魔王軍と戦ってる音が聞こえて来たの……わたしも一緒に戦いたかった。けどお母さんが、何があっても絶対出るなって……」


「…………」

 涙ぐむミリィを無言で優しく抱きしめるトロン。やがてミリィは拳を握りしめ怒りを露わにする。


「魔王軍が帰る最後に声が聞こえたわ…『ニンゲンの村をひとつ滅ぼしたぞ! 四天王ディーラン様に報告だ!』って……」

 ミリィの両腕の蛇の紋様が赤く点滅する。怒りによって魔力が巡り、施された魔結錠・練孔が反応していた。


「わたしはトロン君の旅についてく……ディーランを…そして魔王を倒すまで!!」


「ミリィちゃん……」


「トロンくん……守って……くれるんでしょ?」


 静かにお互い見つめ合う。触れ合う手が、やがて恋人繋ぎになり、二人は口づけを交わす。


「えへへ……昼食まで時間あるね? トロンくん………♡」


「うん………」

 両者とも頭を軽くコツンと当て、恥ずかしがりながら体を寄せ合い再びキスをする。そして、昼食までの長い二人だけの時間を過ごしたのであった。




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活動報告に全体のストーリーラインを上げてますので、良ければ見ていってね~! 小説家になろう 勝手にランキング
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