表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/69

50 過去編 能力否定の執行者9 簡単よ、魔法で殴ればいいの


「右手にエニヒレーション・ノヴァ……」


「左手にデストラクション・ノヴァ……」



 左右の手に別々の大魔法を込めていく。グググググ!!と反発する両手を無理矢理引き合わせ、左右の魔法を融合させていき、尋常ではない量の魔力が周りに溢れていく!



『魔崩拳 カタストロフィ・ノヴァ!!』



「天国へ……イカせてあげるわっ……!」


 拳に自身の全魔力を注ぎ込みマッスルネズミに次々とカタストロフィ・ノヴァを撃ちこんでいくメイティア。


「超簡単よ! 魔法で殴ればいいの!」


「それそれそれっ!」


 メイティアの拳が唸る!その一撃一撃が体を砕く! オスネズミは次々と繰り出されるドーピング魔法で強化されたメイティアの打撃になすすべもなく、ラッシュを浴びていく。


「ヂュウウ……ガアア!!」


 しかし、マッスルネズミもただやられているばかりではなかった。


「ヂュッ!!」


 最後の力をふりしぼり、腕を大きく振り上げメイティアに殴りかかる!


「っ……!」


 咄嗟にその拳をノヴァで受け止めるメイティア。しかし、あまりの勢いに地面を滑っていく!


「くっ……! まだまだぁっ!」


「ヂュウウ!!」


「ウソ……でしょ……」


 必死の一撃が止められたことに動揺した隙に、オスネズミは渾身の力でメイティアを殴り飛ばした!その一撃は確実にメイティアの意識を奪うほどの威力だった。


「ヂュッ!!」


「メイティアっ!」


「っ……!」


 とっさにノヴァを体の前に出し防御の姿勢をとるが、吹き飛ばされて地面に倒れこむ。


「ヂュウウ! ガアア!!」


 倒れたメイティアにとどめの一撃を繰り出すオスネズミ。しかし、その攻撃はウィディアの放った魔法によって防がれた。


「ディメンジョン・マジック!」

 突如としてメイティアの前に歪曲した空間が現れる。


「ダーク・プレス」

 歪曲した空間を殴りつけると、歪曲した空間に吸いこまれるようにオスネズミの体が飲み込まれていった。


「ヂュウウ!?!」


「ちょっとの間そこで大人しくしておるのじゃ!」


「お姉サマ……ありがと……」

 メイティアは力なくそうつぶやくと意識を失った。そしてすぐにイールミが駆けつける。


「メイティア! 大丈夫か?!」


「イールミ……ごめんなさい……」


「話は後だ。今は安静にしてるんだ!」


「ええ……ありがと……」


 オスネズミを封じ込めた空間をじっと見つめるウィデア。


「まあ、とりあえずはこれで一安心じゃな」


 オスネズミを封じ込めた歪曲した空間がゆらゆらと不安定に揺れている。この歪曲した空間にものを閉じ込めると、その物自体が歪み始めやがて消滅するのだ。しかし、その空間は万能ではない。いつまでも閉じ込めておくことはできないのだ。


「5分……それまでにケリをつけなければな」


「……ん……」


 メイティアが目を覚ますと、そこはイールミの背中の上だった。どうやら気を失っていたようだった。


「お、目が覚めたか? メイティア」


「ええ……ここは?」


「オスネズミを閉じ込めた空間から少し離れたところだ」


「そう……」


「メイティアよ。おぬし、大丈夫か?」


「お姉サマ……ええ大丈夫よ」


「そうか、それは良かったのじゃ……」


 イールミが地面に降り立ち、メイティアを下ろす。そして3人は歪曲した空間の方へ視線をやる。魔法で閉じ込められたオスネズミは中で暴れているようで歪曲した空間がぐにゃぐにゃに歪んでいた。


「もう5分は経ったのかしら?」


「うむ……メイティアよ。おぬしは休んでおるがいいのじゃ」


「いえ、私も戦うわ……! それにあの魔法ももうじき解けるわ……」


「そうか……分かったのじゃ。じゃが無理はするな?」


 メイティアの息が荒くなる。今にも倒れそうだ!


「ハァ……ハァ……」


「大丈夫かの?」


「ええ……なんとかね……」


 イールミがメイティアに肩を貸す。そして、歪曲した空間から聞こえてくる音からあと3分だと悟る。


「ふむ……そろそろワシの魔法の限界が来そうじゃ……」


「まだよ! もう少し……!」


「もう十分だ。後は僕に任せて」


「でもっ!」


「メイティアは十分戦ったさ」


「うむ……あとはワシらに任せるがよい」


「……分かったわ……」


 3人は再び歪曲した空間へと視線をやる。


「あと2分かの……」


「ええ……」


「ああ……」


 2分後、歪曲した空間は消滅しオスネズミが姿を現した。しかし、その体は傷だらけだった!


「やったわ!」


「うむ……これであとはとどめを刺すだけじゃな」


「ああ、そうだな!」


 3人は最後の力を振り絞りオスネズミに向かっていく!しかし……


「ヂュウウ!」


『超速タックル』! 3人に向かって目にもとまらぬ速さで体当たりを繰り出す!


「なっ……!」


「のじゃっ?! はやいっ……!」


 3人は吹き飛ばされる。その勢いは凄まじく、3人は地面を何度もバウンドしながら転がっていった。そして、その衝撃に耐えきれずメイティアのドーピング魔法が解除されてしまう!


「くっ……! お姉サマ……あとは……お願いっ……!」


 メイティアは力なくそう告げると、そのまま意識を失った。


「メイティアよ……あとはワシらに任せておくがよい……」


 地面に倒れている3人の前に立つオスネズミ。満身創痍で今にも倒れそうだ! しかし、それでもなおマッスルネズミの目は怒りに燃えている! 3人に向かって爪を振り上げる!その時……! グサッ!!オスネズミの体に剣が突き刺さる!その剣を刺したのはイールミだった!


「ヂュウウ!」


 剣は致命傷とはなっていない。しかし、それは十分な隙だった。イールミはその一瞬の隙を見逃さなかった。


「これで最後だ! 『ハイレート・ディスペアー』!!」


 イールミが剣を振り下ろすと、その剣先から巨大な光の剣がオスネズミに振り下ろされる!その光の剣はオスネズミを真っ二つに切り裂いた!


「ヂュ……ウ……」

 2つの肉片が地面に転がる。


「やった……か?」


 オスネズミの体がグズグズと崩れていく。そして、その肉体は黒い霧となって消滅した。


「お姉サマ! 大丈夫?!」


「うむ……なんとかの……」


 メイティアが意識を取り戻した時、3人は地面に倒れこんでいた。しかし、オスネズミの姿はない!どうやら倒したようだった! 3人は再び立ち上がる。


「これで一件落着じゃな……」


「そうね……イールミ、お姉サマ。ありがとう」


「うむ!」


「気にするな」


 メイティアはオスネズミが消滅した場所へと歩いていく。そして、地面に転がる黒い霧へと手を伸ばし触れる。しかし、すでにそれはただの霧でしかなかった。

3人は安堵し、女王ネズミを捕まえる為、レティアと合流しようとしていた。


「メイティア……! 無事だったのね」


「ええ、お姉サマとイールミのおかげで」


 レティアはメイティアの無事を確認すると、安堵の表情を浮かべる。しかし、ウィディアとイールミを見てその表情はすぐに固まる。二人の服はボロボロになり傷だらけで血もにじんでいるからだ。


「あなたたち……一体どうしたの?」


「うむ……もう一匹がちょっと手強くてのう……」


「……まあ、なんとか倒したがな」


「そう……でも、あなたたちも無事でよかった……」


 レティアはメイティアとイールミの無事を喜ぶ。しかし、ウィディアの傷を見て顔を曇らせる。


「む……なんじゃ? ワシの顔に何かついておるのか?」


「いえ……なんでもない…」


「レティアお姉サマ! 女王ネズミはどこにいるのかしら?」


「……あそこよ」

 レティアが指さした先。そこには大量のメスネズミの死骸が転がっていた。


「これが……女王ネズミ?」


「ええ……そうみたい」


 メスネズミの死骸の中に埋もれるように女王ネズミがいた!女王ネズミは3人に気が付いたようで、鋭く威嚇している!


「ヂュウ! チュウヂュウ!」


 女王ネズミがメイティアたちにとびかかってくる! レティア「ハアッ!」

レティアはメスネズミの死骸を足場に空へと跳び上がる!そして、女王ネズミに向かって蹴りを放つ!しかし、女王ネズミはその攻撃をひらりとかわす。


「くっ……!」


 女王ネズミはレティアにとびかかる!


「避けられないっ……! ならっ!」


 レティアが宙で体をひねり、女王ネズミの攻撃を躱す!しかし、その際に足を少し傷つけてしまった。


「うっ……でもこれでっ……」


 女王ネズミは地面に着地し再び3人に向かってとびかかってくる!しかし、今度はメイティアが前に出てその攻撃を受け止める。


「お姉サマには手出しさせないわよ!」


『バーティカル・ロンド』!!

 斬属性を持った魔崩拳で次々と女王ネズミを切り刻んでいく!


「さすがね……私も負けていられないわ……」

 レティアも空中で一回転をし、女王ネズミに向かって蹴りを放つ!しかし、これもまた女王ネズミに躱される。そして、その隙をついて再び3人に跳びかかってくる!


「これでっ……終わりよ!!」

 女王ネズミが跳びかかる瞬間、メイティアは空を蹴り体をひねり、その勢いのまま空中にいる女王ネズミを拳で殴りつける! 女王ネズミ「ヂュウウ!」

女王ネズミの体は地面に叩きつけられた!しかし、まだ息はあるようだ。そして、最後の力を振り絞り3人にとびかかろうとする!しかし、それは叶わなかった。


「これで……最後っ!」

 レティアは地面に着地すると、最大まで練った勁を背中に込め、渾身の背撃を食らわした!


「ヂュウウ……!!」


「ふぅ……なんとか倒したわね」


 3人は女王ネズミの死骸を確認し、安堵の表情を浮かべる。そして、3人はレティアに駆け寄る。


「お姉サマ!大丈夫?」


「ええ、大丈夫……ありがとう」


「しかし……女王ネズミがこんなに強かったなんてな……」


「そうね……」


「うむ……ワシも驚いたぞい」


「さて、あとはこの女王をビンに入れるだけじゃの」

 パン!と両手を叩くと目の前に歪んだ空間が現れ、大きなビンがゴトンと落ちて来た。


「これで……全部終わったのね」


「ええ、そうね」


 3人はビンに女王ネズミを入れると、その空間は歪み始めやがて消滅した。


「これでクエスト完了だ! リーシャの元へ戻ろう!」




「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価をよろしくお願いします!


していただけたら作者のモチベーションが上がります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
活動報告に全体のストーリーラインを上げてますので、良ければ見ていってね~! 小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ