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43 過去編 能力否定の執行者2 超絶イケメンと猫目ゲス顔神


「おまえら……まさか転生者じゃないだろうな? 最近この宇宙で流行っているっていう……」



「違うよ、僕らは執行者エグゼクターだ。」



「執行者だと? ……なんだそれは」



「さる御方の命により、他の神が行っている転生者を倒し、スキルを回収する……それが執行者の仕事、僕らの役目であり使命」



「なるほど、それで俺の打つ武器が欲しい……と」



「剣匠魔女リーシャ。宇宙に轟く明工と謳われているあなたなら、きっと転生者のチートにも引けを取らない武器を打ってくれると信じて来たんです。お願いします」



「そうじゃ! わしらの為に武器を打てること、誇りに思うがよい! ほ~ほっほ♪」



「なんだこの……のじゃロリは」



「のじゃロリ言うなし! ちゃんとウィディアっちゅう名前があるわい!!」



「ふんっ! わしこそが!! 宇宙三女神の長女であり、時空間魔法を操る神。強化と治癒の魔法もお手の物♪ みんなのアイドルでありスーパースターのウィディアちゃんじゃ! キラリン☆」



 なんともいえないどんよりとした重々しい空気がしばらく流れたかと思うと、後ろから綺麗な透き通った声が聞こえる。



「お姉サマ、いいかげんその決めポーズ変えたら? もっとセクシーな感じにしましょ」



 深紅の髪をしたツインテールに赤い眼を持つ長身の美女が、コツ、コツとヒールの足音を立てながら部屋に入ってきた。腰をくねらせる歩き方や湿りを含んだ吐息、その所作一つ一つが妖艶とも言える色気を醸し出している。



「末妹メイティアよ。恋と因果の神をしているわ。得意な魔法は攻撃魔法全般よ。あら、あなた……」



 長い髪をかき上げながら自己紹介をすると、突然リーシャに食って掛かりそうな勢いで近づき顔をまじまじと見つめる。目の色を変え両肩を掴みはあはあと息が荒くなると思うと、一言ボソリと呟く。



「イケメン……」



「あ?」



「あなた超絶イケメンじゃないの~!! こんな辺境の星でここまでのイケメンに出会えるなんて思ってもみなかったわ~!!!」



 突然のハイテンションさに驚く一同。いつのまにかメイティアの眼はピンク色のハートマークになっており、リーシャに抱き着き顔を摺り寄せブンブンと体を揺らしだす。



「ええいっ! 離せっ!! 引っ付くんじゃねえ! 俺は女だっ!!」



 「うわああ」と声が聞こえてきそうな苦悶の表情でメイティアの腕をガシリと掴み引きはがそうとするが一向に離れる気配はない。見ただけでわかる華奢な体のどこにそんな力があるというのか。



「むふ~! あたしは女でも構わないわっ! イケメンなら!! イケメンならぁ~!!!」



 さらに興奮し鼻息が荒くなっていく。その気迫と腕力はもはや女神というより鬼神に近いものだった。



「こいつ……どんな力してやがるっ! おおいおまえら! 見てないで助けてくれ!」



「ニャアーはははっ!!! そやつはそうなったらもう誰も止められん! 残念じゃの~! ひょ~ひょっひょ!」



 のじゃロリと言われたのが余程悔しかったのか、指を指し、猫目をしたとてつもないゲス顔で持っていた扇を煽っている。イールミと呼ばれる青年はニコニコとしながら静観している。楽しそうだ。そうこうしているうちに、4人目の来訪者が姿を現そうとしていた。



「お姉さまたちとメイティア……なんだか楽しそう……わたしも……混ぜて」



 じっとりとした目つき、光すら反射する綺麗な翠の髪でショートカットをした15、6才くらいの少女。

 水着かと思うような面積の小さな白い衣服を身に付け、額には鉄製の小さなプレートを装備している。

 右手にはなぜかドアを持っており、壊れている。どうやら入ってくる時に破壊してきたようだ。



「次女……レティア。力と破壊の神、やってます……得意技は……物を壊す事? ふふふ……」



 不気味な笑みを浮かべながら左手でピースサインをする。少し照れているのか、頬が赤くなるレティア。



「だあああ! 一体何なんだ?! こいつらはあああああ!」



 渾身の叫びが宙に響いていく。ギャーギャーと騒いでいる3姉妹を尻目にニコニコと笑顔を絶やさないイールミだったが、このままこの姉妹たちとやっていけるのかと不安が残るばかりだった。




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活動報告に全体のストーリーラインを上げてますので、良ければ見ていってね~! 小説家になろう 勝手にランキング
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