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『鋼鉄のレイン』~星のチカラを継し者~   作者: アメノマコト
衛星機甲 クレイジー・ムーンの章
33/37

幼き勇者 トロン編8 ゴブリンの洞窟


「zzz…(ニンニク爆盛り餃子お待ち!)」



「メイリャン? どうした? なんだ、寝言か」



「マスター、洞窟に着きましたが、メイリャン様を起こしますか?」



「いや、まだいい。それよりも……妙だ」



「俺も思っていたぜ鋼鉄さん。洞窟の前に見張りがいない」



 ゴブリンの洞窟の前は誰もおらず、しんと静まりかえっている。奇妙な装飾で飾り付けられた入口が不気味さをさらに増していた。



「罠……かもしれん、明らかに誘っている」



「外に出ているんじゃない? いい天気だから」



「いや、それはない。やつらは夜行性のはずだ」



「この人数だからいけるって! 鋼鉄の兄ちゃん! レアアイテム探そうよ」



「ふむ……危険だと感じたらすぐに撤退する……それでかまわないか? みんな」



 声を出さずに全員がうなずく。不安と緊張が入り混じった空気があたりを覆う。



 ーゴブリンの洞窟内、入口ー



「あたし暗いの苦手なんですぅ~! 助けてぇ鋼鉄さん~!」



「む、暗いな……レイン、ライトの魔法とトラップサーチを」



「かしこまりました、マスター。ライトの魔法発動、トラップサーチ起動」



 辺りが急に明るくなり視界が広がると同時に、空中に洞窟全体の電子図面が浮き出す。トラップのある箇所は赤く点滅している。



「レイン! 明かりの出力が強すぎる! やつらに気付かれるぞ!」




「ギッ! ギギッ!?」



 横穴からぞろぞろとゴブリンが出てくる。体は小さく、緑色の肌をしており、手にはこん棒を持っている。



「ここの通路は狭い! ゴルビーは前に出て防御、他は落ち着いて攻撃するんだ!」



 トロンPT「了解!」



「ウォークライ!」



「ギギャッ?! ギッ!」



「ん? ウォークライが効いてない……何かこいつら変だ……鋼鉄の兄ちゃん! こいつら様子がおかしいよ!」



「光が強すぎて目がやられているのか……チャンスだ! トロン!」



「ここはオイラの聖剣でっ……!」



「グギャー! グガッ!」



 光に目がくらんでいるせいでゴブリン達は意識がはっきりとしないままトロンに切りつけられていく。次第に目が慣れてきたゴブリン達のリーダーらしき一匹が、何か奇妙な指示を全体に出している事を鋼鉄は見逃さなかった。



「ギー! ギー!」



「リーダー格の様子がおかしい……レイン、やつらの様子から行動予想はできるか?」



「状況を鑑みても、態勢を整える為にトラップがある奥へとパーティーを誘導する確率が87%です。マスター」



「ふむ……どうやらそのようだ」



 ゴブリン達が奥へと誘い込むように逃げていく。



「どうされますか? マスター」



「トラップを解除しながら慎重に進んで行く。レイン、トラップ解除の準備を頼む」



「かしこまりました、マスター」



「イニシエーションビット展開。洞窟内のトラップ解除まで、予測180秒。しばらくお待ちください」



 レインの体から小さな球体が何基も射出される。普段は攻撃用のビットだが、トラップの解除にも使えるようだ。みるみるうちにトラップが解除されていくが、中には巧妙なトラップもあったようだ。



「トラップ解除完了。ビット一基消失。ビットの補給を推奨します、マスター」



「了解した。この世界から戻り次第、補給に向かおう」



「鋼鉄さん、ゴブリン達は奥に逃げ込んじまったが……どうする?」



「問題ない。トラップも今しがたレインが解除した。注意しながら先に進もう」



「さすがレインさんね。鋼鉄さんのパートナーを務めてるだけあるわ」



「わ、私だってやればできるんだもん……鋼鉄さんのパートナーにだって……いつかは……」



「もう先へ進んでいいんだよね? 待っててね~レアアイテムちゃん~」



 そう言うとトロンは洞窟の奥へと走っていく。慌てて追いかける鋼鉄たち。



「待つんだトロン! まだ隠しトラップが潜んでいるかもしれない!」



「くっ……レイン、この先の地形はどうなっている?!」



「一本道です、マスター。最奥はかなり広い空間になっているようです」



「あ! 宝箱だ! やったぁ」



「いけないトロン! 罠だ!」



 トロンが宝箱に触ると、宝箱は消え去り、後ろに大きな壁が現れる。退路が断たれてしまった。そして、奥から異様なオーラが出ている事を鋼鉄は感じ取っていた。



「この嫌な感じ……ボスモンスターか!」



  ボッボッボッと明かりが点いていく、洞窟の中だがかなり広い場所だったようだ。辺りには人間の骨が沢山落ちている。明かりの終点には豪華な甲冑を付けた双子のオークが立っていた。




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活動報告に全体のストーリーラインを上げてますので、良ければ見ていってね~!
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