幼き勇者 トロン編7 草原にて
「さて、パーティでの戦い方はある程度わかったようだし、みんながよければクエストでレアアイテムでも狙わないか?」
「いいわね~ゴブリンの洞窟にでも行ってついでに一攫千金! なんてね~」
「すごいなアリシア。俺が持ってこようとしたクエストまで当てるとは」
「すごいですねえ~ゴブリンさんはそんなにお金持ちなんですかぁ~?」
「そうよミリィ。人間から奪ったお金を相当ため込んでるって噂よ」
「ミリィちゅわん~ 僕がそのお金プレゼントしたげるよおお」
「怖いですトロン君! やっ! 助けてください鋼鉄さん」
さっと鋼鉄の後ろに隠れるミリィ。トロンはまたひとつミリィに嫌われてしまった。
「ふむ……洞窟か。明かりとトラップ探知はこちらで用意しよう。いけるか?レイン」
「お任せください、マスター」
「助かります。鋼鉄さん。いや~勇者よりもよっぽど役に立つなぁガッハッハ」
「またミリィちゃんに嫌われた……どうせオイラなんて……しくしく」
「そう落ち込むなトロン。見せ場なんてそのうちいくらでもやってくるさ」
「ほんとか? 鋼鉄の兄ちゃん! うおおおオイラやってやるぜ!」
「調子のいいやつだな、まったく……さて、問題のゴブリンだが」
「明かりとトラップの対策も勿論だが、毒の対策もしておいた方がいい」
「なら、町の買い出しでポーションと毒消し草を多めに買っておこう」
「よし、では暗くならない内に出発しよう、ゴブリン達は夜になると活発になる」
ゴブリンの洞窟への道中~南西の草原
「レインさんは鋼鉄さんの彼女さんなんですか~?」
「いきなりな質問だな……まあ彼女……みたいなものだ。そ、そうだな? レイン」
ミリィの問いにとまどう鋼鉄。だがレインは淡々とした表情で返事をする。
「ワタシはマスターの最高傑作であり所有物です。彼女ではありません」
「う、うむ……」
動揺する鋼鉄の後ろでミリィは自分にもチャンスはある!と言わんばかりにぐっっとガッツポーズしていた。
「ガッハッハ! ミリィは鋼鉄さんにお熱のようだな! トロン! いいところをミリィに見せないと鋼鉄さんに取られてしまうぞ!」
「ぐぬぬ……鋼鉄の兄ちゃんよりも目立ってミリィちゃんを振りむかせてやる……!」
「ミリィちゅわん~危なくなったら僕が絶対守ってあげるからねぇ~!」
「絶対やだ! 私は鋼鉄さんに守ってもらうから!」
「がっつきすぎなのよ、トロンは。さっき私が占ったときに出てたでしょ、しつこい男は嫌われるって」
「アリシアの占いはよく当たるからなぁ! おっ! そういえば、おれら全体の占いはまだだったよな」
「そういえばそうね……すぐ占えるけどやりましょうか?」
「盛り上がってるところ悪いが、そろそろ見えてきたぞ」
一同「あれが……ゴブリンの洞窟……!」
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