幼き勇者 トロン編3 ここに来た理由
この世界に来た理由をトロンに説明する鋼鉄。
だが、トロンは一人で大丈夫だと聞かなくて……?
ウィディア神に頼まれて君を鍛えに来たんだとトロンに説明する鋼鉄。
「オイラを鍛えに来た? オイラにはこの聖剣があるんだ! だから鍛える必要なんてないぞ!」
「トロン、まさか転生時にもらえるポイントを全部その聖剣につぎ込んだのか?」
「そうなんだ! すごい良く切れる剣が一本あれば、魔王なんてイチコロだ!」
「いいか? トロン、良く聞くんだ。いくら良く切れる剣があったからといって、当たらなければ意味がない。今の君は剣に振り回されている。それに身体能力、いざという時に使える回復魔法、それらをサポートするスキル、今の君には魔王討伐に必要な物がまったく足りていないんだ」
「うう……確かに……オイラ、ハウンドに攻撃がまったく当たらなかったんだ」
「そうだろう? でも大丈夫だ。そのために私たちが来たんだ」
「本当にオイラでも魔王討伐できるのか? ……し、信じていいんだな?」
「あ、マスター。メイリャンさまが起きそうです」
「ん~むにゃむにゃ……もう朝アルか?」
「起きたか、メイリャン」
「腹が減ったアル……メシ作るね! お! そこにいい肉が転がってるアル! そこの小僧! 手伝うアルよ! アチョー!」
豪快な鍋捌きで肉を炒めていくメイリャン。中華料理のいい匂いが辺りに充満する。
「オイラは小僧じゃねえ! トロンっていう名前があるんだ!」
「ちょうどいい、今日はもう遅い、ここでキャンプにしよう」
「うんめー! なんだこれ……!! 初めて食う味だ!」
「おろ? 中華料理は初めてアルか! 運がいいね! ワタシの料理を味わえるのは!」
「ふむ、まずはパーティーを組む必要があるな。明日の朝一に冒険者ギルドで冒険者を集めるとしようか」
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