眠りの拳士 リー・メイリャン編3 星石反応
戦いは激化する。
そして、あれが反応する。
追い詰められていく鋼鉄。だがメイリャンは攻撃の手を緩めることはない。
「わずか16才でこの功夫……間違いない……断言できる! この子は私が今まで戦った拳士のなかでもっとも強い!!」
「ロウブースト起動!」
鋼鉄の腰のヒーローベルトのスイッチが青に点灯し、ロウブーストの文字が浮かんでいる。
「遅く流れる空間の中なら浸透勁は使えまい! む! これはっ!」
素早く突きの連打を浴びせる鋼鉄に対して、メイリャンは聴勁で己の肌の感覚のみで鋼鉄の拳打を捌いていた。
「こ、これは聴勁! こちらに目を向けずとも、肌に触れる空気の感覚のみで私の拳打を……!!」
「メイリャンは常に眠っているから聴勁のスペシャリストね! 妙な魔法を使ってもメイリャンには届かないアル!」
「zzz……(寝言玉、身体強化)!」
ズババババ!凄まじい数の拳打が鋼鉄を襲う!
「むう! いきなり拳打のスピードが上がった! これは……スキルか!!」
スキルを打ったメイリャンに対して、鋼鉄の懐にある石がブォン、ブォン、と音を出し反応する。
「?! 星の石が反応している! この子だ!! レイン!」
「マスター、地球に急速接近する機体を確認。月のコアからです」
「5…4…3…2…1 地表へ到達。衝撃に注意してください」
「ちぃっ! もう来たのか! それは、見る者を惑わせる月……クレイジー・ムーン!!!」
豪快な着地音とともにその地に現れたのは、白を基調とした白銀の機体だった。
『衛星機甲 クレイジー・ムーン』
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