第99話 おさらい
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大きな戦いを越えての新章開幕です!
“踏み台型ラスボス少女”
ロボ×ファンタジー×青春のセカイ系シミュレーション『ハーベストハーベスター』。
社会現象にまでなった、20年以上展開が続く一大人気メディアミックス作品において、彼女はそうレッテルを貼られていた。
ヒーローとヒロインが覚醒するために、ラスボスとして、倒されるべき障害として用意された、悲劇の少女。
ヒーローを慕い、けれど想いを告げられぬまま絶望し。
終わらぬ夜に囚われて、恐ろしい怪物へと成り果てて。
最後はヒーローたちの手によって、明日の希望のために打ち倒される。
彼らの英雄譚のために配置され消費されるために存在する……踏み台の少女。
“黒川めばえ”は、そういう位置づけのキャラクターだった。
俺は、その扱いが我慢ならないほどに気に入らなかった。
何の因果かHVVの世界に非常によく似たこの異世界で、これまた小説版のド初っ端で死ぬ役として配置されていただけのモブオブモブ――黒木修弥へと転生した俺は、前世今世変わらずの最推しヒロイン黒川めばえの運命を変えるべく、あれやこれやと前世知識を活用して行動を起こした。
ステータスを鍛えに鍛え、得られる技能レベルはフルマックスにした。
所属した小隊――天2の隊員たちとコネを結び、同じく鍛え上げて最強の小隊を作り上げた。
原作開始前段階での戦いに、勝って、勝って、勝ちまくり。
侵略者――ハーベストたちを隈本の地からほとんど駆逐してやった。
我ながら、やれるだけのことはやったと思う。
原作では重要な意味を持つ、敵500体を倒した証の勲章“ハーベストハーベスター”を、自分はもちろん複数の仲間たちにもゲットさせ「伝説とは?」と言わしめた。
無敵の天2独立機動小隊なんて世間じゃ呼ばれて、名実ともに日ノ本最強のチームになった。
結果として、俺は黒木修弥が辿るはずだったとある戦いでの死の運命を乗り越えて、今もこうして生き永らえている。
現状、戦局は人類優勢の形で安定している。
一番の激戦区である九洲南部、神子島県においても、新型の人型契約機、量産型精霊殻『無頼』の多数配備によって、人的被害を大きく減らしつつ敵の侵攻を食い止められるようになった。
俺こと黒木修弥――改め、黒木終夜(自称。推しの背負うクソみたいな運命という名の夜を終わらす者と願いを込め、かつ元の名前だと縁起悪そうだなって思ったんで名乗った)ががむしゃらに駆け抜けた道の先では、原作世界とは似ても似つかない未来が待っていた。
ゲームじゃエンドコンテンツ扱いだった亜神級ハーベストをぶちのめし、メディアミックスのどこを探しても見たことのない新型の精霊殻が登場し、奪われ切り捨てられるはずだった天久佐地区に最強の小隊を擁する最大級の前線基地が建てられている……そんな世界。
間違いなく、俺たちこそが、人類の希望。
上天久佐第2独立機動小隊こそが、これからの戦いを切り抜ける最強の切り札だ。
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さて。
そんな人類最強の部隊である天2に所属する、実績的にエースオブエースやってる俺。
黒木終夜は今、何をやっているかというと。
「シュウヤちゃーん。ママこれからタイソーに買い物行くけど何か欲しいのあるー?」
自宅にいた。
「シュウヤちゃーん?」
「(欲しいもの)あるーーーー!」
天2の基地拡張の際に寮が建てられ、隊員は緩やかにお引越しし始めている今この時に。
俺は――。
「スポドリとサンドイッチ、あと、からし蓮根ポテトで!」
「は~い。お風邪、早く治さないとね。ゆっくり休んでてね~」
ガチャ、バタン。
「……ふぅ。マジでごめん、母さん」
――自室に、引き篭もっていた。
実家の様な安心感。
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