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第107話 開催! 天2基地交流会!!

いつも応援ありがとうございます。


感想・評価いただくたびに、やったぜと喜んでいます。

楽しんでもらえてるんだなと実感が沸きます。

誤字報告も助かっています。本当にありがとうございます。


天2恒例のイベント回!


 俺が交流会の開催を宣言した……その日の夕刻。


「あー、こほん。それでは……天2新メンバー加入おめでとう交流会!」

「開催! ですわぁーーーーー!!」

「「かんぱーいっ!!」」


 食堂兼調理場にて、それは早速の開催と相なった。


「うあぁ、突然の立食パーティーとか……各派閥への弁明、始末書……」

「ハッハッハ! いいじゃないか六牧! これも青春、だぞっ!」

「あーがーつーみーせーんーせーい? あなたも羽目を外しすぎないようにしてくださいね?」


 酒たばこ禁止な代わりに、御三家が本土のパーティーでお出しするような豪華な料理や飲み物が立ち並ぶ会場で、揚津見先生、佐藤先生ら元教師勢(現小隊運営補佐官)と六牧司令がグラスを鳴らす。


「こういうのはもう慣れっこだろう、後輩?」

「慣れるわけないでしょう、先輩。いつも胃が痛い思いしてるんですよ」

「わかります。学生身分の時からあいつらはいつもいつも……!」


 早速の愚痴り合いの場となったそこからは早々に距離を取り。


「やぁ、ちょっとお話しないかい? せっかくの機会だし、ね?」

「HE~Y! 前から聞きたいことがあったんだけど、OK?」


 天2のメンバーはそれぞれに、普段話さないような相手や、興味を持っている相手に向かって積極的に交流を取りに行く。



(よしよし、順調だな)


 交流会イベント。

 ゲーム版HVVでも地味~に重宝する小隊活動。


 いつかの文化祭や社会科見学のように、今回も一定の効果を得られそうで何より何より。


FES(システム)はなくとも感情(げんじつ)はある。ここで仲を深めることで、相性補正にプラスが乗れば、今後の訓練の効果にもさらなる期待が持てるな」


 そう! このイベントで補正が入るのは、参加メンバーの感情値!

 このイベントを機に交流をもって、互いの思いを深めることができるのだ!


 新たなメンバーも加わった今だからこそ、最大効率が叩き出せるイベントと言える。


 そして――!


(――これこそまさに、今の俺に最も必要なイベントだ! 間違いない!)


 ついに出会えた天仙娘々傾城乙女黒川めばえちゃんとの縁をより深めるため!

 今回のイベント、俺も存分に活用させてもらうぞ!



(めばえちゃんのハートを射止めるには、最高のタイミングで仕掛ける必要がある。今はまだ“見”だな)


 静かに静かに息を潜め、気配を断つ。

 俺はゆっくり落ち着いて、各所で始まる天2メンバーたちの交流模様を、油断なく観察し始めるのだった。



      ※      ※      ※


 

 最初に注目するのは、お菓子が山盛り積んであるコーナー。


「甘い、ですね」

「おーっほっほっほ! そうでしょうそうでしょう命さん! これこそは本土から取り寄せた砂糖をふんだんに使った和菓子セットですわぁー!」

「お嬢様、口元に武者がえしの欠片が付いております」


 天常さんに細川さん。

 王道の主従に姫様というレアがくっついた組み合わせ。


「命さんは甘い物はお好き? 大阿蘇の本殿にいたころはあまり機会もなかったのではありませんの?」

「それが、皆様から捧げ物という形でそれなりにいただいておりまして」

「まぁ! でしたら特にお気に入りの物などございまして?」

「そうですね。味について特に記憶に深いのは……ふっくらサクサクとして豊かな風味を感じたおせんべ……」

「こちらでしょうか?」

「! はい、これです細川様。ですがどうして……?」

「おーっほっほっほ! 天常家の物流網と、その知識の集積を舐めてはいけませんわぁ! 必要でしたらいつでもお取り寄せいたしますわよ?」


 THE・上流階級の交流といった風情のやり取り。

 内容はふんわり柔らか食の話題だが、その実、御三家のそれぞれの事情を踏まえた情報の行き来を感じられる会話内容だ。

 設定とか調べるの好きな身としては、こういう細かなやり取りに含まれるネタとか大好物である。



「うむ。やはり大阿蘇の高菜折りした奴は格別だな」

「もがもが、これマジで美味いっす佐々さん! これ、持ち帰って弟たちにも食わせてやりてぇな」

「YE~S! チヨマロ様チョイス、英国のお祖母ちゃんにも食べさせてあげたいな」

「ぜってぇ値が張るだろこれ、食いだめしとこ」


 続けてこっちは整備チーム+鹿苑寺君。おにぎりやらが並ぶ軽食コーナーだ。

 佐々君目当てで紛れ込んできたんだろう鹿苑寺君がいるおかげで。


「んぐんぐ! 確かにこれは格別だ! 筋肉がこの栄養を喜んでいる!」

「うっま~♪ 一口サイズのおかずとおにぎり、無限にループできちゃう~♪」


 三羽烏の木口君と鏑木さんが釣れていた。

 いや、鏑木さんは普通に飯に釣られただけかこれ? すこぶる美味しそうに食べている。


「お持ち帰りについては考えてなかったが、天常のことだ、頼めばいくらかは包めるだろう」

「うおおおお! ありがとうございます佐々さん!」

「あー! それならアタシもアタシもー! けーちゃんアタシの分のタッパーもおねがーい!」

「ふむ。古巣に持ってって食べてもらうのもいいかもしれんな」

「班長俺の分もお願いしまーす!」

「Oh……さすがに英国には送れないから、いっぱい食べちゃお!」


 佐々君激推しの高菜は好評なようで、さっそくお持ち帰り宣言が相次いでいた。

 っていうか、改めてみても天2メンバー食い意地張ってんな。


 兵站の要である隈本物流ライン守れたの、めちゃくちゃファインプレーだったなこれ。

 そのために今じゃ取り戻した地域の鉄道網復旧も進んでるらしいし、日ノ本の食への拘りぶりがわかる。

 いつの時代も食を維持する戦線は強い。



「……それにしても、摩耶ちゃんのその服、ゴスロリ! いいね!」

「着こなしからしても見事なものだわ」


 お?

 清白さんとパイセンが、ナイフちゃん……竜胆さんに絡みに行った。


「えへへ~、そう見えますか~? だったらまぁや、とっても嬉しいな~☆」

「ホントホント! 私そういうの着たことないから興味あるなぁ」


 話題はどうやら竜胆さんのゴスロリ衣装についてだ。

 本日の彼女も、制服参加に堂々とした黒ロリ姿でガチガチフルアーマーである。


「まぁやにとってのゴスロリはぁ、魂、なんでぇ……」

「魂……っ!」

「あ、なんだったら~。清白さんも、着てみます~?」

「え、いいの!?」

「もちろんでぇす☆ ゴスロリ、一緒に楽しんじゃいましょう~」

「わぁ! ぜひぜひ!」

「よかったわね、帆乃花」

「うん! あ、私のことは帆乃花でいいよ! 摩耶ちゃん!」


 今、新たな縁が結ばれる瞬間を見た。

 交流会の本分ってのも、しっかりと果されてるようで何よりだ。


 しかし。



「HEY、メグル~」

「? なぁに、オリー?」

「逃げて~」

「え?」


 パイセン。

 選んだ話題が迂闊だったな。


「おーっほっほっほ!」

「!?」

「新たな衣装道への参加者があると、聞きましてよ!」

「輝等羅!?」

「輝等羅ちゃん!」

「ゴスロリ、結構でしてよ帆乃花さん! ならばこの私が、帆乃花さんにお似合いの1着を選んで差し上げますわ!!」


 シュバッとやってきたのは天常さん。

 趣味……コスプレ。


 これは、自らが着るだけでなく、誰かに着せるのも含まれる。



「わぁ、いいなぁ~……輝等羅様チョイスのゴスロリ……」

「当然! 貴女の物も責任をもって選ばせていただきますわよ、摩耶さん!」

「えっ!?」

「貴女の拘りのクローゼットに、どうか私の1着も加えてくださいませ」

「ふわぁ~……おねがいしましゅ☆」


 竜胆さんの手を両手で包んで見つめる天常さん。

 推しからの過剰供給に感極まって顔を赤くする竜胆さんから、ぷしゅぷしゅと湯気が噴き出していた。


 そして。


「……その時はもちろん、アナタもでしてよ巡さん?」

「は?」

「すでに巡さん用のゴスロリは用意してありますので、お覚悟くださいまし」

「え?」

「にゅふふっ。まじかるーぷの公式サイト、まだまだお楽しみ画像が足りなくてねぇ?」

「!?!?」


 気づけば背後に這い寄るタマちゃん。

 パイセンに逃げ場なし。


   ・


   ・


   ・


 ざわざわと、会場もいい具合に熱を持ち。

 自然と交流する流れもできて、隊員たちがお互いを知るいい機会が生まれていく。


 そんな中、我が黒髪ウェーブのお姫様こと黒川めばえちゃんは――。


「………」


 ――案の定、ボッチだった。

輝等羅「もちろんゴスロリの他にもドレス、メイド服、くのいち、ナース、チア、ビキニアーマーに体操服やスク水などなど、いくらでもご用意いたしますわぁっ!!」


応援、高評価してもらえると更新にますます力が入ります!

ぜひぜひよろしくお願いします!!

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輝等羅強いw
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