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ノアの旅人 ‐超・高難易度ダンジョン攻略専門の底辺クラン、最強キャラバンで死にゲー系迷宮を攻略する譚等 - / 第6巻~新章開始   作者: 西井シノ@『電子競技部の奮闘歴(459p)』書籍化。9/24
第12譚{隕石の街}

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①カルデラの受け皿

第12譚{隕石の街}


「古き言い伝えです。この場所には大層立派な国がありました。外壁は魔鉱石を交えた堅牢なもので、今見えているカルデラの中にピッタリと収まる程に家屋が密集しておりました。」


「へぇ。」


【サステイル地方・メテア山頂の街】


挿絵(By みてみん)


「外敵への守りは巨神兵と呼ばれるゴーレムに任せていたとされています。いざとなれば、そのゴーレムを連れて侵攻することも出来たと。しかし、そんな強国を一瞬にして壊滅させた天災が空から。街の中央に置かれたこの銅像はその時の隕石で創られたそうです。」


 銅像は小さな少年のものであったが、そこはかとなく見知った様相。どうにも学者によれば、銅像も周りの大地にも隕石のように特異な成分を持つ鉱石は見つかってないという。


「彼はこの街を再興させた若き王です。今は国としての形を持ちませんが、皆様のような旅の方に興味をお持ちいただける街となれたのは、一重に先人たちの努力の賜物でしょう。」


 案内人のおじいさんは満足気な顔で説明した。俺たちがこの街へ来た目的は勿論ダンジョンである。


【メテアカルデラ街・(通称:隕石の街)】

 天から飛来した災厄を察知した巨神兵が最後に取った自律行動は、街の中枢にある神殿に結集し、力を合わせて食い止めるという無謀なものであった。なんとも機械的なその行動パターンが何からもたらされたモノであるかは謎だが、その巨神兵らが『オーパーツ』と呼ばれる特異な兵器で有ったことは確かであるし、現に巨神兵らの遺骸が神殿に混ざり、超常的な魔素の乱れがこの街のダンジョンを生み出した。


「ダンジョンギルドはあちらに見える"ドーム"に隣接しております。もう潜られますかな?」


【ダンジョン名{巨神兵の遺骸神殿}】

・難易度☆5(通常プロレベルの最大値:危険領域)

・推奨:シーカーライセンス保持者を同伴させるクラン。

   :総合冒険者レベル6(Tier2~3)

   :クラン階級位A

・備考:地下三階層よりシーラ、魔法の完全制限となる。

・認定:地下神殿ダンジョン(第一層以下未開拓、未踏破ダンジョン)


 一方ユーブサテラは、

・妥当難易度☆2(要注意領域)

・総合冒険者レベル2(Tier7)

・クラン階級位F

・B級ライセンス保持者一人。


 テツ(上中級者の専門家シーカー)くらいが複数人いて難度に吊り合うダンジョンだ。正面から挑んでもギルドに突っ撥ねられるだけだろう。


「いえ、もう少し街を見ていきます。ダンジョンはそれから(許可を貰う方法を)考えます。」


「左様ですか。」


 そう言って案内人は一冊の歴史書を俺に渡した。


「はて?」


「お代は結構旅の方。無料でございます。実に私どもも私たちの故郷を知りたいのです。是非何か分かればお聞かせください。」


 渡された歴史書は比較的新しいもので、しかしながら重厚なものでもあった。


「それはなんだい?」


 アルクが覗き込むようにして本を見る。


「さぁな。まぁ夜にでも読むさ。」


 そう言って俺達は、ポツリと建てられた銅像を後にした。


「今日も野宿なん?」


 動き出すキャラバンの中、プーカがげんなりとした顔で言う。


「野じゃないだろ、立派な車中泊だ。」


「飯ぃ~。」


「ダンジョンで稼げたらな。」


「でもムズイって。」


 確かに、今回のダンジョンは時期尚早感が否めない。クランの階級や推移というものは地方によって基準となる値も名称も様々だ。大陸で一つに統一されている訳では無くややこしいと感じることも多いが、俺達みたいな底辺クランからすれば、ダンジョンへの抜け道となることがある。しかし、今回で言えばどんな地方の値で裁量しても基準値へかすりもしないのが現実。オルテガから貰った推薦状を持ってしても、俺達には荷が重いと判断されるのが妥当。


「まぁ、そんときゃそんときだ。」


 俺はハンモックに身体を預け、欠伸をしながら本を開いた。諦めも時には肝心なのである。



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