設定資料:真新しいメモ帳(禁書室)
※本編ではありません。禁書室(一部ネタバレを含みます。)
(貴方は埃塗れの本棚から、とある綺麗なメモ帳を発見した。中身を覗くと、どうやら幾つかの文字が黒く塗りつぶされているようだった……。)
『―――――
【極秘書物・ミルナキケン】
〔タイトル・魔法の勉強〕
{初めに}
この世界には2種類の人間がいると聞いた。
無魔の人間と式魔を持つ人間だ。
僕は生まれてからずっとダンジョンで暮らしてきたが、
どうやらそこは魔法が使えない特殊領域だったらしい。
そのせいか僕は、魔法が使えない身体になっていた。
いわゆる無魔って奴だ。
ただし、その反対の人間を式魔と言う訳ではないそうだ。式魔は体内の魔素を外界に触れさせ応用したもので、生き物が繰り出す魔法全般のことを指す。
ここは僕もややこしいと感じるが、つまり無魔とは式魔を使えない、または使わないものを指す言葉であり、魔法が使えない者を指す言葉ではないということだ。
……例えば、先天的に式魔を使えない異世界からの転移者や、呪われた冒険家でも、強制的に魔素を外に出し"式魔に似たことを行う技"も存在する。
つまり理屈的にはこの世界に住んでいれば、誰であろうと魔法が使えるようになるのだ。この世界の空気を吸い、この世界の食べ物を食べ、この世界の水を飲めば、嫌でも血中には魔素が混じっていく。だから例え僕でも、魔法の勉強をし、魔素についての理解を深めることは今後の冒険に役立つことになるはずだ。この一冊では、これから聞いたり、見たりして学んだ魔法の知識についてをメモしておこうと思う。
ただし、魔法を使う人間に特有のオーラみたいなものが存在しない、うちのリーダーみたいな奴は早々に無魔判定が下され、敵との判別がしにくい無魔を毛嫌う冒険者達からは、運が悪ければ樽で殴られることもあるようだ。
(或いは、太々しい顔をしているからかも知れない……。)
――――――
{式魔・(シグマ)あるいは(シキマ)について
地方によって発音が異なる。
世界通貨である「イェル」とか「ジェル」とか「エル」とかと同じだ。
式魔を使うには多くの努力が必要だが、ダンジョンに挑む者や騎士を目指す人間は、無魔であるとイジメに合うらしい。
式魔の性格は様々だが、聞いた話によれば普通は6つに区分された基礎系統のどれかに該当する。
・基礎系統
1原始...一般的な魔法系統。白魔法。黒魔法。汎用性に優れ実用的。
2契約...召喚士等が該当。
3身体...体内の魔素を肉体の強化という形で外界に発出させたもの。
4自然...一般的かつ戦闘向きにもなる。研究が進んでいる分野。
5物体...ものづくりがしやすい?って聞いた。(雑な説明だ。)
6感知...占い師も、元を辿ればここから派生するようだ。
(番号は適当に振った。)
そして、
7特殊魔法...基礎系統の性質が複合されているもの。
特殊魔法については分からないことが多いらしいが、例えば炎の剣を作る魔導士がいれば、4と5の性質を持った7ということになる。
かの有名な最強のずんぐりむっくりチビ、サテラ・カミサキの扱う扉魔法は5と6を合わせたものだ。
一説によれば親和性がうんたらかんたら……で、基礎魔法で出来た六芒星の頂点に特殊魔法が来ることから「六芒星魔法」とも呼ばれている。
で、その六芒星は生き物によって系統の場所が様々。魔物が人知を超えているように、人間以外の親和性の有無や関係性は未解明だ。
白魔法と黒魔法は原始系で、光魔法と闇魔法は自然系だが、黒魔法と闇魔法の複合性質は通常の人間では不可能なので、得意とするような奴は六芒星の振分けが似ているモンスターの血を継いでいるので「殺すべき」という意見もある。
過激思想だ。
(考え方は色々あるらしい。僕が覚えるなら、今のところは1が良い。)
「五大自然系属性」
炎
水
風
雷
岩
→自然系に属する魔法で、これらは覚えやすい。上級の冒険家には自然系魔法を満遍なく憶える者もいる。炎魔法は暖を取るために、水魔法は喉を潤すために。
なるほど便利だ。
――――――
{魔法の難易度}
いろいろな国や、神技会を筆頭としたさまざまな評議会によって、様々な基準がある。暇そうだったのでナナシに代表例を書いてもらう。以下に記す。
(例;基礎雷魔法)
魔術学会↓ 魔法研究ギルド↓ 元老神技会↓
SSS級 カタストロフィ級 (ヤバい)
SS級 (ここは、内緒)
特級 S級 (極雷の槍ケラノウス)
1級 A級 (特雷の槍ケルノス)
2級 B級 (大雷の槍ケルノ)
3級 C級 (雷の槍ケラン)
4級 D級 (ビリビリするやつ。)
5級 E級 (ピリリッとするだけ。)
0級 X級 (規格外や珍しいもの。)
魔法の致死性に基準を置いていたり、発動の難易度に基準を置いていたりするので結構バラバラ。
例えば、操血魔法(血を武器にするもので、血操魔術とは別物。)とかは頑張れば高い殺傷能力を有するけど、習得難易度で言えばナイフで手を切れば、案外誰にでも出来るので、アカデミアでは5級、連合ギルドではX級に該当。地方によっては禁術扱いだった。
神技会スケールは憶えるに値しないと思うけど、カタストロフィ級という基準値を設定したことが功績としてある。元老神技会は昔からヤバいカルト組織と言われているけど、連合ギルドのSSS級は神技会に合わせて作られた。
その発端となった魔法は、平和都市アイギスと関連深いフェノンズの旅団が放ったもので、一国を勦滅させた程だと言われている。詳しい話は{サテラ}が知っているそうだから、次に会ったら聞こうと思う。
―――――
{剣技について}
地方によって様々な流派が存在する剣技。特定の所作や動きによって殺傷能力が上がるその仕組みは、空気中に含まれる魔素を集約させていることにある。すなわち、魔法陣と同じような効力を身体の動きで生み出し斬撃を強化しているのである。また魔法を付加することも可能で相乗効果を生み出せる。なんと奥深い。
有名な流派
・四神流「発祥地:イーステン刀剣の国」
・月光剣「発祥地:イーステン刀剣の国」
・竜剣舞「発祥地:アイギス竜の谷」
なお、四神流の格下とされる四大派生が特に人気を誇っているらしい。
「青龍」
「白虎」
「朱雀」
「玄武」
これらは魔法の性質によって相乗効果の大きさが変わる。適性検査みたいなものだ。相性があってそれを選び取ることが出来るから人気。ナナシは玄武剣をたまに見せるがアレは守りの型らしい。キャラバンは堅いんだ、これ以上守りは要らないでしょ。あぁ神よ、どうか彼にもっとマシな攻撃手段を与えたまえ……。
―――――
{■■■■と魔法}
『"■■■■にとって魔法が必要かどうか"が長年議論になっている。これは式魔の持つ後天的な不可逆性に起因する命題だ。すなわち、シーラと言う巨大な未知に対して、か弱き我々人類が獲るべきスタンスは、唯一生まれたままの純粋な無魔で無ければならないという考えだ。』―(■■■■の心得より引用)
とあるが、つまり何かの魔法を極めた人は、その人がどれだけ優秀であっても他の魔法が扱いずらくなってしまう身体に変わってしまうということらしい。
例えば王国に仕える魔法騎士でとりわけ名を挙げているような将軍たちは、強力な自然系魔法を扱えるが、私生活では最も容易な"白魔法"で物を浮かせることすら出来ないとか……。
これは考え物だ。
式魔の習得には長い年月が掛かるが、■■■■にとっては悪い方向に作用してしまうかもしれない。そしてそれは不可逆性を持つ。
しかし冒険者としても、実用的な魔法を扱えたからこそ、楽な旅が出来たという事例も多い。
めっちゃ、悩む。
・・・・・・・・・・・――――――――』
俺のブクマボタソ
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