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ノアの旅人 ‐超・高難易度ダンジョン攻略専門の底辺クラン、最強キャラバンで死にゲー系迷宮を攻略する譚等 - / 第6巻~新章開始   作者: 西井シノ@『電子競技部の奮闘歴(459p)』書籍化。9/24
第30譚{魔術廃校のシーラ}
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⑥休廷

「あっ。」


 一際小さな法廷の戸を開け、そいつは天を見据えて佇んでいた。


「あっ!!もぅ遅いよォオおおおお!!!」


 近付くソイツにテツはライフルを構え、スコープに捉える。


――スチャッ。


「ちょっ、えっえっえぅなんでよテツ!!!」


「本物?」


「そうだよ!!」


 アルクはへっぴり腰で手をあげた。テツはそれを見るやリザへ合図を出し、リザは胸ポケットに忍ばせていた100イェルを木机の上へ手で覆いながら落とし音を鳴らす。


――チャリン。


「いくら?」


「ひゃ、100イェル硬貨かな。」


 それを聞いたリザは手一杯にコインを掴み机に落とす。


――チャリンチャリンチャリリリリン、リリリン。


「いくら?」


「え?」


 ミカルゲは声を漏らし、間髪入れずアルクは答える。


「436イェルだよぉ」


「正解。」


「えっ、きも。」


「キモいは言い過ぎですよガイドさん……」


 驚嘆したミカルゲへ向かい、俺は小声でそう言った。


「もーこんな所で無くさないでよ絶対!!」


 ライフルを下げたテツを見るや、アルクはリザの方へ駆け寄りお金を拾い始める。


「100イェル4枚、10イェル3枚、……あれ1イェルがこの下にあるはずなんだけど」


「私がもう拾った。」


 腰を曲げて金を拾うアルクを見ながらミカルゲは腕を組む。


「私の罵声は聞こえなかったみたい。守銭奴守銭奴守銭奴守銭奴・・・」


 ミカルゲは何度も呟き徐々に声量を上げる。


「ウチの商人で遊ぶな。」


 俺はミカルゲの頭頂部へ手刀を当て、アルクへ歩み寄った。


「そういえば敵は、というかよく無事だったな。」


「ヤバかったら君が来るだろ、何かの勘でさ。」


 アルクは呆れた様に笑い、試すように目を細めた。


「なぁ飯作らん?」


 プーカは腹包みを叩きながら提案する。


「そうだな。」


 そうと決まれば目的地はテヌーガC1(仮)になる。探索にしては随分と長いこと同じ場所で時間を取られてしまったが、長期戦こそがうちのクランの持ち味であり、丁寧さこそがシーカーの専売特許ならば、しばしばの休廷も作戦の練り直しも、攻略の為にじっくりとするべきだ。










Tips

・ユーヴサテラの現在の装備

『通常ユーヴサテラは街を歩くような軽装備でダンジョンに挑むような愚か者らであるが、ことシーラに関しては抜かりなく事前にキャラバンから"主力装備"を取り出して身に付けている。以下がその装備の中で潜具であるものを抜粋。


 ナナシ{女帝の指輪、付与する為の常備短剣(短剣以外でも、能力の付与先は一時的に潜具になったと解釈できる。)}

 テツ {アトモスフィア狙撃銃(背中)、サクラ6リボルバー右太腿、サクラ6リボルバー左太腿、

     M500リボルバー右腰、首巻、アンカーガン(ノアズアーク弱体化の為、装備。)}

 プーカ{ノアズアーク}


☞また、リザは手斧と火打ち石、アルクは念の為に杖等を装備してはいるものの、荷物と呼べるものは無い為、ユーヴサテラは軽装備で有る分比較的に各個人が瞬発的な移動能力及び回避能力に長けているクランであると言える。(ノアズアークを背負うプーカを除く。)またハーケンガンは左手用装備でありテツ以外に扱いを困難にしている為、ノアズアークに付加されている。また装備の傾向を見るにユーヴサテラ内のシーカーとしての素質や能力の序列は、潜具の量に比例しているとも取れる。』

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