5話
ドゥエス目線です。
ほんのすこしはっちゃけてます
オレの名はドゥエス。
年齢は秘密!高身長!
夕焼けのような長い紅髪に、紅玉のような赤眼から【紅炎】なんて呼ばれてる元・火炎系魔術師だ。
色々遊び歩いてたから、今は魔法が使える遊び人ってところかな。
火炎系の魔術より素手でのグーパンの方が加減しやすいから、魔法はあまり使ってないけどな。
ある事情があって、獲物を追っていたんだが、あと少しって所で、そいつの血をたっぷり浴びて取り逃してしまった。
体はめっちゃベタベタするし、お腹は空くし、気分はナーバスだった所をカーヤに救われた。
年齢不詳のカッコいいおにいさんとの刺激的な暮らしにカーヤも絶賛人生謳歌中!
……だといいな。
そんなオレが居候しはじめてしばらく過ぎた頃、カーヤの朝夕の日課である廃教会の散策に付き合った。
小鳥へのパンの配給(塊)はさすがにやらなくなったが、餌はあげたいと言うので、パンを1口サイズにちぎったものを用意した。
「なぁ、カーヤ、このへんの場所は何かあった場所なのか?」
協会の裏手、雑草だらけで放置された場所があった。
そこだけ木が生えず少し開けていた
「このへん?さぁ?何の変哲もない雑草の生えてる場所かなって思ってたよ。それがどうかしたの?」
「なんとなく、耕せないかと思ってな」
カーヤと一緒に住んでみてわかったが、パンとか野菜とか、ほとんどの食べ物を近所の人から頂いているらしかった。
これまではそれでもよかったが、居候としてオレが来たからには、自給自足させた方がいいんじゃないかと、何となく思って閃いただけだったんだ。
いや、オレがとっとと出ていきゃよかったんだが、カーヤに何もお返ししないってのも、良心が傷んだ。
……ホントだよ?
オレ、人には優しいからね?
オレをよく知る人物はこーゆー事言うと「信じられない」とか「天変地異の前触れ」とか失礼な事言われることあるけど。
子供と女の人には優しいよ?
男?
男は論外だ。
もれなくオレの女を取るから嫌いだ。
そんな『カッコよくて子供に優しいオレ』は、小さめの畑を開墾しよーかなと、カーヤに提案した。
「畑にするの?え、出来るの??」
普段ぼんやりしてるカーヤの青い眼がキラキラした瞳で見てくるじゃん。
コレよコレ……じゃなかった、
「まぁ、この辺の雑草刈って……なんか…こう、……………ぱぱぱーっと……やるんだよ!」
「兄さん?」
羨望の眼差しで見てくるカーヤにカッコよく、手順を教えようとしたけど、雑草刈ったら何すりゃいんだか、そーいや、やった事なかったわ。
開墾?
した事ねーもん。
ジト目出みてくるカーヤを目線を見ないようにして
「とりあえず刈ればなんとかなるさ!」
と自信満々に教えたのだった。
その後、草刈り道具もなかったので、道具を村長から借りることにした。
「ついでで悪いんじゃが、村の中央にある畑の雑草も刈り取ってくれんかの?最近腰が痛くて出来ず仕舞いなんじゃ」
「ああ、構わないぜ」
と言って村の畑まで案内してもらった。
「ここじゃ」
簡易な柵で囲ったその部分は、村長とパンのおじさんが共同で育ててる畑らしく、そこそこの広さがあった。
2人とも腰痛と恋仲になったらしい。
「面倒じゃろうが、頼んで良いかの?」
「問題ないさ。任せとけよ」
しゃーない。
それにしても体を壊してる大人が多いな。
「よし」
村長が立ち去ったのを確認したら、
自慢の腕で雑草狩りをはじめた。
ありがとうございます。
次回は10/7を予定しています