47話
まだまだつづくよドゥエスくん
イム科モンスターを蹴散らして、しばらく進んでいた。
小さい呼び声が聞こえたので、気付かれないよう、歩きながら応答する。
【それにしてもドゥエスさん。本当にあのものを精霊王の元に案内するつもりですか?】
姿を消した地の精霊が声だけで精霊石のイヤリング越しに、こちらに話しかけてきた。
「おや?久しぶりに名前呼んでくれたのね。寂しかったんだぜ」
【茶化さないでください】
声だけなのに、ぷいと、そっぽ向いたような気配を、感じたのはオレの妄想かな。
「ちぇー。オレには名前呼ばせてくれないのにぃ」
精霊と契約する際に真名を教えてもらったけど、多分この子の精霊としての名前じゃないんだろうなぁ。
本人が嫌がるので名前では呼んでない。
かといって、この子の本当の名前は教えてくれないんだよなぁ。
ガードがダイヤモンド並に硬い。
オレ……何かしたかな?
それはそうと、この子が心配するのも分からなくもないか
「精霊ちゃんが言ってるのって、エリー(仮)ちゃんのこと、だよね」
【はい。あの者……人間じゃあ、ないですよね】
は?どういうこと?
「ヒト、に見えるけど何かあるってのか?」
【あの者、体は人間と変わらないような見た目してますけど、私たち精霊とも違う、『魔の者』に近いっていうか……】
「魔の者……魔族ってことか?」
魔族ーー
この世界では魔族とは、はるか昔、精霊王が現れるまで精霊や魔物を統治してたヤベェヤツらっていうのを昔勉強させられたっけ。
過去の歴史に興味無かったから、まともに勉強した覚えがないんだよね。
【私も見るのははじめてなので、確信はありませんが、あんな者を精霊を近づけるってのは私は反対です。精霊王の封印を解かれたらろくでもないことになりますよ】
「うーん……まぁ、そう見えなく無いけど……。まだ暫くはオレに任せといてくれない?オレも“ヤツ”に近づけるつもりは無いし」
【そういうことなら……少しアテにしちゃいますよ】
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「なにをブツブツ呟いてるんですか?」
いぶかしげに顔を覗いてきたのは、茶髪の冒険者レニアちゃん。
「あ、いや……何でもないぜレニアちゃん」
「隠し事ですか、そうですか」
「え、いや、そんなことはないって!」
地獄耳だったようで、なんか聞かれちゃったかな……
不安になりながら前に進むことにした。
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次の投稿は 7/4 の予定です。
うまくいけば




