10話
ドゥエスの話は一旦休憩。本編はまだまだ続きます。
オレは村に戻ると、外に出ていた村長に、ヤツこそが魔物を召喚していた黒幕だったことを明かした。
「まさかあの商人がのぅ……。最近怪しいとは思ってきていたが、そんな目論見があったとは……」
そのままとんずらしても良かったんだけど、何故か村に戻ってきてしまった。
案外素直に納得してくれた村長。
「ヤツの言葉では、世話になっていたようなことを言っていたが?」
「そりゃとんでもない。ヤツのせいで何人もの村の若い衆が村から出て言っちまって、参ってたんじゃ。わしの息子夫婦やカーヤの両親だって、王都街に出稼ぎに出たっきりでの………諦めておったわ」
そんなことがあったの?
「今回は助かったよ。カーヤも家で待ってるから、顔を見せると安心するじゃろう」
「あ、あぁ……」
血塗れなんだけど……
とぼとぼカーヤの家に戻ると、外ではカーヤが待っていた。
「兄さん、また血まみれだね……」
「……ちょっと、色々あってね。久しぶりにヘトヘトだ」
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「お、おい!アンタ、戻ってきたって聞いたぜ?」
お風呂頂いて、なかなか乾かない髪と格闘し疲れた頃パンのオッサンが来た。
パン、忘れてたわ。
戦闘の途中でどっかに落としてきた。
思い出したらお腹すいてきたな。
「すまねぇ、アンタの大事なパン、使わずに済んだぜ」
「は?使う?なんだかよく分からんが、……俺はてっきり、そのまま村を去るんじゃないかなって思ってたから、餞別がわりに持ってけって意味で渡したんだが…………?」
……
…………
武器じゃなくて食糧だったんかい!?
…どうやら、すこし冷静さが欠けていたようだ。
「あと、これは家内から」
と言って、バスケットごと渡してきた。
まさか……
考えちゃいけないような気がしてたが、恐る恐る覗いたら、香ばしい香りに包まれた。
硬さはオリガミ付きの。
「おぅ……ありがとよ」
「あいつの硬いパンを普通に食べてくれる人が居たなんて教えたら、張り切っちまってよ。貰ってくれ!」
やはり武器じゃないのか?
「ま……まぁ、アンタは武器持ってないみたいだったし、なんかの役に立てたらな〜って思ったのも嘘じゃねぇけどよ」
「オレは、武器が苦手なだけさ」
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ひと休みして次の日の早朝、天気がいいので延びをしていると、
「ねぇ、もう行っちゃうの?」
「ん?」
カーヤが、俺の服を摘んできた。
「もうちよっと、居てもらいたいなーって……思って」
最後の方は声が小さかった。
俯きながら服を掴んだ手を握りしめている。
しゃーねーな……
カーヤの頭を優しくなでてやる。
「少し王都に用事が出来たんでね、ちょっとそっち行ってくるわ。」
「王都……?」
「ああ、捜し物してくる。カーヤ、コレやるよ」
言って、耳にしていたイヤリングの片方をくれてやる。
「ちょっとしたお守りだ。また……その、ここにきたら、よろしくな?」
「うん!いってらっしゃい」
オレは王都に向けて歩き出した。
ありがとうございます。
次回11/1の予定です。
別の子視点です




