はじめてのたたかい
リマジハの街 ギルド内
「まずはスライム退治でもしてもらおうかい」
「マジか」
「ああ。冒険者は皆スライムを倒して大きくなっていくもんさ」
「マジで」
「スライムは最弱のモンスターだけど、油断は禁物だよ。恐ろしい魔物である事には変わらないからね」
「よし。あんた達四人にはスライムを10匹倒してきてもらおうか。報酬は500ゴールド」
「ショボっ」
「うるさいね。スライム10匹程度これでも高いぐらいだよ。パーティを組んで初めての依頼だから報酬も高めに出すが本当ならこの十分の一だからね。分かったらさっさと行っといで」
「スライムか。まあ小さな依頼からコツコツこなしていかないとな。それじゃギル婆、行ってくる」
「シャルテ達は慣れとるかもしれんがヤミヒコは初めてだからな。よく戦い方を教えてやりな」
「はい。それでは」
俺達はギルドを出た
「スライムなら街を出たらそこら中にいるからな。10匹ぐらいすぐに倒せるだろう」
「しかし500ゴールドじゃ今日の宿代で精一杯ね……しばらく貧乏暮しだわ……全く誰のせいで」
「ウヒヒ」
「なに笑ってんのよコラーー!!!」
「リッカさん落ち着いて! ……それにしてもヤミヒコさん、凄かったですね。クラス適性のこと」
「ああ。私も耳を疑ったな……素晴らしい才能の持ち主だ」
「照れる」
「こんなんがねぇ……」
ハパラ平原
ガサガサっ
「「キシャアアア!!!」」
スライムが2ひき あらわれた!
「む!早速スライム出現か!ヤミヒコ、まずは私が戦闘のテクニックを見せるから下がっていてくれ!」
シャルテが前進し、剣を構える。
「まずは相手との距離を保ち、出方を伺うんだ。スライムは単純だから人間を見るとすぐに体当たりを仕掛けてくる」
スライムの1匹がシャルテに向かって突撃してきた。
「グガアアアアアッ」
ピョイーン
「そこをこうだ!!」
ザンッ……
「グガハッ……!」
スライムはシャルテの剣により両断された。短く呻くと、その体が光に包まれ、なにか石の形に変化し地面に落ちる。
「魔物とは魔王が物質に邪悪な魔力を与え生物に変化させたもの。十分なダメージを与えるとこうして元の形に戻るんだ」
ジャリ……
シャルテはスラ石を手に入れた!
「スライムを十匹倒せと言うことは、このスラ石を十個集めてギルドに持っていけ、と言うことさ」
「マジか」
「ああ。というわけでヤミヒコ、残りのスライム……倒してみるか?パンチでもキックでも一発入れられれば倒せると思うが」
「押忍」
俺は仲間を倒され怯えきったスライムを見下し、構えをとる。
ザッ
「かかって来い……雑魚が…………ッッッ」
「ギッ!?キ……キキ……キシャアアアアアアアアアアアアアアッッッッツ!!!!!」
次回、窮鼠猫を噛む……!?
危うしヤミヒコ……!!