序章
朝、目覚めると、そこは謎の世界だった。
「マジか」
しばらくボーッとしていると、茂みから3人の妙な格好をした奴らが現れた。よく見ると3人とも女子のようだ。
「見慣れない格好だな……漂流者か?」
「……」
「なんでこんな所に一人でいるのよ?」
「……オレは……」
「2人とも、いきなり質問攻めは失礼ですよ」
「オレは……誰だ……」
「ここは……どこだ……」
「誰だ……キサマらは……」
「な……キサマらって……失礼ねコイツ……」
「まあまあ。おそらく漂流のショックで混乱状態にあるのだろう。そうだな。私達から自己紹介すべきだ。私はシャルテ。見習い剣士だ」
「ふん。……私はリッカ。魔法使いよ。見習いだけど」
「ホーリです。見習い僧侶です」
「ここは……オレのいた世界では無い……?」
「ああ。おそらくは。私達の住むこの世界と違う世界の人間が何らかの方法によりここにやって来る事があると言う。キミがそうなのだろう」
「思いだした……」
「……オレは……中二の二学期だ……」
「は?」
「そしてオレの名は……伊集院 闇彦」
「イジュウイン・ヤミヒコぉ? 変な名前ねぇ」
「リッカさん! 失礼ですよ!」
「とにかく……ヤミヒコで良いか? 会っていきなりこんな話をするのもなんなんだが……私達は見ての通り冒険者なんだ。しかしまともな冒険者として活動するには4人以上のパーティを組まなくてはならない」
「でも私達みたいな子供と一緒に組んでくれる冒険者の人はいないんですよ……」
「うむ。だからヤミヒコ。私達と一緒に冒険者として組んでくれないだろうか?」
「アンタが何者か知らないけどどうせ行くあても無いんでしょ?このままじゃアンタここで野垂死によ?」
「やる」
「そ……即答だな。私達とパーティを組んでくれると言うのか?ありがとうヤミヒコ」
「ノリで」
「色々と大変な事もあると思いますが……よろしくお願いしますね。ヤミヒコさん」
「冒険者として名を揚げ……ゆくゆくはこの世界を支配してみせる……」
「な……なんか大丈夫かしらコイツ……」
こうして、俺の冒険の旅が始まった……!