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36 母と娘

 巨大な黒竜山脈中の高原。

 起伏の激しい地形。

 その一角、小さな谷の中に色とりどりの芸術的な家が見える。

 一行が見下ろす位置から、谷あいに集落があるのだ。

「あれが『奇跡の里』か、景色も何もかもきれいではあるが……ちょっと存在に無理があるな、たしかに、『奇跡』だ」

「通常、このような場所に村落を形成することは不可能です。食料が自給できません」

「オカルトでどうにかしてるんだろう。テレポートのルートもあるから」

 フロールと涼子の会話。

「とにかく行ってみようぜ。ぼんやり待ってても始まらない」

 一行は山を下り、高原に降りる。

(ハイエルフ領の邸宅にちょっと似てるクマ)

 遠くに見える建物群を見て、翔一はそう思った。

 古いが非常にしっかりしたつくりの階段があり、集落まで続く。

 白い半透明の石が敷かれ、歩くだけでも楽しい気分になる。

 ふと見ると、谷を見下ろすポイントに、ハイエルフの幽霊たちが何となく座っているのを見た。

 彼らは翔一たちに気が付くこともなく、美しい景色を見つめている。

 ゆっくりと降りていく。

 高原の草と美しい階段。灌木、咲き乱れる花。

 本当に清浄な空気だった。

「う、ぐぐ、俺をしまってくれないか」

 グロウギルが苦しんでいる。翔一は邪魔なのでポケットに放り込んだ。

 集落に入る。


 思った以上に破損が進んでいるようだった。人のいる気配はない。

「あ、ここ見たことあるわ……」

 ダナが驚きの表情。

 建物は芸術的で美しい物ばかりだったが、明らかに暴力によって破壊された痕跡があった。

「戦争でもあったように見えるクマ。死骸とかはないみたいクマ」

「そういうものは動物が食ってしまうだろ。外にある場合は残らないだろうな」

 フロールが何かを調べながら述べた。

 ダナはキョロキョロしているが、はっと気が付くと、建物の陰に隠れる。

「どうしたクマ」

「いるわ、凄く巨大なものが」

 ダナが指さす。

「うーん、何もいないようだが」

 フロールはスコープを望遠にするが綺麗な山があるだけだった。

 翔一も目を凝らす肉眼では見えない。霊視したら、何かぼんやりと巨大な霊魂のようなものが谷を覆っていることに気が付いた。

「確かに何かいると思うクマ、でも悪意はないと思うクマ」

「でも、怖いわ、どう見てもドラゴンよ」

「ドラゴン!」

 フロールの声。

「大声出さないで」

 ダナが非難する。

 精霊界を覗く。

「あれはアストラル界の大物だ。俺たちとは少しベクトルが違うが、巨大な存在なのは間違いない」

 ダーク翔一はそう答える。

「悪意はあると思うクマ?」

「さあな、あったら今頃とんでもないことになっている。ダナがハイエルフだから何もしてこないんだと思うぞ」

「ガーディアン的な何かクマ?」

「そうだろうな。そう思う」

 翔一はダナに話しかける。

「あれはガーディアンだと思う。ハイエルフのダナならあれと交渉することができると思うクマ」

「しかし、怖いわ。あんなに大きくて……」

 強気のダナと思えないほど怯えている。

 震える手をモフっと優しく握る。

「僕が一緒に行くクマ。怖がってはいけないクマ」

「……うん」

 翔一とダナは手をつないで、ドラゴンの元に歩いていく。

 ダナは、やはり、怖いらしく、翔一の後ろに隠れるようにして二の腕の毛皮を掴む。

 ゆっくり近づく。

「すごく、綺麗なドラゴンだわ。大きくて怖いけど……」

 徐々にダナの恐怖は薄れていく。

 毛皮を掴む力が優しくなっていった。

 ダナは突然エルフ語で話し始める。

 翔一には何かの返事が聞こえたが、意味は分からない。

 ダナが誰かと話しているのだ。

 暫くして。

「魔神が魔王軍を遣わして、この村を破壊したそうよ。ドラゴンは最後の守りとして戦ったけど、肉体は滅んだんだって。でも、霊魂だけは残って村を守っている」

 突然、ブワっと霊魂は消え去った。

 霊魂が去ると、目の前に小さな宮殿が現れる。

 黄金の屋根、白い壁。

「行きましょう。あの中に何かがあるわ」

 

 二人は光り輝く宮殿に入っていく。

 美しくはあるが、そこは廃墟ではあった。壁や窓ガラスが、一部破壊されている。

 しかし、輝きが満ちあふれ、見る物すべてが美しい。

 翔一にはハイエルフの幽霊たちがにこやかに談笑しながらそこかしこにたたずんでいるのを見た。

 ダナが近づくと、彼らは優雅にあいさつをする。

「ハイエルフの幽霊たちが、お姫様ごきげんようっていってるクマ」

「ええ、そうなの? 私には何も見えないけど」

 宮殿の広間の奥にシンプルだが美しい王座がある。

 そして、その王座に一人の女性が座っていた。

 銀色の長い髪、高貴で美しい顔、長い手足。白いシンプルなドレス。

 圧倒的な、女王としての風格。

 そして、魂は老いている。

 ハイエルフの女王だろうか。光り輝く王冠とブローチ。

(ありがとう、勇者様。私の娘を連れてきてくれて)

「勇者?!」

 翔一の目が丸くなる、幽霊は翔一に話しかけたのだ。

 幽霊はダナを見る。

(ほんとに可愛い私の娘)

 彼女は玉座を降りると、ダナを優しく包む。

「なんだか、わからないけど、とっても穏やかな気分になるの」

 ダナの目から涙がこぼれていく。

 膝まづき、ダナを抱きしめる女王。

 精霊界を覗く。

「ダーク君、ダナちゃんに幽体を見せる術をかけてほしいクマ!」

「難しいぞ、魔術体系の違う術者でしかも非常に強力だ」

「やるだけやってほしいクマ!」

「わかった」

 キョロキョロするダナに話しかける。

「ダナちゃん、僕の宿精が術をかけるからなるべく抵抗しないでほしいクマ」

「うん」

 術をかけるというが、実際は幽霊を視認できる能力を付与する精霊を憑依させるのだ。

 精霊はダナに張り付こうとするが、彼女の輝くオーラのため近寄ることすらできない。

 ダナの魔力の前には全く歯が立たないのだ。

「無理だ……こんなに強い存在は初めてだ」

(いいのよ、この子と会えただけで満足)

 ハイエルフの女王は涙を流しながら笑顔を向ける。

 彼女は精霊術に気が付いていたのだ。

「そうだ、お前が依代になれ、一瞬だけダナの支配下に入るんだ。そうしたら、彼女はお前の視点で女王を見れるぞ」

 翔一は大急ぎでお守りの類を捨て、入れ墨の精霊を追い出す。

「ダナちゃん、僕を支配して、一瞬でいいから」

 ダナは即座に理解したのだろう、従属生命を支配する術を翔一にかける。

 翔一は一瞬、魂をわしづかみにされたような感覚になり、ダナの魔力にぐっと魂を呪縛された。これは長時間できるものではない、翔一も非常に強力な魔力存在だったからだ。

 魔力の全力行為といえた。

 ダナの目に少女を抱く高貴な女性の姿が見える。

「お、お母さん!」

 翔一の目を通してダナはエルフの女王を見た。

 母と娘は抱き合う。

(何百年も待った甲斐がありました! 私の娘、可愛い娘)

 光り輝く涙を幽霊は落とす。

 光の中で魂が輝いた。

 普通の肉眼でも、女王の姿が一瞬見えた。

 何かの奇跡だったのかもしれない。

 翔一の目からも涙があふれていた。

 女王の姿は消えダナの魔術支配は終わる。

 ダナがくたっと倒れた

 慌てて、ダナをそっと横たえる。

(勇者よ、ありがとう)

 姿は消えたが、女王の思念が伝わってくる。

「でも、ダナちゃんの呪詛は消えていないクマ。ハイエルフの秘儀を教えてほしいクマ」

(その子の呪詛は魔神の呪詛。魔王はその手先。簡単には消えません。でも、彼女が私の元に帰れば因果がずれて呪詛は消え去ります)

「帰る、しかし、あなたは大昔の人で……」

(勇者様は『時渡りの秘術』をお持ちです。それを使えば……)

(『時渡りの秘術』……あ!)

 翔一はハイエルフ領で拾った白紙の巻物を突然思い出す。

 慌てて取り出すと、輝きを放ち、何かの術が描かれる。

「こ、これを使えば」

(そうです、しかし、それを使える術者は限られています。ただし、この世界の『ハイエルフのダナ』はそれを使えません、それを忘れないで。非常に強力な術者、それを探すのです)

「わかったクマ、絶対見つけるクマ」

(ありがとう、ありがとう、本当に……)


 女王の思念は消えた。ダナは幸福そうに眠っている。

「い、今のは何だったんだ。ダナの母親?」

 フロールが涙声だ。ハンカチが必要なのかわからないが、スコープの下を拭いている。

 フロールと涼子が入り口に立っていた。

「フロールさんにも見えたクマ?」

「ああ、何だったんだ。凄く優しい気持ちになったぞ。母と娘の再会って感じだった。俺の白い心が更に白くなった気分だ」

「……フロールさんの汚い濁ったオーラも少しは綺麗になったかもしれないクマ」

 翔一は霊視する。

「?」

 フロールのオーラは特に変化なく黒くて汚かった。

「あ、やっぱりまだチャバネ色クマ……」

 ふと見ると、涼子がぽろぽろと涙を流していた。

「涼子さんも泣いているクマ、感情があるクマ」

「ノイズだと思います」

 涼子は否定したが、翔一はうれしかった。


 宮殿での一幕の後、一行は宮殿を出る。

「せっかくだらか少し探索してからこの里を去ろうぜ」

「しかし、ここはダナちゃんの故郷。あまり色々持って帰るのも……」

「いいのよ、別に、物に価値なんてないわ」

 ダナは小さくつぶやく。

「偉大なハイエルフは消え去って、俗物野郎しかいない。この村の宝も放置したら悪用しかされないんだぞ」

 俗物野郎の範疇にフロールが入ってしまうことはあえて指摘しない翔一だった。

 しかし、簡単に探索した結果でも、ほとんど高価な財宝というものはなかった。

「フム、魔王軍に破壊されたというなら、そいつらが持って行ったか……」

「イスカニア帝国のハイエルフ領の人たちは生き残りだから、あの人たちの先祖が持って帰ったクマでは?」

「それはありそうだな、すでに現金になっている。探索は打ち切りだな」

 しかし、村の探索は意味があった、翔一たちが出てきたような魔法陣を幾つか発見したのだ。

「新しいのが三つあるな」

「一つには『下の村に行く者は、外界の者に注意を怠らないこと』って書いてあるわ」

「ということは、この魔法陣はグロウギルの略奪した村へ行けるということか。行っても意味はなさそうだ」

「向こうの魔法陣が壊れているから動かないわよ」

 ダナの指摘。

「あと二つはどうだ」

「うーん、動くけど……行き先がわからないの。昔住んでいた人たちには常識だったのかもしれないわ。わざわざ書いてないのよ。それに『鍵』付きの部屋にあったから、誰でも使えるものじゃないわ、特別な所に行くものなのよ」

 魔法陣の部屋にはダナが操作しないと開かない扉があった。

「ダナがお姫様だから扉は開いたのだろう。そういう生体認証なんだよ」

「魔法だと思いますクマだけど……王族だから使えるルートだというのは、僕もそう思いますクマ」

「結局、ではどうするかだな。この村でぼんやりしてる訳にもいかない。来た道の魔法陣はイスカニアに出るだけだから、南に帰れない。新しい魔法陣で一か八かだな」

「単にボケーと待っているだけで、その内、警戒緩むクマでは?」

「あの事件は俺たちが犯人ということになってる可能性もあるぞ、いきなり消えたからな。少なくとも重要参考人だ。実際、事実を知っている。人相書きが各地に張られて、いつまでも追われる筈だ。特にお前は皇帝が探しているだろう。現実に宰相を殺害したのはお前だ。皇帝がいくらお前に同情したとしても、大勢の人間がお前が犯人といい張ると皇帝も流される。皇帝陛下と仲良しでいられる可能性はもうなくなったんだ。大勢の死人と共に」

「……」

「タマゴちゃん、ちょっといい過ぎよ」

「事実だ。翔一は甘すぎるからな。いい奴は悪人が利用する。素晴らしい時間はすぐ終わる。だから大事なんだよ」

「イスカニアのことはもう忘れるクマ」

「いつか楽しく話すこともできるだろう。その時を待て」

 翔一のしょんぼりした雰囲気を察して、フロールもばつが悪くなったようだ。

「……やっぱりその辺にいる幽霊さんに話聞くしかないクマ」

「できるんなら、最初から聞けよ!」

 ダーク翔一がふらふらしているハイエルフの幽霊たちから聞いた結果、

「一つはシンシアに行くクマ。もう一つはガルディアに行くクマ」

「シンシアってまだまともな雰囲気よね、ガルディアは……」

 ガルディアは過去に因縁もあるので全員微妙な顔をする。

「シンシアは魔術女王がいる……噂を総合するに、かなりまともな方だな、モラル的に」

「魔術女王さんに『時渡りの秘術』をお願いしたらいいと思うクマ!」

「うーん、どうも気になるんだが、過去にいる女王にダナを返すとして、時間改変になるよな、たぶん。まともな術者ほどやってくれないんじゃないか。呪詛を解くためだといっても、首を縦に振らないような気がする」

「……でも、それは聞いてみないとわからないクマ」

「もう一つあるぞ、国家元首が時間改変なんて麻薬みたいなものを知ったら、何をするか。核兵器の存在知った権力者みたいになるんじゃないか。俺はやめた方がいいと思う。いくらいい人でも、過去の悲劇を止める誘惑に勝てるか? 濫用し始めたら、本当に収拾がつかなくなるし、それを知った個人を殺す可能性がある。持ってきた俺たちを殺して奪って国家の財産にするんじゃないか」

「……確かに……核兵器を思うと、それはあるかもしれないクマ」

 翔一も腕を組んで考える。『時渡りの秘術』は世界を変える恐ろしい術なのだ。

 涼子がこっそり、核兵器のことをダナに教えている。

「この術は在野で世界に興味がないような人か、自力でやるしかないぞ」

「自力だといつできるようになるかわからないクマ」

「とりあえず、子熊村に近いという観点ならガルディアか」

 ここで意見は停滞する。

「私を過去に返すっていってるけど、お母さんはいつの人かわかってるの?」

「ダナちゃんは心当たりあるクマ?」

「たぶん、あのブローチに王冠だから、三百五十年ほど前のヘルメール王朝時代だと思うけど……ちらっと見ただけだから」

 ダナは感極まりながらも、頭は働いているのだ。ブローチと王冠は雪の結晶と星を重ねたような紋章である。

「僕は綺麗な人だと思っただけクマ」

「ボケーっとしてるから大事なことを見逃すんだぞ。俺を見習え、鋼のような集中力をな。尚、録画記録がある、一瞬姿が実際に見えたんだ」

「え、本当、タマゴちゃん見せて!」

 フロールが腹からタッチモニターを出して写った瞬間の映像を見せる。

 かなり鮮明で、絵画のような美しいシーンだった。

「綺麗クマー!」

「ありがとう、タマゴちゃん」

 思わず、チュッと口づけするダナだった。

「え、ああ、え?」

 フロールは非常に動揺して、全体的に赤とピンクのLED光が点滅する。

「フロールさん、赤くなってるクマ」

「そ、そんなことないぞ」

 翔一はモニターを操作して、ブローチと王冠を拡大する。

「これは間違いないわ。ヘルメール女王よ。紋章は王ごとにその人を現す意匠に変わるの」

 翔一はグロウギルを出す。

 彼にも見せて裏を取る。

「ヒヒ、確かにヘルメール女王だ。彼女の治世の後、三人の王が続いて『奇跡の里』は滅亡する。魔王軍に襲われてな」

「ヘルメールさんはいつ亡くなったクマ」

「か、彼女は己の仕事をやり切ったのち、神界に赴いた。ここの幽霊は残留思念だろう。人間的にいえば死んだのに近い状態だ。お前らの見方ならな。……女王はだいたい三百年前に地位を降りたはずだ」

 グロウギルは蘊蓄を垂れるが、ダナの冷たい視線に気が付いて目を背ける。

 翔一は問題が起きる前に彼をしまう。

「大体、目途は立ったクマ。でも、どこに向かうかだけど……」

「シンシアはパス。どうしてもほかに手段がない時だけだ」

「ガルディアは私たちを未だに追ってるかしら……」

「流石にほとぼり冷めてるだろう。何かおまえらのオカルトパワーで変装とかできないのか?」

「あ、私そういう魔術知ってる。変装って術。種族変えるだけならかなり簡単よ」

「じゃあ、それで行くぞ、念のためだ」

「イスカニアの関所もその魔術でどうにかできないクマ?」

「役人が魔法使って調べたらすぐにばれるわ。そんなに強力な術じゃないのよ。必死に私たちを探してる国で使うのは怖いわ」

「ガルディアなら、ほとぼり冷めて、油断してるだろ」

 ガルディアに行く前に、変装魔術をかける。

 ダナは人間の少女に。涼子はどこにでもいるイスカニア系移民の女。フロールはドワーフに。翔一は…。

「僕は人間形になるクマ」

 といって、人間の姿になった。

「……クマちゃんの方がいい!」

 ダナ、翔一の人間形態全否定。

「そういわれても……」

「俺も一票。原型はなんか冴えん奴だからなぁ」

「しみじみいわないでください」

「クマさんの方が可愛いですね」

 涼子まで感想を述べる。

「いいんですよ、どうせ僕なんか、背の低いしょぼい冴えない男なんです」

 いじける翔一だった。

「本当のことを思うとつらいだけだぞ」

 フロールがポムっとゴムまり手で翔一の肩を叩く。

「それ、全くフォローになってませんから」

「待っていても仕方がない。ガルディアを抜けて、一度オークのおばちゃん祈祷師のところに行こう。そこでアドバイスを貰うってのはどうだ」

「そうですね、それがいいと思いますよ」


 話が決まったので、全員その魔法陣に移動する。

 尚、乗用狼たちは翔一が鎮静精霊を使いつつ透明の道を歩かせて回収する。山羊はそれでも頑固に来なかったので、荷物だけ回収して野に放った。

 魔法陣には狼たちも乗る。

「人間形の翔一さんも素敵ですよ」

 涼子がこっそりつぶやく。

「え? ありがとう」

 思わずニヤリと笑う翔一だった。

 ダナが壁に書かれたコマンドワードを唱えると、一行はふっと消えた。




2020/7/4 2022/8/18 微修正

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