18 人さらい
雨が降っている。
毛皮が濡れている。
「起きろ! 馬鹿野郎!」
誰かの声がする。
体が、全身が動かない。麻痺している。
(……崖から落ちた?)
目だけ動かすと、がれ場のような場所だった。いかにも崖の下である。
「ダナ?」
翔一は声を出すが返事はない。
(ダナが一人で……助けに行かないと。攫われたに違いない)
翔一は必死に起き上がろうとするが、体は全身が砕けている。
動くことはできなかった。
(このまま直してもダメだ。骨が砕け切っている)
巨獣化すれば、全身の骨が組み直されて正常に戻る。再生もされるだろう。
翔一は赤い精霊を呼ぶことにした。
「やっと起きたか、赤い精霊を喰え」
宿精のダーク翔一が翔一の口に赤い精霊を押し込む。
「ぐああああああああ!」
負傷を治しながら巨獣化するのは激痛の伴う行為だった。
意識を失いそうになりながらも、ダナを助ける。
それだけを念じて耐えた。
「よくやった、翔一。骨折は治ったぞ。普通の怪我で死ぬなんてお前にはないんだ」
「ハァハァハァハァ」
あまりの苦痛に翔一はすぐに元の小さな体に戻った。
動けるようになったが、消耗が激しすぎる。
「敵を追うぞ、ダナが連れ去られてしまう」
「僕はどれだけ寝ていたクマ?」
「精霊界の俺にいうな。ここは時間の概念がない」
空はどんより曇り、黒い。
しとしと雨が降っているのだ。匂いも消えてしまう。
「雨の所為で匂いも消えてしまった。どうしたらいいクマ」
「ダナはお前の祚物を持っている。お前と深い因果にあるのだ」
「そうか、魔力の痕跡を追えば……」
翔一は霊視を使う。
転落した崖の上に微かに魔力の痕跡を認識した。
翔一はそれに気が付くとすぐに若干大型化して、四つ足で走る。
左手に崖が途切れてスロープになっている。そこから崖の上に戻れるだろう。
脱力はあったが、怒りと焦燥でそれどころではなかった。森を抜けると、崖の上に出る。
岩の上には飲みかけの紅茶が入った瓶が転がっている。
誰かが出てきたと思われる茂みに入るが、足跡は雨のために消えていた。
「敵はどうやったと思うクマ」
「無音と透明を使ったんじゃないか。魔道魔法だ。強力だが、長時間使えるものじゃない」
翔一はダナがそのような魔法があるとを教えてくれたことを思い出す。自分の魔術とは違う術なので、あまり気には止めていなかったが、このように使われたらなすすべがないと思った。
(においは……そうだ、敵の位置は風下だったクマ)
嗅覚にも自信はあったが、敵はそれも読んでいたようだ。自分の甘さに怒りが湧く。
霊視したが、敵の魔法の影響だろうか、魔力の痕跡が多すぎて逆にわからない。
翔一は途方に暮れそうになった。
「妖術を使えば追えないこともないぞ」
「そ、そんな術……でも、仕方がないクマ。どうしたらいい?」
「ダナの持ち物はないか」
ダナがパンを食べた時に使ったハンカチが落ちていた。
手に取ると、濡れそぼっている。
「聖別儀式を行え、血で魔法陣を描いて、悪霊を呼ぶんだ」
翔一は指示通りに魔法陣を描いて、ハンカチを置き、悪霊を呼ぶ、精霊界を覗くとぞっとするような姿の霊がやってくるのが見える。
「……」
悪霊は現世に姿を見せる。現れても何もいわないが、怒りに満ちた目で見てくる。
「このハンカチの持ち主を追うクマ」
悪霊はハンカチを手に取ると、舐める。
ぞっとするような雰囲気だったが、悪霊は一定の方向に進み始めた。
翔一はこの霊の行き先に確証が持てなかったので、霊視も併用する事にする。
暫く行くと、微かな精霊たちの痕跡を発見することができた。
翔一はほっとした、このままいけばいつか追いつける。
「油断するな、追跡を恐れて待ち伏せしてるかもしれんぞ」
翔一はうなずく。
精霊ポケットを見ると、武器は聖剣しかなかった。
うっそうとしたこの森は長剣をふるうには少し狭すぎる。
武器が欲しかったが、これといったものがない。巨大化すれば目立つので敵に接近を教えるようなものだ。
「結局、これしかないクマ」
翔一は頭部がタコになっている邪神像を取り出す。
使い方によっては小ぶりのメイスともいえるだろう。
「おい、お前は神々への敬意がないのか。罰当たりのフロールみたいな真似はやめろ」
「今は非常時で仕方がないクマ」
「というか、いい加減、あの罰当たりからもう一つの神像も取り返せ」
「タコさん像以外いらないクマ」
悪霊はふらふらと追い続ける。
気が付くと森は闇に包まれ始めている。
(まずいクマ)
とは思ったが、翔一は人間より闇に強いので、その点は問題なかった。しかし、よく見えるわけではない。
霊視を併用しておけば、普通の生命反応や魂は見えるので、追跡に支障はなかった。
翔一はふと腹が減っていることに気が付く。
肉体の激しい破壊を回復させたのだ。翔一は活力の源が食事だけではないことは気が付いていたが、今は極度な空腹に陥っている。
さっと、ウサギを捕らえる。
暴れる体をいきなり噛みついて止める。血と肉が口に広がる。不思議と、普段感じる生臭さはなく旨かった。
腹を食い破って、概ねを喰ったら捨てる。
忍び足で動き、ウサギやリスを捕らえては、食べながら移動する。
(ダナちゃんやほかの人間にも見せられない姿……クマ)
自分の顔は見えないが、今は血塗れの恐ろしい姿なのは想像に難くない。
やがて、完全に闇に沈んでしまった。雨が弱く降っている。月もなく、寒い。
微かな匂いがする。
人間の匂いだ。
敵はどうやってかは知らないが、臭いもかなり消している。足跡も全くない。
しかし、翔一にははっきりわかった。霊視でオーラが見えるのだ。二人の人間が非常に高度な隠密で待ち伏せしている。
(普通の人間より、小柄、クマ)
翔一は隠密精霊を呼んで纏い、体毛を逆立てて無音移動する。
ダーク翔一に頼み、悪霊はしばらく待ってもらう。
状況を見て、奥の敵から倒し、手前を次に倒すと考え、ぐるっと回りこむ。
(雨でおおむね流れたけど、今の僕は血なまぐさいクマ。風下から……)
敵と同じ方法で裏をかこうと考えた。
ゆっくり歩く。一切音を立てない。
やわらかい羽毛のような毛皮が何かを捉える、微かに異常を感じたのだ。
(ワイヤー!)
罠か何かだろう、慎重に迂回していく。
ワイヤーの先には一人の小柄な人物が潜んでいた。フードを被り正体はわからない。
翔一はそっと背後から近寄り、左手で口をふさぐ。
怒りが籠っていた。少女を誘拐するような奴らだ、しかも、相当な手練れなのだ。
右手に持った神像で男の右肩を一度強打する。
男は苦痛の余り気絶して動かなくなった。
音にはかなり気を使ったが、それでも、ほんの少しかすかな物音がした。もう一人は何かを感じたのか、微かに動いている。
「え?」
ダーク翔一の驚く声が聞こえる。
翔一は気にする間もなく、もう一度隠密精霊を呼び、密かに接近する。
(肉体的に強くはないクマ)
最初の一人を倒した感想である。
見える位置まで行くと、同じような黒装束。キョロキョロしているが動く気配はなかった。
翔一は完全に背後に近寄ると、神像をそいつの肩に振り下ろす。
当たる寸前に気が付かれたが、すでに遅く、黒装束の体に金属の塊がめり込んでいた。
「ぐぅ!」
男の声。彼は悶絶して気絶した。
気絶はさせたが、そこで翔一は迷った。
(暴力で自白させるか。でも、凄く根性があって頑張られたら時間を失うクマ。置いていくと、後ろから襲われる可能性が……しかし、殺すのも……)
「睡眠精霊でも貼り付けておけば大人しくなるぞ」
ダーク翔一の助言。
「わかったクマ。そうだ、さっき倒した奴にも……」
「さっき倒した奴、もう死んだぞ、しかも、一瞬で霊が冥府に跳んだ。びっくりした」
「殺していないと思うクマ」
「何かの魔術だ。捕虜になるくらいなら死ぬ様な術でもやってたんじゃないか」
「死後のことまで尋問対策してるクマ?」
「邪神の信徒とかじゃないか、そんな奴もいるのかもしれない」
翔一は敵の体を探って武器や魔術物品を回収しておく。
死亡した奴も装備は同じだった。
「こいつらは生粋の隠密だな。透明・消音の護符。その香水みたいなのが匂い消しだろう」
その香水みたいなものは、ラベルに『錬金術の匂い消し』と書かれていた。市販品のようである。
「しかし、多少だけど、匂いがしたクマ」
「対人間用で、効果が弱いのかも」
自分に振りかけてみる。
確かににおいは減ったが、全部ではなかった。しかし、これは役に立つもののようだ。
尚、二人目は死亡していない。
敵の顔は子供のようでもある。翔一は彼らが妖精小人という小人種族であることを聞いて知っていた。ホルス人ともいう。青剣城の城下街にもそれなりに居た。普通の住民として。
「ホルス人の冒険者か何かクマ。たぶん」
翔一はそう見切ると、悪霊を行動させる。
悪霊はふらふらと移動し、石造の建物まで案内してくれた。
(遺跡、上古人の遺跡だと思うクマ)
その遺跡は、深い森の中にある。
(山中の廃病院、廃業ホテル、そんな雰囲気クマ)
もちろん、そのようなものではないが、規模としてはそれに近いだろう。
闇の中で黒くそびえたつ。かなり大きな建物である。
入り口に近寄る。
微かに物音、焚火のはぜる音、人の話し声がする。
夜の山中はかなり寒いので、敵も焚火をせずにはいられなかったのだ。
中は相当荒らされた廃墟である。この付近の人間やその他諸々が山小屋として利用していた、そんな雰囲気がある。ゴミやら寝袋の残骸、獣の骨等々、長い年月の間に持ち込まれたものが堆積していた。
建物の一階はかなり広く、小さな部屋や仕切りもない。倉庫や大広間だったのかもしれない。
翔一は神像を握る。残骸が多く狭すぎるのだ。
複数人の声が聞こえる、翔一は悪霊の魔術を終わるように告げた。
「わかった」
ダーク翔一が術を止めると、声なき声を上げて悪霊は消えた。
(敵が悪霊に気が付いたら厄介クマ。それにしても何を話している)
翔一は耳を澄ましながら、非常に慎重に近寄る。
先ほどのワイヤーの件もあった。油断はできない。
「へへ、なかなかの美形じゃないか。ガキだけど」
「その手の趣味の奴に売ったら高く売れるぜ」
下卑た声が聞こえる。
「いや!」ダナの声!
「へへへへへ」
厭らしい笑い。五人くらいはいるようだ。
しくしく泣く声が聞こえる。ダナが泣いているのだ。
「鬱陶しいガキだぜ、泣くな!」
パーンと叩く音。ダナの頬を男が打ったのだ。
「おい、殺すなよ、値段が下がる」
翔一は怒りで巨獣になりそうだった。しかし、ここで巨大化したら自由に動けないだろう。
(落ち着け! ここは巨獣は不利だ。聖剣も狭すぎる)
「あの二人はいつ帰ってくる」
隠密二人のことだろう。
「待ち伏せ二人は未明まで帰ってこない予定だ」
「警戒しすぎじゃないか、変な生き物はがけから落ちて死んだんだろ?」
「村人が武装してやってくる可能性があるからな」
天井が低い。人間もぎりぎり直立できる高さしかない。翔一は気が付かなかったが、雨水の侵入で土砂が堆積し、床が高くなっていたのだ。建物一階部分が半分、土砂に没している。
ゆっくり近寄る。物陰は豊富にあった。堆積した汚物の悪臭の所為で鼻は効かない。見ると、十人居た。
彼らが集まっている場所は多少天井も高いようだ。
十人のうち、五人がリラックスして休息し、五人が小剣やナイフを抜いて警戒している。
見張りは無言で会話にも参加しない。
やはり、相当な手練れ集団だった。
(人間六人、ホルス人四人、武器は小さなものナイフ小剣手斧……やはり、突撃しなくて正しかったクマ、でもどうする?)
「翔一、妖術を使えば簡単だぞ」
精霊界からダーク翔一が話しかけてくる。
「どうするクマ」
「人間に見える奴のうち二人は半オークだ、簡単に魔術で支配できる。そして、雑魚を呼ぶ魔術で混乱を起こせば、乱闘で勝利できるだろう」
「雑魚を呼ぶ?」
「これを見ろ」
ダーク翔一の手には人間の指と思われるものがあった。
「これは半オークの指だ。これで一時的に使える魔物を呼べる。忠実なしもべだ。奴らと戦ってくれるだろう」
「不気味な魔術だけど仕方がないクマ」
翔一はあまり使いたくはなかったが、ダナを助けることが全てだった。
「では、まず、見張りをしている半オーク二人を支配する」
ダーク翔一が魔術を唱えると、無言の半オークはピクリとも動かなくなる。
「そして、魔物を呼ぶ」
ダーク翔一は地面に指を撒くと、呪文を唱える。
地面から、ゴブリンが五匹出現する。
石斧や槍を持っている。
翔一は魔力をかなり消耗した感じがあった。
「いいかおまえら、襲い掛かるまで一切声を立てるな。それと、エルフ以外は殺せ」
うなずくゴブリンたち。
「翔一、支配してる奴が攻撃開始したら、突撃しろ」
「わかったクマ」
突然、二人の見張りが立ち上がり、すたすたとリラックスしている連中に近寄る。
「おい、なんだ」
無表情に殺気もなく、突如、二人の男は二人の男を刺す。
「お、おい! 裏切りやがったぞ!」
そして、ゴブリンが無言で突撃を開始する。裏切り者に気を取られていた見張りは、ゴブリンに背後を突かれる形になった。
翔一も突撃をする。
無言で進み、
「エイ!」
うろたえている人間一人の後頭部をタコ像で破壊する。陥没する頭蓋骨。男は動かなくなる。
気絶したのかはっきりはしない。
翔一は敵の手斧を拾うと像を捨て、敵のリーダー格と思しき奴に突進する。
「チェストオオオオ!」
その禿げた男は翔一に気が付くと慌てて小剣で受ける。
しかし、翔一の渾身捨て身の一撃は受けでどうにかなるようなものではなかった。
斧が小剣に食い込み、砕き、顔面を叩き割る。
斧はそれなりの品だったらしく、それでも壊れない。
斧を引っこ抜き、背中に迫ってきた一人と戦う。
敵は相当な小剣の使い手だったが、翔一は体当たりのように飛んで斧を叩きつける。
男は翔一を少し刺したが、捨て身の攻撃を避けきれず倒れ込んだ。
翔一はそいつにしがみつくと、顔面に斧の柄を叩き込む。
男は鼻が陥没して絶命する。
翔一はこの戦いで初めて普通の人間を殺したのだが、その時は怒りと戦いの興奮で何も感じなかった。
見ると、ゴブリン軍団と見張り兵は互角だが、裏切り半オークは最後の人間の一人に殺されていた。
こいつも相当の手練れなのだ。この賊に未熟な奴はいなかった。
男は危機的状況に気が付き、迷わずダナを抱え人質にとる。
「近寄るな悪魔め」
血塗れの斧を持ち、じわじわ大型化していく翔一を見て、その男は剣をかざす。
「このガキがどうなってもいいのか!」
男は血塗れの剣をダナの首に当てた。
「放せ。降伏したら、生きて返してやってもいい!」
憤然と声を上げる翔一。
暫くにらみ合いになる。
不意を打たれた五対三のゴブリン対見張り兵はゴブリンの勝利に終わりつつある。
見張り兵は最初の不意打ちで負傷し、それから挽回できないようだ。
男はダナが最後の生命線だと知り、じりじりとダナを抱えて後退し、出口に向かう。
ダナの目が刃物を見て恐怖に震えている。
翔一は怒りが抑えられそうにない。じわじわ巨大化して、天井に頭がぶつかった。
「な、何だ、貴様、化け物!!!」
男の恐怖が伝わる。しかし、男はダナを放さない。
「少女を放せ。逃がしてやる。放せ!!!」
翔一が吼える。天井が振るえる。
「放したら殺すだろ! 諦めろ。この娘は俺が貰う」
男はしぶとい。
見ると、男の肘から血がしたたっている。戦闘で浅手を負ったのだ。
翔一はちらっと、精霊界のダーク翔一を見た。
「……ああ、わかった」
ダーク翔一は男の血液のしみた土を手に取ると、妖術を行使する。
「黒い呪縛!」
血液という深い因果を得たダーク翔一の妖術は、男を一瞬で無力化した。
「……!」
ピクリとも動かない。
翔一は爪で男の小剣をつまむと、ゆっくり外す。
震える少女を毛皮の腕にそっと持ち上げて、抱きしめる。
「ダナちゃん、大丈夫クマ!?」
ダナはぐったりしていた。
翔一が男から離れると、野蛮な武器を持ったゴブリンたちが滅多打ちにして殺してしまった。
冷たい目で無視をする翔一。
彼らは相当優秀だった分、許せない気持ちが強い。
高い実力を悪事に使っていたのだ。
ダナを調べると、祚物が全て取り外されている。翔一は霊視をする。どうやら斧で顔面を割った男の荷物に入っているようだ。それ以外にも、敵の装備にはいくつもマジックアイテムがある。
翔一はネックレスの束を回収すると、ダナにかける。
「あ、ありがとう、助けに来てくれると信じてたの」
ぽろぽろと涙を流すダナ。
ぎゅっと毛皮に抱きしめる翔一。
「休みたいところだけど、敵の援軍がないとも限らないクマ。すぐに移動するクマ」
うなずくダナ。
「ゴブリンたち、村まで僕たちを護衛してほしいクマ」
うなずくゴブリンたち。
「こいつら召喚ゴブリンは明日の朝まではもつ、朝になると消える」
ダーク翔一が説明してくれる。
翔一は像と敵の小型武器を拾い、彼らと村まで闇の森を移動することにした。
ダナは翔一の背中ですやすやと寝てしまう。
(高速移動は……敵に魔法使いがいたらばれるクマ)
そう考え、結局、歩いて村まで向かう。
途中、寝ている捕虜を拾い、ゴブリンに背負わせる。
彼が自白するかは不明だが、何かわかるかもしれない。
空が少し明るくなった頃、崖の下に村が見えた。
朝日が刺す。
ふと後ろで物音がするので見ると、ゴブリンたちが消えていく。
捕虜が無言で地に落ちた。それでも眠っている。睡眠精霊は張り付かせたままなのだ。
崖を大勢の人間が登る気配。
武器を持った村人とフロールの声が聞こえる。
「おーい、戻ったクマ。心配かけてごめんなさいクマ」
翔一がそう叫ぶと、
「おい、どこまで遊びに行ってたんだ!」
フロールが怒っている。
「ごめんなさいクマ。理由は説明するクマ」
「そいつは何者だ、それに、その荷物」
「それも説明するクマ」
村人たちは安どの声を上げる。
翔一は村に帰った。
わかりにくかった場面を、若干修正しました。
誤字脱字も修正しました。
内容にはほとんど変化ありません。




