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15 冒険者

 青剣城とのルートが確保され、南方の文明地域と繋がった。

 ちらほらと、行商人も来るようになる。

 おかげで、人々の生活は、多少潤うようになったが、不足しているものはきりがないほど多い。

 行商人を待っているだけではなく、子熊村からも馬にワゴンをつけて皮革や川で採取した宝石、鉱物、余剰食糧などを売りに行く。

 凄いものではないが、川の上流でわずかだが宝石が取れるのだ。

 カイというあまり目立たない村人が、異常に熱心に宝石採取を行っている。

 そのため、その仕事は彼の独壇場となっていた。

 城の城下町に行き、主に販売を行う。交易担当は主にジョシュ。

 ある日、フロールと翔一は護衛としてついていく。

 腕に覚えのある村人も、時折、護衛させているが今回は連れていかない。

 村人で組織する民兵の装備には、精霊が受祚されているので平均的な兵士より強い。この兵の強さが、村の交易を成功させており、村は徐々に豊かになっていた。

 青剣城にワゴンで行くには、途中必ず夜になるので、宿泊できる施設を途中に作る。

 キャンプ用の広場などである。

 すると、いつの間にかそこに数人の宿泊専門の店を経営する男が現れ、そこでもごく小さな村落を形成するようだった。

「城から一日の距離だから、村落作るにはいい場所かもな。守りが弱いのが難点だが」

 フロールは新しくできた宿屋を眺め、馬車を運転しながらつぶやく。

「城に行くのはいいけど、こんなもの必要クマ?」

 翔一は小さなお守りを首から下げている。

「この世界の奴らはオカルトやら何やらで、正体探るんだろ。お前の正体がばれない方がいい」

 翔一が首から下げているお守りには『認識妨害』というかなりレアな精霊が受祚されている。これがあれば、翔一が人獣であることはわからない。見た目が動物なのは隠しようがないが、魔法で「彼は人獣である」という反応が出ないのだ。

 この精霊は宿精のダーク翔一が連れてきた。

 お守りを手に取る。

「これがあれば多分、魔法の検知は阻害するクマ」

「お前は俺の魔法で知能が高くなった熊だ。知能が高い以上の性能はない。そういう設定だから覚えておけ」

「わかったクマ」


 城下町に入る。

 彼らは顔パスだ。翔一とフロールを知らない人間はこの付近にはいないのだ。

「一年で一気に人が増えたな。今一千くらいなのか?」

 フロールが街を見て問う。

「ええ、たぶん、そのくらいです」

 ジョシュが答える。

「凄い勢いで増えたな」

「荒野に出たら、そこら中に魔物がいますし、魔物災害で放棄された砦や家には手つかずの財宝。冒険者が凄い勢いで集まってるんです。たぶん、この街で一番繁盛してますよ、冒険者ギルドは」

 彼が指さす先には宿屋兼酒場があり、そこには酒を飲んで大騒ぎしている下品な連中が大勢いた。よくいえば、活気がある。

 その酒場がそのまま冒険者ギルドなのだ。

 この世界では一般的な形態らしい。

 ワゴン一杯積んできたものは飛ぶように売れる。一気に人口が増えて、物資は不足がちなのだ。財宝を手に入れて金を持っている人間が多いという需要もある。

 子熊村はそれだけでもかなり金の余裕のある村になっている。

「おい、あれを見ろよ」

 フロールが指す先には、魔法物品専門の店ができていた。

「面白そうクマクマ」

 翔一の目は好奇心で真ん丸になる。

 早速二人で入る。

「いらっしゃいませ、お? ああ、うわさは聞いてますよ、この辺りでは有名なクマタマコンビですよね」

 禿中年魔術師風の服を着た店主が出てくる。

「クマタマ? まあそういうことだ。ちょっと見に来たぜ」

「ええ、存分にご覧下さい。尚、買取もしております」

 二人は興味津々で見る。

 小さな店なので、それほどの量はないが、それでも翔一には面白くて仕方がなかった。

 フロールは金属のインゴットに魅かれている。

「店主、このインゴットは何だ」

「ええ、それは通の逸品ですよ。ミスリルとアダマンタイトです。もちろん、錬金術による合成品ですけどね。まあ、本物は伝説級のものですから……。イミテーションだとしても魔術の粋を集めて作ってあるんです、普通の鉄よりははるかに優れていますよ」

「ほう、具体的には?」

「硬度、強度、腐食耐性はもちろん上。魔術との親和性も高くて、魔法の武器にするのも簡単。当然、何もしない状態でも、魔力の品としての性能があります」

 フロールは値段を聞くが、非常に高価だ。手持ちでは買えない。

「買い取ってほしいクマ。魔法の長ナイフと、精霊の宿ったお守り、精霊の宿ったナイフ。それと、地獄の宝石二個」

「じ、地獄の宝石!? うわぁ、確かに凄い魔力感じますけど……これはちょっとうちでは扱いきれませんね。他は買い取れますよ。精霊関連は安くなりますが」

「宝石はいいけど精霊が安いのはどうしてクマ?」

「やはり、未開部族の品というイメージですかね、一番の理由は。性能も若干劣るという評判です。私の見解じゃないですけど、業界ではそう判断されて値が下がるんですよ、申し訳ありませんが」

 翔一は少し不満だったが、世間がそうなら仕方がないと思い、宝石以外を売る。それでも精霊物品は普通の品として売るよりは桁違いに高く売れた。

「フロールさんお金を使ってほしいクマ」

「いいんだぜ、ちょっと興味あっただけだから……でも、お前の好意受けておくわ、ありがとう」

 そういうと金を受け取ってミスリルとアダマンタイトのインゴットを各一個買う。結局、差し引きして若干おつりがある程度になった。


 店を出ると、ジョシュはまだ交易商と取引をしている。農業に必要な物を物色しているのだ。

「冒険者ギルド見てみようぜ。面白そうだ」

「大丈夫クマ? 乱暴そうな人が多いクマ」

「おまえより乱暴な生き物がいるか?」

「僕は必要な時以外は暴れないクマ」

「一応設定だけど、俺は大魔術師フロール。故合ってゴーレムに封印されてる。お前はさっきいったけど使い魔のクマ公」

「僕は、村では祈祷師と知られているクマ、その内、評判が伝わるクマだと思いますが」

「俺たちを狙う敵がいた時に、色々な情報があった方が敵をかく乱できる。お前の正体探った時に術者か剣士か単なる熊か、わからんとなれば、敵は対応し難いだろう」

「なるほどクマ」

 二人は特に迷いもなく入っていく。

 ぴたりとやむ喧噪。ざわざわと小声でしゃべる冒険者たち。

 騎士、剣士、魔法使い、僧侶、蛮人、小人種族、エルフもいる。二十人はいるだろう。

「初めて見るぜ、確かに異形だな」「子熊だけどあいつ結構やる感じだぜ」「タマゴも嫌なオーラあるな」

 彼らは経験を積んだ冒険者が多く、一般人の感想とは違う雰囲気だった。

「いらっしゃい……おう、あんたたちは有名人……というか有名人外だな。冒険者ギルドにどのような御用で?」

「俺たちも冒険者登録に来たんだ」

「じゃあ、この用紙に記入してください。それと、登録料は一銀貨。ギルドは街の災害救助には従う義務がありますから、街が魔物などに襲われたときは防衛義務ができます。普通の戦争なら拒否しますがね」

 主人はにやりと笑う。顔に大きな傷があり、彼は相当な古強者だと感じられた。

「名前と職業はいいけど、年齢と種族は不明だぞ」

「まあ、あんたがたはエルザ様のお墨付きだから、こちらとしても信用はその辺の奴よりあります、別に細かいことは気にしなくていいですよ」

「じゃあ、悪いがはっきりしないところは不明にさせてもらうぜ」

「職業はどう書けばいいクマ」

「おまえは使い魔。動物パワーで戦う熊さん。喋る、多少武器を使う、そんだけ」

「フロールさんはニートクマ?」

「村長だよ、子熊村のな。ちょっとは『尊重』しろ。お、決まったな」

 寒い駄洒落を飛ばして場の雰囲気を凍らせるフロールだった。

「じゃあ、クマクマっと、書きましたクマ」

 ギルドの主人は書類を受け取ると登録リストに綴じる。

「登録は済みました。最低ランクの仕事から受けてください」

「おいおい、雑魚がやるような仕事なんてやってられないぜ」

「上級の仕事やったらダメなんて規則はないですけど、相応のをやった方が身のためともいいますぜ。最初はつまらなくても地道なことからコツコツとですね……」

 突然、がやがやと大勢の人間がやってくる。

「おい、見ろよ、あの熊とタマゴみたいなの」

「だっせーな。冒険者のつもりかぁ?」

 若くてならず者雰囲気の男たちが数人、女を両脇に抱えて入ってくる。

 非常に酒臭い。

「凄い酒臭いクマ」

「お、喋ったぞこの熊! おい、もっと何か喋ってみろよ」

「弱い者いじめなんてやめなよ」

 女たちは面倒くさそうにいうが、男たちは無視してズイズイと迫ってくる。

 男たちは上半身裸で、かなり鍛えた肉体を見せつけている。体には入れ墨がある。翔一は興味惹かれて一瞬霊視する。

(剣は魔力がある、弱い。入れ墨は魔力がない、下半身のベザント皮鎧も魔力がないクマ)

 翔一は気が付かなかったが、冒険者たちは興味津々でこの騒ぎを見ていた。

 フロールが一部のLEDを赤く点滅させている。最近翔一は気が付いたが、フロールが本気で怒るときは無言になり、今のように赤いLEDを点滅させるのだ。

「フロールさん、殺してはダメクマ!」

 思わず、フロールの手を取る。

「こいつらはゴミだ」

「なんだとこら!! お前らみたいなチビに俺たちが負けるわけねぇだろ!」

「お客さん、喧嘩なら他所でやってくれよ」

 主人が面倒くさそうに声をかける。

「僕たちは人間は殺さないクマ」

「俺たちがおまえに殺されるってか? 頭に来たぜ! 表に出ろ、チビ助!」

 男たちはかなり頭に血が上っている。

「やめなよー可哀想じゃん」

 最近流れてきた売春婦たちだと思われる。クマタマコンビのことを知らない。

 冒険者たちは酒を飲みながらにやにやしている。

 他人の実力を測るチャンスなのだ。

「店で暴れるなら、あんたたちも同罪で、ギルドからは追放しますよ」

 親爺が冷たくいい放つ。

「それなら仕方がないクマ……」

 肩を落として、トボトボと外に出る。

 翔一は吸血鬼王との会話から、人間を斬ることに禁忌を感じ始めていた。人を殺して何も感じなければ、吸血鬼のような魔物と自分は一緒になる。

 邪悪な人獣になるのだ。

 表に出ると、かなり近い距離で男たちが剣を抜いていた。この街は開拓初期で喧嘩で剣を抜くのは普通なのだ。

 翔一は精霊界を覗く。

 ダーク翔一が、

「あんな奴ら、ぶった斬れ。どうせ、社会のゴミ」

 そういうと、精霊界ポケットにある聖剣を指す。

「それを使うのは魔物相手クマ」

「魔物と変わらんだろ、弱い者いじめしかしない奴らだ」

「それでも、人間を殺すと、魔物に堕ちていくクマ……」

「面倒な奴だ。修業用の木刀でも使ったらどうだ」

「それでも僕が殴ると死ぬかもしれないクマ」

「本当に面倒臭い奴だ。そんなこといってると、死ぬことになる……治癒精霊を木刀に巻いて殴ったら死なないと思う」

「わかった」

 翔一は治癒精霊を呼んで木刀に張り付かせる。そして、精霊界から木刀を抜く。

 翔一が精霊界から木刀を出すと、少しどよめきが起きる。何もない虚空から木刀を出したのだ。

「木刀かよ、剣でやれよ翔一」

 フロールが呆れたようにいう。

「人は殺したくないクマ」

「あまり情け深いのは命取りになるぞ。でも、こんなくだらない喧嘩でやるのも確かにおまえのいう通りかもしれんな」

 フロールは面倒くさくなり、横になって腹を掻く。

「な、舐めやがって」

 リーダー格が顔面真っ青にして激怒した。

 フロールの態度が舐め切っていたのは事実だからだ。

 リーダー格はついに剣を振り上げて翔一に斬りかかる。翔一は少し斬られることにした。

 血が出れば、彼らも気が済むだろう。そう考えたのだ。

 斬撃が降りてくる。翔一はスローモーションのように感じたが、前腕や肩を少し斬られる。

 二度三度と振り下ろされる斬撃を完全には躱さなかった。

「痛い、痛いクマー」

 彼らは意外と力が強く、翔一の木刀は折れてしまった。人獣でも痛みがないわけではない。

 フロールは面倒くさそうにタマゴ転がりで戦から離脱する。

 その時、

「おい、もう十分だろ、やめろ」

 男が一人出てくる。

 サーベルを腰に挿している。

 長い髪に長身。ハーフプレートにマント。

 そして、その顔は思わず男でも見とれる美形だった。

 やや細身の顔に切れ長の目で一瞬周囲を警戒する。

 女冒険者たちや女給たちが息をのむ声が聞こえた。

 翔一は思わず彼の陰に隠れる。

「助けてほしいクマ」

「なんだぁ。正義の味方のつもりか!?」

 リーダー格が猛々しくサーベルの男に迫る。

 普通の男なら、それだけで恐怖するだろう。しかし、

 ヒュン! と白銀の閃光が走った。 

 長髪の男は魔法のようにいつの間にかサーベルを抜いており、その抜いた動作で、ならず者の剣を地に落としていた。

 男たちが驚く間も与えず、恐ろしい速度で両脇の男たちの剣も叩いて地に落とす。

「え? うわ、け、剣が!」

 男たちは驚愕の余り尻餅をつく。

「キャー、エトワール様よ。本当にカッコいいわ」「ヒーローよね。弱い者いじめなんて見逃さないわ」「ああん、素敵」

 女たちの声が聞こえる。

 男たちは魔法のような剣技で剣を地に落とされ、真っ青になる。彼が斬るつもりなら、既に死んでいただろう。

 剣を拾うと、男たちは全力で逃げてしまった。

 大笑いする、冒険者たち。

「さすがだな『疾風剣』エトワール」「調子に乗りすぎだぜあいつらいい気味だ」「なんだ、あの熊、有名な割にたいしたことなかったな」「吸血女をあいつがやったという噂は嘘だな」

 翔一は嬉しそうに援軍を見る。

 長身怜悧、黒い長髪、強い魔力を持ったサーベル。そして、確かに女性が思わずため息をつくような顔だった。細身の鋭い顔。コンラッドのどこか親近感の湧く美男子ぶりとは違う。

「熊よ、あのような奴らに弱みを見せてはいかんぞ」

「ありがとう、お兄さん。僕は翔一クマ」

「俺はエトワールだ。怪我をしたようだが大丈夫か」

「大丈夫クマ」

「そうか……次も助けが来るとは限らん、精進するんだ」

 翔一はうなずく。

 彼は濃紺のマントを翻して、そのまま去ってしまった。

「イケメンの上にヒーロー、カッコいいクマー」

 翔一がエトワールのカッコよさに惚れ惚れしていると、

「おい、仕事とってきたぞ」

 フロールがやってくる。

「カッコ悪いフロールさん来たクマー」

「余計なお世話だ。それよりこれを見ろ」

 その依頼書には『凶悪、虎女退治』とあった。

「これは……」

 翔一は絶句した。

「開拓村に女がふらりとやってきて、幼児を攫って逃げた。城の兵士が捜索した結果、幼児の体の一部が荒野で発見された。女の特徴は三十代くらいの麻色の髪の女。長身。ボロボロの服を着て浮浪者の様……兵士が探索中、人間と虎の中間のような不気味な怪物を目撃」

「まさかエイミーさん……」

「間違いないな」

「思うけど、エパットは町々に人獣を放っていると思うクマ」

「確かに、必ずいたな。北平原城と、トーバック城。偶然かもしれんが」

「この青剣城にも送り付けてきて不思議はないクマ」

「依頼を受ける。しかし、お前は……」

「ボビーさんもエイミーさんもあいつの手下になって、人を殺すことを嫌がっていたクマ」

「殺すしかないぞ、わかっているのか」

「僕が止めるしかないクマ」

 翔一とフロールは仕事の依頼を受ける旨を告げる。

「おいおい、あんたら、あんなチンピラで困ってただろ。自殺行為だぜ」

「いいから、処理しろよ」

 フロールがせかす。

「うーん、明らかな自殺ミッション希望は断れるんだ。誰かと組んでからにしてくれないか」

「しかたがねぇなぁ」

 フロールは冒険者たちを見回す。酒飲んだり騒いだりしている。

 ぐるっと一回り見て、

「雑魚ばっかりじゃねぇか。無理無理、俺たちだけでやる」

 聞こえる声でいい放つフロール。

「なんだとぉこら!」

 血の気の多い奴らが立ち上がる。

「人虎退治に参加してくれるのか、ありがとうお兄さんたち」

 固まる冒険者たち。人虎、人獣は一筋縄ではいかない敵なのだ。

「ち、てめぇらでやれよ」

 睨みつけられたが、やってやるとまでは行かないようだった。

「親爺、いないみたいだから、俺たちだけでやる」

「ちょっと待ちな、タマゴ野郎、聞き捨てならねぇな」

 がっしりした無手の女戦士がやってくる、水着のような軽装鎧を着ている。後ろには仮面をかぶった魔法使い風の男と、僧侶風の小柄な女。

「これはこれは、ビアンカ様。エトワール様は先に上級宿にお帰りになりましたよ」

 主人は手を揉む。

 彼らは今到着したばかりのようだった。埃をかぶっている。

「なんだぁあんたら、人虎退治に参加してくれるのか?」

「ふぅん、人虎かよ。……というかおまえら人間なの?」

 ビアンカが巨大な胸でフロールを圧迫しながら、質問する。

「邪悪な魔法使いの呪いでこんなのになっただけで、本当はイケメンなんだよ。この熊は小僧だがな」

「クマクマ」

「根性だけは認めてやるけど、人虎なんて滅茶苦茶強いぞ」

「そう思うなら手伝ってくれよ」

「どうする、グレゴリー、ポーラ」

 グレゴリーは仮面の男魔法使いで、ポーラは僧侶風の女だ。

「俺は構わん」

 ぼそっとグレゴリーはつぶやく。

「人を苦しめる人虎を野放しにはできませんわ。先進国から来る勇者様一行のつゆはらいも必要です」

 決意に満ちたポーラの顔。決して美女ではないが、強い決意を感じる表情をしている。

「決まったな、タマゴ。俺はビアンカだ。よろしくな、分配は、今いないエトワールを含めると六分割でどうだ」

「いいだろう。あんたらは頼りになりそうだ、フロール・高倉だよろしく。この熊は翔一」

 後ろの二人は報酬など気にしないのか、依頼書を食い入るように見ている。

 そろそろ夕方だった。

「人獣退治となると、準備が必要だ。明日一日十分準備して、明後日の朝に集合して出発してはどうだ」

 グレゴリー、こいつは知能派だった。

「困っている人々がいるのです、あまりのんびりしては……」

 ポーラが渋い顔。

「拙速は禁物だぜ、相手が相手だ」

 ビアンカはグレゴリーを支持する。

「グレゴリーさんに同意だぜ。銀の武器、首を切断する武器がいる」

 フロールも賛同した。

「わかっているさ。いつも持ち歩くようなものじゃないからな、じゃあ明後日会おう」

 ビアンカがそういうと、話は決まる。

 彼らは約束の期日での再会を約して、その場を去った。




お読みいただいている皆様、ありがとうございます。

投稿直後に読み直して、文章の欠落に気が付く現象が起きていますw

慌てて修正しましたが、失敗が多くて申し訳ありません。


評価、ブックマークなど、ありがとうございます。今後もがんばって投稿する所存です。

2020/10/4 微修正しました。

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