人物紹介 (其之二)
【アイウス帝国 & 滅びの刻楷】
★ ニーナ・ヴァレル
アイウス帝国のゼファルス領を統治するドイツ人の御令嬢、ダークブラウンの艶やかな髪が赤を基調としたドレスに映える。並行世界への転移に際して、時間が停止した次元の狭間に囚われ、瑞々《みずみず》しい肉体のまま主観で26万時間ほどを過ごした。
その際、時空間を越えて異なる地球を見続け、古代エルフ族が “滅びの刻楷” と戦うために考案した “機械仕掛けの魔人” などの知識を得る。
性格は打算的で帝国内外から女狐と呼ばれているが、出自を同じくする稀人への同胞意識は高く、元々の地球における国籍を問わず、中核都市ウィンザードの振興地域にある異人街へ受け入れている。
★ ジャックス・アルバート
リゼル騎士国に出向している移民系アメリカ人の技官、並行世界に来て混乱しているところをニーナ・ヴァレルに拾われた。元々の地球に妻子を残していることもあり、同胞達の為に帰還手段を探すというニーナの考えに賛同している。
現在は騎士国にて巨大騎士の製造と配備に尽力しているが、定期的に本国のゼファルス領へ向けた密書を送っており、個人的な忠義と帰属意識はそちらにある。
★ アインスト・レンベルク (乗騎:ベガルタL型 初号騎)
アイウス帝国ゼファルス領の騎士長、前領主と共にギルティア島へ出征した領軍兵の生き残り。絶望的な戦況の中、唯一の光明となった最初期の巨大騎士ジャベリンを目の当たりにして、ニーナ・ヴァレルを信奉する。
当時は騎兵中隊長に過ぎなかったが、優れた騎体適性を示したことに加え、同盟国への技術移転に対する理解も深かったので騎士長に抜擢された。わりと実利主義者であるため最善と思えば、飄々《ひょうひょう》とした態度で冷徹な判断を下すこともある。
★ ラドグリフ・アイゼン (乗騎:クラウソラスK型改)
リゼル騎士国からアイウス帝国ゼファルス領に向かう際、通過しなければならないフォセス領を治める伯爵。筋骨隆々な歴戦の武人であり、ゼノス・ダンベルクとは旧知の中で馬が合う。なお、侍従として屋敷に招いた下級貴族の次女リーディ・バレンシアは彼の愛人も兼ねている。
幼い皇帝を神輿にして好き勝手する皇統派貴族や、“滅びの刻楷” の支配域と隣接するが故にニーナ・ヴァレルから手厚い支援を受け、彼女を信奉する西方三領主とは一線を画す中立派のひとり。
★ ハイゼル・バレンスタイン
アイウス帝国のリグシア領を治める皇統派の侯爵。凝り固まった貴族主義者で血筋や出自を重要視する性格が災いし、胡乱な稀人であるニーナ・ヴァレルが帝国内で力を持つことが許せない。
彼女が異形を食い止めるため西方三領地へ送った援軍や、保有する巨大騎士の矛先が皇統派に向くのではないかと疑念を持ち、戦力低減と暗殺を謀って中核都市ウィンザードへの夜襲を極秘裏に仕掛けさせた。
★ レオナルド・エヴァンズ (騎体:ナイトシェード・羅刹)
アイウス帝国リグシア領の騎士であり、ニーナ・ヴァレルが治める中核都市への強襲作戦の指揮を執った青年将校。生真面目な性格なので、自身が信じる騎士道と綺麗事だけでは侭ならない現実に悩むことも多く、魔導士の少女エルネアに “レオ、考え過ぎちゃダメ” と釘を刺されていたりする。
ゼファルス領内の森林地帯に火を放って陽動となし、中核都市を襲うも…… 偶々《たまたま》、某国の騎士王が居合わせるなどの不運があり、敢え無く任務に失敗した。
★ ファウ・ザゥメル
いつしかリグシア侯爵に取り入り、気が付けば領内に於ける騎体の開発責任者の地位まで上り詰めた妖艶な御令嬢。普段からドレス姿で騎体工房にも出入りしており、色素の薄い肌や銀糸の髪も相まって異性からの人気は高い。
出自はアイウス帝国の西方三領地だと嘯くが、確たる証拠はなく、彼女が持ち得た膨大な巨大騎士に関する知識の出どころも定かではない。任務に失敗して帰投したレオナルド・エヴァンズの騎体を四本腕に改造したのも彼女になる。
★ ガイウス・ディハルド (騎体:“機械仕掛けの魔人” アルゴル)
異形達を指揮する上位種族の一人で、死してなお生き永らえる不死族の騎士。自種族が “滅びの刻楷” に敗れた際に取り込まれ、摂理の盟約に縛られている。ただし、それに関係なく生来の武人であり、闘争の中に生の喜びを見いだす性格らしい。
普段は滅ぼした旧フランシア王国のローヌ・アルブ領における中核都市リオンを根城にしている。浸透計画の一環でリゼル騎士国の大森林に精霊門を建造しようとしたものの、早期に発見されて失敗に終わり、腹いせにストラウス王を殺害した。
★ クライス・リディール (騎体:“機械人形” レブナント)
骸の騎士ガイウス・ディハルドに仕える死霊魔術師。普段は靄のような霊体に外套を羽織った姿でフワフワと浮遊している。錬金術の心得もあるのか、騎士王の刃で切り裂かれた主の鎧を器用に修繕していたが、白エルフ達の技量には及ばない。
乗騎は低空飛行が可能な “機械人形”レブナント で、異形達の影に隠れた状態から浮き上がり、安全圏から魔弾をばら撒くという厄介な相手でもある。
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