前編
黒歴史……黒歴史以外の人生の歴史が無い。そう言っても言い過ぎでは無いぐらいに、色んな事を計画し実行してきた。時には、望んでもいない、やっかい事にも巻き込まれ。事が終わってみると、コントのようなオチが付いたりした事も数多い。
まるで、神様の住んでる世界に【ネタ神】って感じのネタを司る神様が居て、加護や祝福でも受けているかのように。
ちょっと確認してみよう……。
ステータスオープン!
……出なかったか……(笑)
さて……日に3本~5本のお話しを、書き終わったら直ぐに、読者に読まれる時間帯とか、面倒くさい事を一切考慮せず。無差別爆撃をするかのように、特に何も考えずに投稿している、おバカな私。
そんな、おバカ私の今回のエピソードは。
20代後半の頃のお話しです。
みなさんは、アルバイトってした事あります? 今現在進行形で、アルバイトに従事してる読者の方も居る事でしょう。
私は、割りと多くの色んなアルバイトをしてきました。現在は定職に就いていますが。
今回のお話しは、私がアルバイトをしていた、ホストクラブでのお話しになります。
あれは、私にしては、珍しく友人達と一緒では無く、1人で、お世話になった(良い意味で。復讐対象とかではない)先輩の内の1人が、ちょっとしたカクテルなんかも飲めるような、コジャレたBarを出店したと聞き付けて、お店を訪ねた時だった。
別に、お姉ちゃんとか客で来てるんじゃねぇか?
なんて不純な動機は、50%ぐらいしか無かったので(笑)
まぁ、今思えば、花の1つでもお祝いに持って行けば良かったのだが、そんな花輪とか、胡蝶蘭とか買う金も無く、手ぶらで行った。
カウンター席が6~7個だけ置かれた、小さなお店。
残念ながら、私が訪ねた時は、オープンしたてで、全ての席が埋まり、満席だった。
満席だったので、先輩に挨拶だけして、後日、出直そうと思っていたのだが、カウンターの向こう側から、先輩が私に向け。
来い、来い。
と、手招きしていた。
帰りてぇ……客として来てる気分の私は、ものすごく帰りたかった、この状況……100%手伝わされて、コキ使われる。しかも、無償で。
ものすごく良い笑顔で、私を呼び寄せる先輩(何の遠慮も無く、時給も払う必要も無く、後でファミレスで何か食わせてやるだけで、コキ使える、臨時のバイトと言う名のカモが、背中にネギを背負いやって来たのだ。笑顔にもなろう。)
『もふ~お前って本当、タイミングだけは良い奴だよな』
おい! タイミングだけって何だよ?(笑)否定はせんが。
「はいはい……何すればいいんですか?」
相手は、一応先輩。私はちゃんと口調の使い分けと言う物をマスターしている(笑)
『とりあえず中に入って、接客してくれ』
私……トレーナーにGパンなんだが……裏方じゃなく、接客するのか?(笑)
『フードのオーダーが、貯まりすぎてるから、俺が作るから、とりあえず落ち着くまで、接客頼むわ』
くそ! 先輩にしては、実に合理的じゃねぇか。確かに私は、この店のメニューに載ってる、ツマミを把握してないから、作れない。それじゃ、カクテルはどうなんだ?と思うだろう。
カクテルは作れちゃうのだ!(笑)
私、フレアバーテンディングと言う物になってみたくて、真面目に半年ぐらい修行してた事がある。
フレアバーテンディング?? 何それ? って読者の為に簡単に説明すると、酒の瓶やらを、ブンブンとぶん投げたり受け止めたり、グルグル回したりしながら、カクテルを作るバーテンさんの事だ。
何かで目にした事が無いだろうか? 無かったらレンタルDVD屋で【カクテル】ってDVDを借りて見てみて。トム・クルーズが出てるから。
まぁ、そんな訳で、先輩が考え出したカクテルは、作れないが、本とかに掲載された、有名どころのカクテルであれば、ほぼ作れる。正に【適材適所】ってやつだ。
私の思いなど知るよしも無い、カウンターの向こうに座る、お客さん達……。
『ジントニック!』 はいは~い、お待ちくださいね~
『テキーラサンライズ』 りょうか~い
『生ビール』 お~注ぐだけラッキー
『アラウド・ザ・ワールド』 うぉ~材料たくさん使うもん頼むな!面倒くさい(笑)
『マティーニ』 あいよ~ 『あっステアで』 な~に~! 先に言えや! 作っちゃっただろうが!
とまぁ、こんな感じで、すったもんだしてると、時間も遅くなり、チラホラと席に空席も目立ち始めた。
そんな時に、1組のカップルが店に入ってきた。
そして、先輩と男性が楽しそうに話し出す。どうやら、知り合いのようだ。そして、先輩と男性の話は弾み、置いてきぼりの女性の相手は、否応無しに私が(何でカップルの片割れの相手をせなならんのだ、ナンパも出来ん(笑)
そして、2時間ほどかな? 4人で話をしてる時に、男性が、ふと先輩にこう言ったのだ。
『いい、アルバイト君見付けたんだね、でも何で、トレーナーとGパンなの?』
『あっコイツ、バイトじゃないのよ、客で来た後輩、バーテン経験者だから、手伝って貰ってたの』
『うちの店もさ、キッチンの子が辞める予定で、探してるのよねぇ』
『店ってホストクラブだろ? ホストクラブのキッチンだと、フルーツカット出来ないとだから、中々居ないんじゃ?』
『そうなのよ、そこが一番のネック』
等などと話してる、お二人さん、私は、イヤ~な予感をヒシヒシと体中で感じで、ここから消え去りたい。
『あっ! もふ』
ハイ ナンデショウカ センパイ
『フルーツカット出来るじゃんな? お前』
イイエ デキマセン ソンナコト シタコトナイデス
私を、じぃーっと見つめる先輩。
「はい……出来ます……」
そして、私の意思を一切無視して【早急に探すから、見つかるまで手伝って欲しい】と言う事で、私がホストクラブのキッチンに入る事が決まったのであった。