センスオブワンダーなSF小説 その1 「人類皆殺し」「地球の長い午後」「リングワールド」「ナイトランド」「シリウス」「高い城の男」「ノーストリリア」「フェッセンデンの宇宙」
前説
SF小説の特異な魅力を言い表す場合に、しばしば「センス・オブ・ワンダー」という用語が使われます。
このセンスオブワンダーとは?
SF小説独特の「異化作用」を言い表したものです。
作者の想像力の特異性によって読者は思いもしなかった異化世界を垣間見させられる。
その時に生じる驚きというか、、一種の「ぶっとび感」それを
センスオブワンダーというのです。
そんなセンスオブワンダーに満ちあふれた傑作のいくつかを以下に紹介したいと思います。
作品のチョイスの基準は?
もちろん私の独断(偏愛?)によります。
お暇でしたら?
お付き合いくださいませ。
☆人類皆殺し トマス・ディッシュ作
ある時、突然、地球上に緑いろの謎の植物の胞子が宇宙からばらまかれる、それは瞬く間に全地球を覆いつくし、巨大化して既成生物を覆いつくし滅ぼして、
驚異的なスピードで繁茂し、全地球を覆いつくすのだった。
この謎の植物により地球上のほぼすべての生物は絶滅する。
かろうじて生き残った人類は。小さな集落でやっと生き延びていたがそこへも謎の植物が迫っていた。
○地球の長い午後 ブライアン・オールディス
凡そ、、200万年後、地球は自転を止めて、片面は永遠の昼、、もう片面は永遠の夜だった。
かろうじて生き残った人類は、異様に進化した巨大な捕食性の凶暴な植物に囲まれて細々と生き延びていたのだった。これらのグロテスクな食人植物におびえながら人類はやっと生き延びていた。
そのころ月も自転を止めて月と地球の間には巨大な蜘蛛上の生物「ツナワタリ」が蜘蛛の糸をかけて自由に月と地球を行き来していた。
〇リングワールド ラリー・ニーブン作
時は2850年。主人公ルイスは「リングワールド」の探査に向かうことになる。
リングワールドとは、
恒星の周りを幅160万キロの金属構造物が環状に取り巻いているのである。その内面は大気があるという。一体、誰がこんな巨大な構造物を作ったのか?リングワールドに近づくと強力な磁場にとらえられて探査機は墜落、そこはリングワールドの内部だった、そこからリングワールドの探検が始まる。
○高い城の男 ディック
第2次大戦で勝ったのはドイツと日本だった?という仮想歴史SFですよ。
アメリカは今や西半分が日本統治、東半分がナチスドイツの統治下なのですよ。
そこで起こる陰謀とは?そして高い城の男が書いたというSF小説「イナゴ身を重く横たえる」ではなんとアメリカが勝利したという内容だったのですよ。歴史改変SFの傑作、さあそれからどうなるのか?
○ナイトランド ホジスン作
およそ100万年後、太陽は光を弱めて、地球には永遠の暗闇が支配していた。
その闇には異様な進化を遂げた、妖魔がはびこり少数の人類はかろうじて金属ピラミッドの中で生きながらえているのだった。そこへ遠いピラミッドから助けを呼ぶ乙女の声が、
青年は敢然と妖魔のひしめくナイトランドへと旅立ってゆくのだった。
〇シリウス オラフ・ステープルドン作
脳医学の実験で作られた超犬「シリウス」は人間以上の能力を持った犬だった。
脳医学者の幼い娘とともに育ったシリウスは何時しかその娘を愛するようになっていた。
しかし運命の転変で山中に逃げて生活せざるを得なくなったとき、村人はシリウスを
「悪魔犬」と呼び、殺害しようとするのだった。
○ノーストリリア コードウエイナースミス
はるかかなたのノーストリリア星には巨大羊から不死の妙薬が取れる。
この星ではその不老薬を守るため厳しい戒律を住民に課していた、。
そこに住む、少年は野望を抱きやがて地球を買い取るまでに大富豪となる。
地球に降り立った主人公は、猫が進化した美少女クメルとともに冒険に旅立つのだ。
〇フェッセンデンの宇宙 ハミルトン作
私は大学時代の友、フェッセンデンから突然の連絡を受けてその実験室へ行ってみると、
そこには、巨大な金属版に囲まれた空間に精密に作られた人工的な小宇宙があった。
恒星も惑星もすべてミニマムサイズに再現されていたのだ、
そしてなんと、小さな惑星上には、生命が進化しつつあったのだ、
超高倍率顕微鏡で見ると、ミニマム人口惑星上には文明が芽生え始めていた。
フェッセンデンは人工的に重力を変えたり災害を引き起こしたりしてさらに実験を続けようとした。
私は恐ろしくなりやめさせようとするが争ってフェッセンデンを死なせてしまう。
私は悪魔の実験室を逃れて外へ出るが、、ふと夜空を見上げて、、、、
もしかしたらこの宇宙も、誰かが作った人工宇宙で、私もどっかで観察されているのかもしれない、、
と、、思うのだった。