第6円 頼もしい?仲間
二日連続の更新となります。
一悶着を終えて……ハルトはまだガンダの家にいた。
「それでよ兄ちゃん。これは公平な取引なんだが……このカッターっていう刃物を俺に売ってくれはしねぇーか?」
「え?こんなのを買ってくれるんですか?」
ガンダの突拍子のない申し出にハルトは少し驚いていた。
「ああこの技術はすげーぞ。俺にもこんな小さな仕込みナイフは作れねぇ」
「はぁ……そうですか……」
(市販の安物カッターなんだけどなぁ)
「今持ち合わせはねぇからそこに並んでる剣何本かと交換じゃダメか?ダメって言うなら日を改めて買わせてもらうが……取ってちゃくれねぇよな……」
ガンダはしゅんっと残念そうに俯いた。
「いやいやいや逆にこんな立派な剣と交換でもいいんですか?申し訳ないような……」
「何いってんでい異世界のナイフなんて珍しいものそこらの貴族なら100万出すやつだっているだろうぜ」
「100万!」
「あっ余計なこと言っちまった……」
ハルトは目を見開き驚き、ガンダはしくじったという顔をしていた。
「この話聞いて俺には売れんよな……すまなかったな……忘れてくれ」
「いやいやいやガンダの親分の剣ならその倍以上の価値あるものだっていっぱいあるじゃねぇっすか」
「そうっすよ!ライガイドさんの専属鍛冶屋何すよね?それってものすげー事っす」
「よせやい褒めても何も出ねぇぞ」
ガンダはそう言いつつニコニコしながら裏からお茶とクッキーを持ってきた。
「兄貴ちょろいっすね……」
「ああちょろいな」
2人は横で何やらコソコソ言っていた。
「ガンダさん!僕は最初からガンダさんにそのカッターは譲ろうと思ってました。交換ということでしたらぜひお願いします!」
「ほっ本当かい兄ちゃん!それはありがてぇ!」
「それとこれもどうぞ」
ハルトはそう言うとハルトは来ていたポロシャツを脱ぎガンダに渡した。
ちなみにハルトはポロシャツの下にTシャツを着ていた。
「兄ちゃん……これは?」
「さっきガンダさん欲しそうにしてたんであげます!中古ですけど……」
「いや待ってくれ兄ちゃん!俺にはこんな上質な服買う金なんでねぇぜ?」
「いえいえ。ガンダさんにはこのポロシャツを僕からの感謝の印として持っていてほしいんです。本当に助かりました」
そう言いながらキィとロックの方をちらりと見る。
2人は壁まで下がるとペコペコと頭を下げていた。
「それとガンダさんに僕からお願いがあるんですが聞いてもらえますか?」
「兄ちゃんの頼みならなんでも聞くぜ!言ってみてくれ!」
ガンダはポロシャツをたいそう気に入ったのかすぐに身につけてニコニコと笑っていた。
「僕にこの店の賞品を卸す許可をいただけないでしょうか!」
「俺の店の商品をかい?」
「はい!今は買い卸す為のお金も信頼もないと思いますが……絶対将来ガンダさんの商品を売れるにたる店を持ちますのでお願いします!!」
「少し考えさせてくれ……」
なぜなら専属の整備士なんかは数件引き受けたことがあるが自分の店以外で商品を売らせたことがなかったからだ。
まず他の店で売らせたとして大した利益は望めないと思っていたし、自分の作った武器が適当に売られるのは職人としての威厳にも関わってくる。
「すまねぇな兄ちゃん……1日くれや……明日また来てくれた時までには決めとくからよ……」
「そうですか……分かりました。また明日来ますね……」
すぐにいい返事を貰えるとは考えていなかったが少し落ち込んでしまった。
「その話はよ考えるとして持ってく剣を選んでくれや」
ガンダが話を変えるように言ってきた。
「壁にかかってんの全部持って行ってもらっても構わねぇぜ!」
「あははは……んじゃあ……」
強そうな大剣や一目で業物だと分かるようなロングソードなど色々置いていたがハルトの目は一つの剣に釘付けになっていた。
「ガンダさん……この剣はどういった剣何ですか?」
ハルトが指さしたのは片刃で反りと波紋の入った鞘に収められた1本の剣だった。
その見た目は元の世界の博物館などで見る日本小太刀その物であり、鞘には派手な模様もなく漆色のシンプルな見た目である。
「ああ?それか?それは和の國っていう所の武器でな……昔友人に教えてもらった製法で試しに作ってみたのさ。切れ味は申し分ないぜ?」
「和の國!そんな所があるんですか!僕行ってみたいんですけど!!」
ハルトがガンダが退くようなくらい顔を近づけて迫った。
「あ……あーその国な……もう滅びちまったんだよ……生き残りももういないって噂だぜ……」
「え?ガンダさんの友人は……?」
「あいつも50年前のあそこら一体で起こった大災害でくたばっちまったよ……」
ガンダは手を強く握りしめ歯ぎしりをした。
「もしかして黒龍の蒸発琉の大災害っすか?」
ロックの言葉にガンダは静かにうなづいた。
「黒龍の蒸発琉?」
「そうっす!この世界にある歴史的三大生物災害で闇烏の豪嵐雲、皇鯨の銀海波に並んで歴史的に多大な被害を与えた災害っす」
「俺らも爺さんから話だけは聞いたことあるっすけどな……あそこら一体数千キロにあった村や街、国はものの一瞬にして焼け野原にされちまったみたいっすよ……」
ハルトはそれを聞いて身の毛がよだつ感覚に陥った。
そしてここは異世界なのだということを再認識したのだった。
「闇烏の豪嵐雲は1回しか確認されてませんが残りの二つは周期事に起こるからタチが悪いんす……」
4人の会話に沈黙が続いた時急にガンダが笑い出した。
「そんな昔の事言ってもしょうがねぇ!兄ちゃんそれにしたのかい?その武器は自信作だぜ!」
「そっそうですね!僕この武器にしましたよ!ありがたく貰っていきますね!」
「おう!他にはいいのかい?まだまだ足りねぇが……」
「じゃあこの大剣とこちらのナイフをキィさんとロックさんにあげてもいいですか?」
キィとロックはハルトの方を振り返った。
「あっ兄貴何いってんですか?俺らに?ありえねーすよ!」
「そうすっよ!受け取れねーっす!あとさん付け辞めくださいよ!」
2人は両腕を振りながら受け取りを拒否した。
(この2人何だかんだいい奴ぽいんだよなぁ)
ハルトが2人を見てそんなことを思っているとガンダが「ほんとにいいのか?」と聞いてきた。
「はい!これからお世話になるんですし、僕のこと守って貰うために武器欲しいところですしね!」
「あっ兄貴……!一生ついて行来ます!!」
「俺もっす!」
「兄ちゃんがいいならいいけどもよ……お前らちゃんと働けよ!?」
「「はい!」」
「キィ!ロック!これからよろしくね!」
「任せてください!こう見えて顔広いですから俺!」
「頑張りますっす!」
こうしてハルトが2人の心をガッチリと捕まえたその時、店の外からこちらをチラチラと覗く視線があることにこの時はまだ誰も気づいていなかった。
次回待ち受けるのは幸か不幸か……
今回も読んでいただきありがとうございます!
私の地方では連日肌寒い日が続いていますね。
皆様も風邪には気をつけてお過ごし下さい!
それではまた次回で!!
評価、感想、ブックマークお待ちしております!




