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101/138

101:エマージェンシー……!!

とか何とか言ってたら(?)100話越えてた!!

でもって、記念にいただいた……おおぅ!!

sbnb様……ありがとう(T_T)


http://mypage.syosetu.com/795365/


挿絵(By みてみん)


しかも内容にぴったり……!!

義姉さん、美人や……。

「本当に覚えていないのか?」

 聡介は段々と焦りを覚え始めていた。


 流川の町にやってきたのは良いが、篠崎智哉と友永が初めて会った場所がどこなのか、本人もハッキリ覚えていないらしい。


 なんだかやたらと嫌な予感がする。

「確か、この辺りだったと……近くにコンビニが……」


 その時だった。

「刑事さん!!」

 向かいから少年が慌てた様子で走ってくる。時代錯誤な髪型と分厚い眼鏡が印象的で、すぐに覚えてしまった。確か名前は円城寺。


 時刻はもう午後9時が近い。

 こんな時間に学生が、こんなところで何をしているんだ。


 ツッコみたいところは多々あるが、相手の気迫はそれを許さなかった。


「大変です、ちょっと来てください!!」

「どうした?! メガネ!!」

「変なあだ名をつけないでください、って、そんなこと言ってる場合じゃないんです。緊急事態ですよ!!」

 円城寺はかなり焦っている。


「し、篠崎君が大変なことに!!」

「何だって?!」友永が気色ばむ。「おい、どこだ!!」

「こちらです!!」


 少年の後ろを走って行く。そうして到着したのは1階が不動産屋、2階と3階が住居になっている小規模なビルであった。


「今、巷で変態と噂される……広島薬科大学石川教授がこのビルの3階に上って行くのを見ました。302号室だと思います!! そこへ先ほど……」

「智哉が連れ込まれたって言うのか?!」

「いえ、そうではなく……なんて言ったらいいのか……」

「ハッキリしろよ!!」

 友永が円城寺の肩をつかんで激しく揺する。


 するとそこへ思いがけない人物が通りかかった。

「……高岡さん、ちょっといいですか?」

「賢司さん……?」

 なぜか藤江賢司がそこにいた。

「ちょうど良かった。警察に通報しようかどうしようか、少し悩んでいたんです。もしかして思い過ごしかもしれませんが、あのマンションの3階の部屋、調べてみていただけませんか?」

 いきなり何を言いだすのか。賢司が指差した先は、今まさに向かおうとしている場所に違いなかった。


 友永は警戒心を表に出して、

「……どういうことです?」

「時々、未成年の少女があの部屋に一人で入っていくんです。その後にだいたいいつも同じ男性なんですが、中に入って行って、それぞれ時間をずらしてまた出て行くんです。少女はいつも異なる人物で、もしかして組織的な売春行為が行われているのではないかと思いまして」

「なんであんたがそんなことを?」


 すると賢司は頬を歪めるような笑い方をして答える。

「私は仕事の都合で302号室を借りているんですよ」


「情報に感謝します」

 聡介が言い終わるよりも前に、友永は走り出していた。


 ※※※※※※※※※


 ふと目が覚めたら床の上だった。

 智哉は半身を起こし、キョロキョロとまわりを見回す。

 ここは賢司が借りている部屋に間違いない。


 彼に話があって訪ねてきて、背後で扉の開く音が聞こえたから振り帰ると……賢司ではない知らない顔だった。


 幼いあの日に見た、あの汚らしい眼つき……すごくよく似ていた。


「人の顔を見るなり気絶するなんて、どういうことだね?」

 白髪頭の知らない顔の中年男。着ているものは上等のスーツで、腕時計も高級品だとわかる。

「こっちは客なんだぞ? 君も前金をしっかりもらっているのなら、それらしく振る舞ったらどうなんだ? 失礼じゃないか」


 何を言っているんだ? この人。

 自分がしばらく気を失っていたことを、智哉はその時初めて知った。


「あの、どちら様ですか? ここは藤江賢司さんの部屋ですよね?」

 それとも自分が間違えたのだろうか? そんな訳はない。鍵はきちんと合致したのだから。


「何を言っている?」

 話が噛み合わない。

 そうして、またあの嫌な眼で見つめられる。


 その時、玄関ドアのチャイムが鳴った。 

 ドンドンドン!! と、物凄い勢いでドアを叩く音が響く。


「警察だ! 開けろ!!」


 この声はまさか友永さん?!

 あんな適当なヒントでよく、ここがわかったな。


 すると白髪頭の中年男性は盛大に舌打ちする。


「逃げるぞ!!」

 男はなぜか智哉の手をつかんで引っ張った。


 全身を嫌悪感が走る。

「やめてください、離して!!」


 気持ち悪いから、触らないで!!

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