コワス
初投稿です(⌒▽⌒)
試しに投稿してみたしだいなので
プロローグ的なかんじです!
暖かく見守っていただけると幸いです、笑
下らない。
この世は本当に下らない。
特にこの高校という世界は、
目立つだけが生き甲斐のバカでうるさい奴らばかりが強いんだ。
学生の本分は勉強です、我が校の生徒は文武両道の素晴らしい生徒たちです。
てさ、先生たち入学説明会で言ってたじゃん。じゃあさ、真面目に勉強も部活も頑張ってる奴が報われるべきじゃないの?
私みたいなさぁ。
キーンコーンカーンコーン
あおい。たかい。今日の空は。
「あーずっっ!起きろぉおぉ!!」
ふわふわ栗色の毛先をくるんと揺らして、私の視界にはいってくる人形みたいに可愛い女の子。
「あ、美紅ー。おはよぉー。」
うるせぇな、髪の毛視界の邪魔なんだよ切ってやろっかな、うぜぇー
なんて思いは億尾にも出さず、私は呑気な風を装って答える。
「おはよぉー、じゃなくって!おら、購買いくぞぉー!今日、私弁当忘れたってさっきの休み時間に話したじゃんかぁ!」
「あー、そやったねぇ。そーいえば。」
知んねーよ、お前との話とか適当に流してるだけだわ、つか1人で行けねぇのかよ面倒くせぇぇ…。
「もぅ、ほら早く行くよぉ〜っ。いちごスペシャル売り切れちゃうってぇぇ。」
はい出ました、いちごスペシャルぅぅ。量産型ふわふわ女子がうちの購買でよく買うやつぅぅ。いちご食べてる私かわいーとか思ってんだろーなぁ。うげ。
「はいよー。行こうかぁー。」
そう言って購買に向かう私たち。
階段を下っている間も美紅はずっと喋っている。昨日、好きな人と目があったー、好きな人にミサンガ作ってるのー、好きな人とずっとLINE続いてるのー。
くっそどうでもいぃー。好きな人お前からとったら生活の9割空洞化すんだろうな、おい誰かこいつの好きな人と付き合ってくれ、そしたらこいつの話のネタなくなっから。
美紅の話に適当に相槌を打ちながら、階段の窓からなんとなく世間を見つめる。
きれい、だなぁ。
空の高さも光も、
日を全面に浴びてたっぷり膨らんだグラウンドも、
塗装工事を終えたばかりの部室棟の白さも。
簡素で無機なものほど美しい。
「ねぇっ!あず聞いてる??」
ぱちぱちと目をしばたかせ、上目遣いで聞いてくる美紅。
「きいてるよー、まぁやっぱあれだね、かっこいいよね大原くん。」
そう言うと、美紅が目をぱっと輝かせる。
「そうなんだよぉ!もう、ほんと好きすぎるー!」
きったないなぁ。なんか塗りたくってる肌も、ばさばさ黒い塊つけてる目も、もとの色を失った髪の毛も。
汚い汚い汚い汚い汚い。
それでも私は、この汚い塊と決別す
ような真似はしない。
なんでって、平穏無事だからだ。
高校生活において、目立つ可愛いバカの隣は。
やだなぁ。こんな世界。
やだなぁ。外はあんなにも美しいのに。
こんな狭くて息苦しいところで私たちは3年間をすごして、美化して、いい高校時代だったなんて、後に語るのだろうか。
やだなぁ。
高校、という世界とも言えぬ世界を。
私は。
壊してみたいんだ。
本編はじまるまで、あとちょい、かな(⌒▽⌒)