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ことしろ  作者: 無色瞳明
第一章
98/166

消失 Ⅱ

 

 「ヒィィッ」


 「マッスルボンバァァァ!!」


 躍動する筋肉を右肘にこめ炸裂する斧爆弾が黒装束の男に顎を抉る。


 「…うわぁぁ、俺…あれは喰らいたくないわ。」


 「ひ、悲惨だね。」


 「マッスルスパーーーク!!」


 「うわっ、サバ折り…。」


 「ああ、あいつらとやりあうのは今後控えよう。」


 敵を全力で抱きしめる筋肉兄に、敵も味方もなくドン引きする中、弟だけは「さすが兄貴だ。」と感動モード。


 そんな中リオンだけが敵陣後方に現れた、ひょろりと背の高い男を注視していた。


 「…あれは。」


 しばらくするとその男が手を挙げ部隊を後退させていく。


 やっとひくのかと安堵した表情を浮かべたメンバーをよそにリオンが動き出す。


 「お、おいっリオン?」


 リオンは敵の中心へと突っ込んでいく。引き際、敵もしばし唖然としたまま状況を把握しきれずに忙殺してしまっている。


 「とっとめろっ!!」


 スッとその長身に似つかわぬスピードでリオンの前へと躍り出る。


 「かまわん。。」



 『ガキッッ!!』



 お互いの剣がはじけ飛ぶように弾かれる。


 再びの袈裟斬りを簡単に受け止めて長身の男はニヤリと笑う。


 「その程度か?」


 「なにっ!?」


 『ガツン』


 鈍い音とともにリオンの鳩尾みぞおちに衝撃が走る。


 ただの前蹴り、だがそれが避けられぬスピードでリオンにめり込み吹き飛ばされる。


 瞬時に取り囲む敵影を制する男は


 「ひくぞ。」


 させるトドメを放棄したかのようにその場から立ち去ろうとする。


 引きとめようとするリオンだが、状況がそれを許さない。


 取り囲む幾つもの視線、睨みと怒り。取り囲んでいた輪が徐々に開放され、自分は生かされたのだと知る。


 近くに駆け寄る友人の声は届かず、ただリオンは拳を握りしめ地面をおもいっきり殴りつけた。


 「姉さんっ…。」



読んで頂いてありがとうございます。

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