人外の協力者達
「「フンッ!!」」
『ガゴッ!シューーーッ!』
「「どりゃっ!!」」
『ドカッ!シューーーッ!』
…。
「「どっこいせーっ!!」」
『バゴッ!シューーーッ!』
度肝を抜かれる光景に俺は呆然と口を開けたまま立ち尽くしていた。
「くらえ!肉弾プレス!」
「圧殺!斧爆弾!」
響きわたる重低音の爆発音とともに舞い上がるマッスルブラザーズ。
人外というのは彼等のことを言うんじゃなかろうか。
みるみるうちにゴムが圧縮成形されていった。
「ありがとう。助かったよ。だけどあんたら本当に人間か?」
「「フッフハハハハは」」
「我らにとっては最高の褒め言葉だ。」
「我ら兄弟は人を超えた存在を目指している。いわゆるモンスター人だっ!」
うわぁ…さすがネーミングセンスゼロだなこの兄弟。
まぁ自分達をマッスルブラザーズと呼ばせてるだけあるなぁ。
「もういっそ筋肉を苗字にしたらどうだ?」
「「なんだと!!」」
うっまずい…怒ったか?このプレスマシーンを今手放すのはおしい…。
「い、いやまぁじょうだ…。」
『『ガシッ』』
「「素晴らしい考えだ!!」」
俺は簡単に二人に抱え上げられ二三度と胴上げされた。
そのまま丁寧に着地させると二人はこそこそと
「おい、苗字ってただなのればいいのか?」
「苗字の申請はどこでやるんだ?」
「というか兄者、俺達に苗字を名乗る権利があるのか?」
等々マッスル苗字計画が発動されてしまったらしい。
俺は二人に深く心の中で手を合わせ頭を下げてその場を後にした。
――――――
王都 某所
「い、いない?」
「は、はい…どちらにも。」
「どちらにもじゃないっ!!さっさと探せっ!!第十から十三を総動員しろっ。」
「はっはいっ!」
怒鳴りつけた将兵は頭を抱える。
「まさかこんなに早く動くとは…。っこうしている場合ではない。街を封鎖する許可をとらねばっ。」
足早に長い長い廊下を闊歩する。




