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ことしろ  作者: 無色瞳明
第一章
81/166

称号

皆様に感謝を。

 シロに着いて階段をあがるサラサ。


 サラサのシロについての印象はごく一般的なものだった。


 若くして子持ち、血は繋がってないことからも悪い人ではなさそうな感じ。


 顔は、まぁまぁイケメン、面白いことを考えつく子ではある。


 サラサは過去、がっしりとした体型の男としか付き合ったことがなかった。


 身体の線の細い男はタイプではないし、ましてや年下には興味が無い。


 妹のアヤセが興味を持っていることも、逆にシロを男として見れない要因にもなっていた。 



 

 部屋のろうそくに火を灯すシロ。




 妹も物好きだなと思ってしまう。


 変わり者の上、子持ち。


 見た目ひ弱そうだし、実際争い事は得意じゃないと本人も言っていた。


 シロが寝室ではない方の部屋の扉をひく。



 こっちの部屋は初めて見たわ。



 質素ね。机と椅子それと荷物くらいしかない。


 「一応コレなんですけど…。」


 渡された紙を見た瞬間、まず体中が硬直し、次第に手足に痺れていった。


 なにこれ!?これが下着!?


 あからさまなほど布の面積が少ない。


 いくつかに分類された絵はそのどれもが布の面積が少なく股上の部分が鋭角に切れ上がっている。


 こ…これで…隠れるの?


 「……。ッ…。」


 なんか顔が熱い。


 いけない、いけない。


 「ッ…。」


 レース?レースってこれ前が透けるの!?なんてイヤらし…。


 「ッ…。」


 ひっヒモ!?ひもなの?コレどうやって履くの?


 歩いてる時にほどけない?っていうか…。


 どうしてこんなのが想像できるのかしら。


 …タイだわ。


 絶対!ヘンタイだわ!

 


 「い、いいんじゃにゃい?」


 「にゃい?」


 「あ、ああ、いいわ。これで進めて。」


 握りしめそうになったデザインをシロに押し付け階段を駆け下りた。


 「あそこにいたら私まで…ヘンタイになりそうだわ。」


 私の胸の鼓動はまるで幼い頃、いけないことをした時のようにドキドキが止まらなかった。 


読んで頂いてありがとうございます。

評価、ブクマして頂くとより多くの方に読んで頂けるきっかけになり、筆者のモチベーション維持に役立ちます。

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