金髪の悪魔
『ガチャリ……トントントントン』
二階から階段を降りてくる音がする。
気にかけていた姉が一番に気づく。
「あら、もう逢瀬はおわりなの?」
そんなサラサのからかいに、いつもならつっかかってくるアヤセだが、泣き出しそうな顔で姉に問いかける。
「サラ姉…私って老けてるのかな?」
「え?なんで?」
プッおもしろい…。このコって本当に…男運ないわね。
「二つも上に見られた。」
「いいじゃないそのくらい。大人に見えるってことでしょ?」
「あれ?え?そうなのかな?そう?」
相変わらず、コロッコロ変わるわね。まるで子犬みたい。
「あんたは、発育がいいんだから、それ押し付けとけば平気よ。」
「はついくって…。」
羨ましい限りよ。その男好きしそうな胸。尻と足はいらないけど…。
「もう、薬は終ったの?」
「うん。」
「そう。」
けが人を追い詰めるのは趣味じゃないんだけど…。
「アヤセ、コトちゃんの飲み物作ってあげてくれない?」
「ん?わかったぁ。」
よし。
『トントントン…ガチャリ』
ドアから入り込む少ない光に金色の長い髪が透けて思わず見とれてしまう。
「ごめんなさいね、アヤセじゃなくて。」
「どうしたんです?」
「昼間面白いこといってたじゃない?」
「面白いこと…ですか?」
「そう。」
『ガチャリ』
サラサは後ろ手にドアを閉める。
そのままベッドのそばに近寄る。
光が閉ざされた部屋で、窓から入る月の明かりだけでボーッと凹凸のはっきりとしたボディラインが浮かんでくる。
「もっとセクシーな下着ならって言ってたわよね?」
「…。」
「見なさい。」
「え?」
サラサさんは徐々にスカートをたくし上げる。
「サラサさんなにを…!え…。」
「…。」
「…。」
「…かぼちゃ…。」
「いい?私はこの国以外にも旅したことがあるけど、コレ以外の下着なんて見たことないのよ。」
「はいぃ?」
思わず俺は語尾が上がってしまった。
パサッとスカートを下ろすと、不満そうな顔で
「産まれて初めて自分と同じことを考えてる人に出会ったの。私はコレが大っ嫌いなの!コレしかないからしょうがなく履いてるけど、家にいる時は死んでも履かないわ!」
さらりとスゴイカミングアウトしたっ!そして徐々にサラサさんの発する一言一言が熱を帯びていった。
「…なの!だから!あなたの知ってるセクシーな下着を教えなさい!」
「ぐおっ!」
首っ!喉輪!?
今日は女難の相でも出てたのかなぁ。
「わっ、わかりました!わかりましたから!教えますっ教えますって。」
「教えなくていいから作りなさい!」
趣旨変わってるーーー!!
あ…意識が。
読んで頂いてありがとうございます。
私のもう一つの小説【パラダイス ロスト】も、ことしろ同様よろしくお願いします。
http://ncode.syosetu.com/n8658cj/
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