兄妹
閑静な住宅街という感じだろうか。
たしかここは最近開発してされた地区だったな。
「ここかよ…。なんか賑やかじゃないか…。」
目の前に建っている白い壁の一軒家は、一般的な住宅というよりは、店舗を改良したかのような大きさだった。
二人暮らしと聞いていたが、明るい光を覗かせる一軒家からは陽気な声がこだましていた。
「……出直すか。」
「…お兄ちゃん?なんでここにいるの?」
活発そうな金髪のショートカットの髪。
わざとらしいやつだ。
途中まで俺を全く気づかせなかったのは褒めてやるが。
「人を付けといてそれはないだろう?可愛い妹よ。」
「……さすが。ってバレるわよね。ここ?」
「あ?《此処で言い訳をしてもコイツはコイツで色々調べてそうだしな。》…そうらしい…が、どうも取り込み中らしい。出直そ……おいっ!」
妹はそのままズカズカと騒がしい扉へと向かっていく。
「やめとけ!」
「もう!お兄はガサツなくせにこういうところは繊細なんだから。だからあいつらにもいいように言われるのよ。」
両手を腰に当ててプンプンと半怒りしながらおんどん扉へと迫っていく。
『ピクリ』
「…。もう遅いわよ。此処で立ち去ったら逆に怪しいわよ。」
「…。ああ。」
思ったよりやべぇやつが中にいるらしい。この距離で気付きやがった。
妹がいるにしても速すぎる。
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