ドワーフVS修道女
ティファとリオンを今へ招き入れると、むっくりと起き上がったおやっさんが少女と相対していた。
え~。なんであんな険悪。
おやっさんはティファの背後に視線移す。
ビクリと震えるリオンを一瞥し。
「なんだ、お前、蒼炎の女だったのか。」
えっ、呪文?
『フラフラム…レキスシルオーヴァ』
「光よ集え…。」
なんか光った!
まばゆい光がティファの右掌を包む。
「ダメだよ!ティファ!」
リオンが叫ぶ。
…これが魔法?
瞬きもするまもなく、おやっさんがティファの間合いに入り、突き出された右腕をとる。
「まぁまぁだ。」
そう言うと、ティファの小さい体がふわりと宙に浮き後方へと投げられる。
背…背負投げぇぇぇ?
投げられたティファはそのまま後方にいたリオンに受け止められた。
「久しぶりだな。坊主。いや、今は蒼炎?だったか。」
あんたら一体何なんだ。
――――――
リオンさんが直立不動でおやっさんと言葉をかわしている…。
どうやらおやっさんとリオンさんは古い知り合いのようだ。
恐縮している姿を見ると、立場的にはおやっさんのが上なのかな?
そして、ティファは何事もなかったかのように俺の隣で鶏肉やチーズを借りてきたお皿に盛りつけている。
どうやらこういう仕事は慣れているらしい。
ほとんど無言だが、テキパキと仕事をこなしていく姿は第一印象と違う。
「これ…なに?」
「それは魚の干物。」
「魚…。」
「魚を干したものを燻製にしたんだ。魚は嫌い?」
『ぶんぶん』
勢い良く首を振ると二つに下ろした髪が柔らかく揺れる。
「燻製がダメだったら、こっちに普通の干物があるからね。あそこの七輪で焼いて食べて。あ、煙と匂いがすごいから外でね。」
「ん。」
しばらくして、お隣のサラサさんとアヤセさんがやってきた。
アヤセさんは少しふくれっ面で現れ、それでも真っ赤な顔で
「怪我させてごめんなさい。」と謝ってきた。
「こちらこそすいません。あの時は、」とパンツを見たことに触れそうになると、
「もう、それはなかったことにしたから!」と脱兎のごとく居間に走っていった。
その後、テオが何故か複数の布袋を抱えて現れた。
余ったら持って帰るんだそうだ。
どんだけ欲張りなんだテオ。
それをおやっさんに見つかったテオはいつものごとく雷を落とされる事となる。
貴重な時間を私の拙い小説にさいて頂いて有り難うございます。
am1:00にもう一話UP致します。




