イケメンは突然現れる
重い。すげぇ重い。食器類10人分恐るべし。保険かけずにジャストにすればよかった。
「持とう。」
スッと肩が軽くなる。
「あ、リオンさん。」
俺が重そうに担いでいた荷物を片手で軽々持たれるとなんか凹む。
「ありがとうございます。」
帰宅すると酒樽の上におやっさんが座って寝ていた。
いや、あんたもっと別にくつろぐ場所あるだろう。何故そこをチョイスした。
「コレは何処に置けばいいかな?」
玄関から声が掛かる。
あ、あの人も律儀だな勝手に入ってきてもいいのに。
いいトコの出なんだろうか?
「あ、どうぞ!こっちにお願いします。」
リオンさんは荷物をキッチン近くに置くと
「この部屋はいい臭がするねぇ。ああ、シローくんお詫びしないといけないことがあるんだが…。」
そう言うと玄関付近に俺を連れて行く。
リオンは申し訳無さそうに
「すまないんだが、どうしてももう一人着いて来るって聞かなくてね。うちのパーティーメンバーなんだが。」
「構いませんよ。大勢のほうが、楽しいですし。」
「ほっ。そうか、よかったよ。おーい、ティファ。」
ひょこっとリオンの後ろから白い服を着た少女が現れる。
何処にいたんだこの人。
人見知り全開?
そう見て取れる挙動不審さはさておき。
まぎれもなくこの街で最強と言われているチームにこんな少女が。
「えっと、はじめまして。アマクサです。」
「はじめまして、じゃない。」
「え?」
「リオン助けた時…いた。」
ああ、そういえばこの白い修道服…。
あの時、確かに見た気がする。顔までは覚えてないけど。
こんなに幼い少女だったのか。
「あそっか、ありがとう。」
「ん。別にティファは何もしてない。」
「あ、うん。でもありがとう。」
「中、いい?」
「ああ、どうぞ。いらっしゃい。」
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