妖怪
「やあ、テオ。」
「おや、シローさんこんにちわ。いい天気ですね。」
メイン通りで偶然出会ったテオに声をかける。
欲しい木材がある等々の話をしながら工場へと向かう。
おやっさんは開口一番。
「今度は何を始めるつもりだ。」
この人は俺をどう見ているんだろうか。
別に発明のびっくり箱ってわけじゃないんだけどな。
事の詳細を告げると
「酒のツマミに最高である。」
その言葉が決め手となったらしく。
素早くテオに指示を出していた。
数日はかかるかとおもいきや
「ついてこい。今日中に完成させる。」
「いや、そんなに急がなくても…。」
「作る。必ずだ。」
目が血走っている。
ああ、酒か。
あんたうまい酒が飲みたいだけだな。
俺の呆れた顔を無視したまま、俺はこの後数時間木の選別に費やすことになる。
――――――
結局俺とテオはボロボロになるまでおやっさんに引っ張り回され、一日を終えた。
帰宅した俺を見て
「なんだとうちゃん、しかとたたかったのか?」
「コト…父ちゃんは妖怪芋焼酎と戦ったのだ。」
ゆっくり亡霊のように玄関から居間までたどり着くと。
「階段…。まぁいいか。」
『バタリ。』
そのまま居間にうつ伏せになる。
寝よう。
また明日妖怪がやってくる。
この短期間に10万時目指してがんばっていますが、心が折れそうになります。
そのたびにアクセス数が増えているという結果が私を支えてくれてます。
貴重な時間使って読んで頂いてありがとうございます。
次話はpm12:00予定です。




