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ことしろ  作者: 無色瞳明
第一章
3/166

旅立ち

ショートですが、宜しく御願い致します。

 「おい、行くぞ。」

 

 「ん。」


 俺、いや…俺達は、でかい背の高い石の前で跪き手を合わせた後、村の中央に立ち止まっている荷ロバ車へと徒歩を進めた。

 

 「よし、こい。」


 俺は、目の前のガキの両脇に手を入れ軽く持ち上げると、荷車の荷物の上へと乗せる。


 荷ロバ車は、少しデカメのリヤカーにロバを繋げただけのものだ。


 車輪部分は木で、ゴムのクッション性もサスペンションもあったもんじゃない。


 乗り心地は最悪だろうが、それでもコイツは喜んでいるようだった。


 「お前はそこで静かにしてろ。」

 

 「なんかギッシギシいうな!」


 「おう、だから静かにしてろ…暴れるな。」

 

 『ガシッ』


 「あわわわ」

 

 荷車の上で飛び跳ねるガキの頭をグリグリし、先頭のロバを引きながら歩き始める。


 「つか、コイツ振り向くといなくなってそうで怖…」


 「…。」


 「もう、いねぇ…。」


 急いで荷車の後方へ行くと、数メートル後方にしゃがんでいるガキを見つけた。


 振り落としちまったか?とも考えたが、それ程激しく揺らした覚えもない。


 『ダッダッダッ…。』


 とガキが何かを手に走り寄ってきた。


 「父ちゃん、カブトム…。」


 『ドスッ。』


 振り上げた手刀が、ガキの脳天に突き刺さる、所謂脳天唐竹割り。


 「あう」


 「お前はいちいちそんなもんに反応すんな。」


 「大体、いつから俺はお前の父ちゃんになったんだ。」


 この後このパターンの行動と会話が永遠繰り返されることになるとは、俺もこの時思ってもいなかった…。


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