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ことしろ  作者: 無色瞳明
第一章
24/166

おさかな

おはようございます。

本日もみなさんにとって良き日でありますように。

 「またつれた!」


 「大漁だな。」


 この世界には干物という言葉がない。

 見たことがない。


 魚も柿も餅も芋も干さない。


 最高の保存食なのに。


 だから俺は釣った魚をその場で開き、二枚おろしにし塩水につけていく。


 この際、塩分は12-13%。

 

 つける時間は30分。


 川の水で洗いそのまま干していくだけでいい。


 簡単な作業だが、これが旨いのだ。


 ただ焼くだけでもうまいが、チップなどでスモークしてもうまい。


 釣った魚をどんどん干物化していく。酒好きのおやっさんへのおみやげにもなる。


 そう何度も此処に来れるわけでもない。なにせ泊まりこみだし。


 

 「コト。そろそろ魚を用意しろ~。

 ほら、そこにお腹切ったのがあるだろ?」


 「わかった~。」


 コトは魚をつかみ、躊躇なく魚の目に串を突き刺して魚をくねらせていく。


 元の世界の同い年の子供なら、痛そうとか気持ち悪いとか大騒ぎだろうな。


 俺は枯れ木に火をつけ焚き火の用意をする。


 一通り準備が終わると。


 「もう少し釣ってこい。」


 コトは釣りの名人だ。


 釣り針を垂らせばかかる、垂らせばかかるの繰り返し。


 「わかったー!」


 焚き火の周囲に串で刺し塩を振った魚達をならべて地面に突き刺していく。


 「やけたかー?」


 「今刺したトコだろ。」


 「そかー。」


 …。

 

 「やけたかー?」


 お前の時間軸はどうなってる?


 俺はおやっさんに貰った水筒の中身をポットに移し火にかけていく。


 別にぬるくても旨いのだが、やはりコーヒーは熱くないといけない。


 そんなことをしているうちに、魚はいい色に焦げを作り、周囲に食欲を誘う匂いを漂わせ始める。


 「コト!そろそろいいぞ。」


 「やけたかー。こっちもつれたー。」


 うん。コト…。半分くらい川に返してやれ。




読んで頂いてありがとうございます。


ブクマ、評価して頂けると今後の励みになります。



次の更新は正午頃に出来ればと思っております。

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