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ことしろ  作者: 無色瞳明
第一章
20/166

少年

 「ほう。そいつがお前を悩ませてるのか。」


 興味深そうにアグエロは身を乗り出した。


 アグエロの周りにはもう女達はいない。


 「で、そいつはいい女なのか?」


 「いや、男だよ。」


 「…お前。師匠以外の女に興味ねぇやつだとは思ってたが、遂にそっちに目覚めたのか。」


 アグエロは少し大袈裟に、そしてわざとらしくおどけてみせる。


 「冗談だよ。」


 少し睨まれた、アグエロは両手を『パンッ』と叩き再び別の女を呼び寄せた。


 新しいフルーツと酒の入ったデカンタを抱えた女達が再びテーブルへつく。 

 

 「そいつは強いのか。」


 先程とは打って変わった獰猛な猟犬のような鋭い目つきでそう問いかける。


 「強い…とはちょっと違うかな。」


 「なんでぇ。イイ女でもなく、強くもねぇ奴に蒼炎のリーダーが惹かれるとはな。

 何者だ?そいつは。」


 リオンはあの時の少年を思い出す。


 少しだけ線の細い体つき、フードと見下ろす角度のせいで、あまり顔は見えなかったが。


 立ち上がって目の高さまで視線が来た時の吸い込まれそうな黒い瞳は印象的だった。


 強そうには見えなかった。


 だけど誰もが尻込みするような状況で、冒険者でもない少年が絶対不利の状況下で飛び出していく。

 簡単に出来ることではない。


 師匠が昔言っていたっけ『人を見た目で判断するな。』

 本当にその通りだ。


 そういえば、親子と言っていた。それもあるのだろう。


 あの年齢で結婚していてもおかしくはない。この国では普通だ。


 でも、成り行き上とか言っていたっけ。


 自分の子供ではないのか、だがコレもこの国では普通の出来事だ。



読んで頂いてありがとうございます。

みなさんのいい暇つぶしになってくれるといいなと思っています。

ブクマ、評価して頂けると今後続けていく原動力になります。


次は18時更新になります。

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