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ことしろ  作者: 無色瞳明
第一章
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ファッション事情

 

 この世界は面白い。

 俺の記憶が確かならば、中世ヨーロッパのファッションといえば宮廷ファッションが有名だが。

 それは物語の主人公が王であったり、ヒロインがお姫様だったりするだけで一般人は村人Aのような格好と思って間違いない。


 男性はまるで布袋をかぶせたような野暮ったいダルダルの服にボタンや刺繍などの装飾は皆無。

 女性は男性よりはマシだが、引きずるほどのロングスカートが俺達にしてみれば時代錯誤この上ない。


 だがこの世界は面白い。

 

 プリント技術はないもののTシャツ的なものが普通に販売されているし。 

 ある程度の収入さえあれば、ジャケットとシャツ位は揃えられる。

 貴族クラスになれば中世の名残はあるものの別に元の世界で切れない程の奇抜なものはない。

 いや、時々趣味の悪そうな奴は見かけるが。


 修道服やメイド服なども見たかけた事がある。


 こちらでもロングスカートが主流だが引きずるほどの長さではないしひざ下くらいの長さのものもある。


 しいていえば俺達の世界より縫製技術や装飾技術が明らかに劣っている。

 まぁ電動ミシンなんてないんだからしょうがないとは思う。

 基本的に安い服は、一枚の布を縫い合わせるだけなのでバリエーションに乏しいのだ。


 だからサイズが合わないものが多いし、子供服も少ない。


 「だから、作る。」


 一度コトの服を買いに行った時に、本人は頑としてフード付のパーカー希望を譲らなかった。

 

 作るしかない。


 まずはコトを採寸し、ストックのパーカーとTシャツを参考に軽く型紙から作っていった。


 


 やぱ生地が違うと質感が違うな。


 試作で作ったパーカーはこちらで手に入れた、かなり安い生地で作ったものだ。


 ペラペラだ。


 やはりファッションというのはサイズ感も大事だが質感も大事なんだな。


 個人的には満足いかない出来だったが、コトは気に入ってくれたようで頭にフードを被り走り回っている。


 少し厚めの生地でも買ってくるか。


 「おい、コト買い物に行くぞ。」


 「わかった。どこいく?」


 ……。


 こうして徐々にコトの服を試作していくことで俺は無駄に裁縫技術を身に着けていった。


 そしてこれが、この世界のファッション事情を根底から覆す事件を巻き起こすことになる。

 

 だがそれはまだまだ先のお話。




どんな服がこの世界に似合うかな。

そんなことを考えると妄想が止まりません。


みなさんはコトにはどんな服が似合うと思いますか?

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