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ことしろ  作者: 無色瞳明
第二章 学園都市編
133/166

舞台裏

 

 

 華やかなステージ上とは別に、バックステージはある意味戦争だ。


 白熱のステージが繰り広げられている間に、次のアーティストが舞台袖、舞台下に待機する。


 室内とはいえ真夏。熱を帯びたライトやスモーク、ステージ上は軽く三十度を超える。


 暗闇を懐中電灯で案内され、舞台下のカタパルトにスタンバイするアーティストは、頭上の熱気に加え、観客の熱気、風通りの悪さでスタッフにパタパタとタオルやうちわで仰がれながら、ストロー付きのペットボトルから水分を補給する。


 その場でまだ緊張したアーティストが、最終チェックで踊りや歌でステップを踏む、その度にメイクや衣装を直されながら、最高の緊張感を味わう場所に声が響く。


 「北条ことりさん、カタパルトダウンです。」


 カタパルトとは、ステージ上へとアーティストを押し上げたり、ステージから沈むように消えて行く時に使う装置である。


 カタパルトという名の割に、大人三人が手動で押し上げるアナログな装置であったりするわけだが。


 「お疲れ様です。北条ことりさん、すぐニコ生入ります。こちらでーす。」


 「ステージ終わりですぐ生放送とか無理がない?こう感動に浸る時間がほしいんだけど。」


 「すいません。すぐ終わりますので。」


 自分のステージを終え、スタッフらしき男性に導かれ控室の一室でネット中継されている【アニサマニコ生バックステージ生中継】の出演へと急ぐ。


 もちろん衣装は、臨場感を出す為そのままというオーダーだ。


 「もう汗がすごい、水。」


 隣を並走するマネージャーらしき男性がうちわを仰ぎながらペットボトルを渡す。


 手渡されたペットボトルをチューチュー吸いながら


 「アンコールまで何分?」


 「約二十~二十五分です。」


 「アンコールのTシャツラメ入れといてくれた?」


 「はい。ピンクでオーダーどおりです。」


 「そう。」


 「こちらです。」


 案内された扉の前、ことりは一度胸に手を当て深呼吸をする。


 「よしっ。」


 「北条ことり、入ります!」



夜にもう一話更新予定です。

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