きっとまた明日もいい日
「あれ?リオンさん…と蒼炎の。」
「やあ、こんばんわ。悪いけど上がらせてもらってるよ。」
「蒼炎のって…ああそうか、改めても何だが、アウレリオだ。お前の酒のファンなんだ。これからもいろんな酒を作ってくれよ。」
いや…俺は酒屋でも醸造所でもないんだが。
『ドンッ』
何かが腰にへばりついてくる。
「ティファ!?」
『ギュッ』
『ギュッ~~~~』
「グッぐあ…ティ…ファ…ちからちから。」
「とうちゃん!コトにまかせろ~~~!とう!」
「いや、おまえはくるっがあああ。」
後ろからティファの胴締め、前から勢い良く飛び込んできたコトのボディスプラッシュを浴び、上半身は後ろへ下半身は前へ、そのまま無重力を数秒味わった後、きれいな弧を描きジャーマン・スープレックスホールドが完成する。
何なんだお前等ちびっ子は。
「「ご、ごめんなさい。」」
俺は腰と後頭部をさすりながら本日二度目の土下座をうけていた。
コトのムダに高い跳躍力に加え、ティファの力があんなに強いとは…。
つか最後お前投げたよね?綺麗にブリッジしてなかった?
やはり冒険者侮りがたし。
しかし、よく客が来る家だよ。
すごいメンバーらしいけど、俺的にはいまいちぴんとこない…。
リオンさんやティファ、そしてアウレリオさんはこの街の有名人だしわかるんだけど。
おやっさんとは偶然金物屋で知り合っただけで、伝説とかそういうのは後からついてきたもんだしなぁ。
そういや、最近テオ見ないけど元気かな?店には行ってないからなぁ。
まぁ、ディアンジェラさんはなんだかわからないけど、魔法がすごいっていうのは体感済みだから…。
聖獣に至っては損座自体がよくわからない。なんでコイツと一緒に住んでるのか時々不思議になるくらいだ。
アグエロさんとアルフィは王族ぽいし。ぽいというか王族なんだろうけど…そんな感じがしないんだよなぁ。あの二人は…なんか庶民的だし。ただあのヘンタイメイドといい、要注意といえば要注意だな。…色んな意味で。
リオンさん曰く、「こんなメンツ王宮でも揃うことはないよ。」らしいけどね。
やっぱ実感できないのは俺が異世界人だからなんだろうか。
それでもまぁ、楽しいからいいけどね。
きっときっと、また明日もいい日だ。
第一章 終。
第二章開始は、数日頂くかもしれません。
宜しくお願い致します。




