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ことしろ  作者: 無色瞳明
第一章
124/166

おっぱい



 『ガタッ!ダッダッダッダッダッダッ』


 またか…あれ程体拭いてから出てこいと毎日毎日言ってるのに…。


 俺は呆れ気味にため息を付き、ビールを注ぎながらつぶやく。


 「ハァ…おい、コトいつも言ってるだろ?風呂あがりに裸で走りまわる…なっ…?」


 

 「お姉ちゃん!!大変!!コトちゃんが!!」


 「……。コトちゃんが?」


 「コトちゃん女の子だった!!!」


 ………。


 ………。


 「そ、そう…でもあんたの方が衝撃だわ…。ここうちの家じゃないのよ?」  


 そう言われたアヤセは、まだ口をパクパクさせながら、何かを姉に伝えようとあたふたしている。


 タオル一枚で…それも、バスタオルの半分くらいの大きさしかないハーフタオルを、かろうじて下半身に纏っているだけの姿で。


 バタバタと手を動かすそのたびに、二つの双球は抜群の破壊力でブルンブルンとやわらかく揺れる。


 かなりのテンパリっぷりで、身体中ビチョビチョのままだ。


 「ダメだわこの子…。シロ、私はこの子お風呂に戻してくるわ。鍋見ててね。」


 「お姉ちゃんコトちゃん…って、シロ??あれ??…い…。」


 うわ…、なんかすごーく嫌な予感がする。


 とりあえず俺は、素早く床に身を伏せる。


 アヤセとはある程度距離があるし、彼女がティアのように魔法を使えるとは思わない。だが身体が反応するのだ。


 「いやあああああああああ!」


 ………。


 ……。


 …よしっ今回はブラックアウトしない。


 ふと伏せた顔を恐る恐る上げ、周りの状況を確認する。今のところ俺自身に被害はないのだ。…大丈夫。


 顔を上げるとまず真っ赤な顔で身を捩る(よじ)アヤセ。


 一度パーンアップした視線を再びダウンさせると、ヤバイとすぐ気付いた…。


 艶かしくくねくねする濡れた素足…。これじゃまるで…タオルの中を覗くヘン…タッ!? 

 

 「このスケベッ!ヘンタイッ!!」


 俺の顔面に投げつけられたワインボトルがスローで、俺の額に直撃する数秒をスローモーションに感じながら。


 振りかぶった瞬間から上下に激しく揺れ、ぶるんと波を打つアヤセの魅力的なバストに「ブラジャー必要だろ…。」と冷静なことを考えながら俺は闇へと沈殿していった。


 暗転。ブラックアウトは友達だ!石崎くん!


7000UN有り難うございます。

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