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ことしろ  作者: 無色瞳明
第一章
122/166

ビールの評価は?


  

 「うまいっ!!」


 「美味しいっ!!」


 グラスを差し向けた二人から感嘆の声が上がるのに時間はかからなかった。


 「不思議…。」


 そう言いグラスの縁に残る白い泡を指ですくい舐めるディアンジェラさん。


 「なんとも…これがビールというやつか。」


 グラスを昇る気泡を珍しそうに眺めるおやっさん。


 「もっと冷やして出すもんなんですけどね。」


 「冷たいほうが美味しいの?」


 ディアンジェラさんの問に

 

 「好みはあると思いますが一般的にキンキンに冷やして飲むのがうまいです。人によっては常温のがいいって人も居ます…が…。ディ…アンジェラさん?」


 目の前の美女から立ち上る冷気…。


 『ピキッーーーン』


 「え!?」


 グラスを手にしたままディアンジェラさんの手が光彩を放つように光の粒子が募っていく、そして一瞬蒼く光り、グラスが凍った…そして。


 『ピキッパリッ』


 そのグラスを包んでいた氷が一瞬でひび割れ砂のようにサラサラと消えていく。


 「うん!美味しいわね~。」


 「おい、ワシにも頼むぞ。」


 「はいはい。」


 すると同じようにおやっさんがテーブルに置いたグラスを氷結させる。


 これが…魔法。


 今まで何度か見たことはあったけど、冷静にちゃんと目の前で見たのは初めてかもしれない。


 「おい、シロどうしたそんな目を丸くして…目を丸くしたいのはこっちだぞ?ワハハハ。」


 俺はとんでもない顔をしていたんだと思う。


 この世界にいる人達は俺の発想…まぁ実際は俺の発想ではなく俺の世界の発明や発想なんだけど、その技術を素晴らしいと言ってくれるが、魔法という自分にとってはアニメや夢の中でしかなかった、ありえないものを見るとこんな間抜けな顔になるんじゃないかな。だれでも。


 「…いえ、ちゃんと魔法を見たのが初めてだったので、少し感動してました。」


 「そうか?でもまぁコイツの魔法は別物だ。他と一緒にせんほうがいいぞ。」


 「そうなんですか。」


 「ええ~私はふつ~よ~。」


 やぱこの人は特別なんだな。伝説…と呼ばれるのは伊達じゃないってことか。


 「おい、いい加減にそのなまったるいしゃべり方はやめろ…びっくりした時は完全に抜けていたじゃろうが。」


 「え~、だって~これが私の最近のはやりなのよ~。」


 「フン。どんな流行りじゃよ。だいたい似合わん、お前の恐ろしさが国中に広がっている中で、可愛いふりをしてどうする気じゃ。」


 呆れ気味に片目をつぶりながら、中ジョッキ程の大きさのグラスに入った、ビールを一口で飲み干した。


 「か、かわいいふり…!?そんなんじゃないわよ…ア~もうイライラするわね。はい!もういっぱい!!」 


 「うおっ…はい。少々お待ちを…。」


 俺はウェイターか…。


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