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ことしろ  作者: 無色瞳明
第一章
12/166

筋肉兄弟

 


 「…ガキ。なんのつもりだ。」


 道の真ん中、衆人環視の中、おもいっきり剣を突きつけている男が怒鳴り声をあげる。


 細い女性の腰回り位はありそうな筋肉質な腕で、破壊力のありそうな両手剣を軽々片手で持ち突きつけている。

 2メートル近い巨漢の男。


 と


 「コト…じゃない?。」

 

 ああ…。思わず手で顔を覆い、天を仰ぐ。神様ありがとう。


 巨漢の男と睨み合っているのは、気の強そうな女の子。


 「ぶつかってきたは、そっちでしょ!」


 本当に良かった。さっさとコトを見つけて退散しよう。


 「ふざけるな!俺達をマッスルブラザーズと知ってけんかを売ってるのか?」


 ぶっ!マッ…?

 マッスルブラザーズ?


 ヤバ…。すげぇ気になる。


 コトを探しに立ち去ろうと、踏み出した足を一歩だけ逆へと向ける。


 よく見ると剣を突きつけている男の後ろにそっくりさんがもう一人。


 双子?。

 そう見紛うくらいに顔も髪型もそっくりで、装備のたぐいまで色違いで揃えている。


 ヤバイ…。面白すぎる。


 見ただけで腹筋がつりそうになるが、周りはその二人の兄弟の姿を見ても特に気にする様子はない。

 状況を見るに、この二人はこれが通常営業らしい。


 男と女の子の足元にはりんごらしき果物が散乱しており。

 その状況を見るに、男が買い物帰りの女の子にぶつかった感じか。

 どちらにせよ、誰かが助けに入る様子はない。


 そんなことを考えている間も2人の言い合いは続いてるようだ。


 結局、男が折れたのか抜いた剣を収めかけた瞬間。


 「コレ、食っていいのか?」


 「「え?」」


 言い争う男と女の子の真ん中辺りに落ちていた果物を拾いキュッキュッと手の平で拭うとかぶりつく。


 『カプッ!シャリシャリ』


 「あまーい。うまいな。くわないのか?」


 

 おお、神様ジーザス


 お前…なんで今頃出てくる。そして落ちたもん食うんじゃねぇ。



 「それは俺のデザートだぁああああああああ!」

 

 

 筋肉は収めかけた剣を再び勢い良く振りぬく。


 その瞬間


 何も考えることなくコトの前に飛び出した。


 …終わった。


 そう思った瞬間の人の既往というのは曖昧なものである。


 とりあえず生きている。


 俺の目の前に引きつった表情で腕を抑え、剣を落とした。筋肉の固まりがいるくらいで、俺の五体は満足だった。



 「魔法だ!」


 そんな声が周囲から上がった。


 よく見ると右肩の盛り上がった筋肉が薄紫になり、より腫れ上がっている。


 「何か揉め事かい?」


 やさしいイケメンボイスが聞こえ、周囲が騒がしくなる。


 中には黄色い歓声も聞こえてくる所を見ると彼は有名人なのだろうか。


 少し離れたところから放たれたであろう魔法によって俺は助けられた。らしい。




徐々に主要キャラが出てきました。


筋肉が主要かは…。秘密です。

読んで頂いてありがとうございます。

評価していただいた方ありがとうございます。

次は本日12:00予定です。


大変励みになります。

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