翌朝
翌日いつもより早く起きた俺を待ち受けていたのは、空の樽を抱きしめたおやっさん。
そして、何が起こったのか死屍累々…強烈なプロレス技でも受けたかのように色々おかしな方向へ関節を曲げたまま豪快にいびきを書き続ける冒険者達の姿。
アリエッタとアルフィの姿はなく、キッチンには俺には読めない文字で書かれた置き手紙と、綺麗に洗われた皿とグラスが積まれていた。
そこはさすがだななどと思いつつ、俺は残った冒険者の死体達を庭に引きずりぶん投げていった。
「人の酒全部飲みやがって。」
窓を閉めカーテンを閉めるとやっと一息つけたきがした。
見てくれの悪い黒パンを手に取り軽く二人分炙っていく。
だいぶこの世界の食生活にも慣れてきた。パンひとつにしても元の世界と比べれば雲泥の差がある。
それは種類にしても味にしてもだ。
大概、この世界のパンはパサパサしていて微妙に塩味がついてる。
色も白いパンというのはまず見たことがなく、茶色や黒がほとんだ。単純にそれだけを食すならまずいとしかいいようがない。
それでも別に食えないわけじゃないし、卵や肉野菜と一緒に食べれば気にならない程度まで慣れてきた。
まだ米がない事のほうが、俺的には問題だ。
米がなくても死ぬわけじゃないが、米がなければ心が落ち着かないのだ。
そんな事を考えているうちにコトがキツネーズと二階から降りてきた。
普段は一階で寝ているらしいキツネーズだが、さすがに昨日は一階では無理だったらしい。
二人分のサンドウィッチと新たに狐用に塩分を抑えたスモーク肉を皿に盛りコトに渡すが。
「ああ…そうだったな。ソファはぶっ壊れたんだった。今日は立食だ。」
俺とコトは立ったままサンドウィッチと牛乳をキツネーズは皿に盛られたスモーク肉を平らげると。
いつものようにコトとキツネーズは隣人宅へと遊びに出ていった。
今日は、ゆっくりしようか。
それでもソファがないのは不便だなとか考えつつ、二階へ上がろうとした時にコンコンと扉を叩く音がした。
そういえばおやっさんを含め冒険者連中を庭に放置したままだった。
俺は一瞬めんどくさそうに玄関の扉を開ける。
「おやっさん、酒は飲んでも飲ま…。」
「隣に越してきたディアンジェラよ~。」
「…はい?」
「よろしく~。」
そこには、なんか色っぽい綺麗なお姉さんが立っていた。
クリスマスも無事?終わりましたね。
みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
リアルの都合上更新が遅れ気味ですが、年末年始はお許し下さい。




