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金髪男は、ゆっくりと、近づいてくる。
俺は、探知タイプとともに倒れている、フード男を見た。
フード男も探知タイプと同様に倒れている。
あの、ここにいる全員はみな、この男に殺されたのだろうか。
俺は、拳銃に手を差し伸べる。
金髪男が気づく様子はない。
俺は一気に拳銃をつかみ、金髪男に向かって発砲した。
パンと乾いた音は。金髪男をかすっただけだった。
俺はそのまま、2発目を撃とうとする。
金髪男は、まだ、ゆっくりとこちらに向かってくる。
俺は、引き金を引いた。
そして、今度は外さないように、拳銃を両手で持ち、狙いを定めた。
そのまま、俺は、躊躇なく撃った。
しかし、弾は発射しなかった。
どうやら、拳銃に残っていた、弾は、残り一発だったようだ。金髪男も、いつの間にか、目の前に来ていた。
金髪男男は、拳銃を、蹴り飛ばすと、こう言った。
「なかなかおもしろかったぞ。だが、残念だったな。お前はここで死ぬ。そして、お前は、俺のものとなる。」
そういうと、俺の顔面を蹴った。
そのまま、足を俺の頭に押し付けると、今度は俺の、のど元を蹴った。
俺は、吐血する。
「ガハッ!」
しかし、なぜだか、痛みが無い。
ただ、蹴られている感覚がするだけで、不思議と痛みはない。
痛覚が、やられてしまったのだろうか。いや、違う。今なら、こいつに勝てる。
俺は、立ち上がった。
「いまさらあがいても無駄だ!」
金髪男は叫んだ。
そして、俺の腹を殴ってきた。
だが、俺は、金髪男のその右手をつかみ、ひねる。
ギギギと、骨がきしむ音がする。
とうとう、ゴキッという音がした。どうやら、右手首を折ったようだ。
「ぐああああ!!!!」
金髪男は叫んだ。
俺の意識は、ほとんどなかった。
だが、自分の奥底に眠る、何かが、活発に動き回っていた。
そのまま、俺は、金髪男を蹴り飛ばす。
金髪男は、飛んでいく。
そして、反対側の壁にぶつかると、崩れ落ちた。
俺は、近寄っていきこう言った。
「形勢逆転だな。」
正確には、俺が言ったのではなく、俺の奥底に眠る何かが言ったのである。
金髪男は、うなだれている。
俺に眠る何かは、追い打ちをかけるように言った。
「この俺が、貴様を地獄に葬ってやるよ。」
なんとも、厨二臭い言葉だ。
聞いてて笑いが出てくる。
すると、金髪男は、フッ。っと笑い俺を見た。