第64話「ラフマのためなら」
宇宙には表宇宙と裏宇宙があり、ショパンとラフマニノフのいる表宇宙の神は「ミヤザワトモヒデ」が君臨していた。
そして、ミヤザワトモヒデは暴走気味だった。
ラフマニノフの恋人「バイオレット」を一方的に奪い、自分の恋人にしてしまったのだ。
そして、結婚式まであげようとしていた。
ショパンはどうしてもラフマニノフのためにバイオレットを取り返してやりたかった。
しかし、相手は表宇宙の神。
一筋縄ではいかないことは明らかだ。
裏宇宙の神「アイザム・メトロン」
それはミヤザワトモビデの上司。
表宇宙より裏宇宙のほうが上の存在だった。
裏宇宙のアイザム・メトロンに会うしかない。
しかし、簡単に会えるわけがなかった。
しかし、唯一無二のパートナーのラフマニノフのためにショパンは帰ってこれるか分からない裏宇宙へと足を踏み入れる覚悟を決めた。
ショパン「旅行に行きたい!! 一人旅をしたいんだ。だから、それまでエキスパートピアノのことを頼む」
ラフマニノフ「いつも一緒にいるって約束だろ。俺もついていくよ」
ショパン「今回ばかりは一人で行きたい。頼むよ!理由は聞かないでくれよ!!!どうしても僕は行くところがあるんだ!!!」
ラフマニノフ「1ヶ月以上は待てないからな」
ショパン「ラフマ、、、ありがとう」
ラフマニノフはショパンの背中をさすった。
ラフマニノフ「俺に内緒で何かやろうとしているんだろ?? 隠そうとしても無駄だからな」
ショパン「一生の願いだ。詮索しないでくれ。頼む」
こうして、ショパンはラフマニノフにしばしの別れを告げて、裏宇宙へと旅立つ。
裏宇宙は表宇宙の果てから行ける。
以前、、ゲンが言いだしっぺの表宇宙の果て旅行で、シナメルドから宇宙船チョコレートを借りて、、
表宇宙の果てに行ったことがあったから、、スムーズに裏宇宙に行けた。
そのスムーズに行けたのはゲンのおかげだ。
だから、、ショパンはゲンに感謝した。
「ミヤザワトモヒデ」と「バイオレット」の結婚式にラフマニノフが呼ばれていた。
ミヤザワトモヒデが性格悪く、ラフマニノフに見せつけるためだ。
ラフマニノフは深く落ち込んでいた。
愛した女性が無残にも奪われた。
その奪った相手は表宇宙最大の権力者。
ラフマニノフは涙を流しながら、バイオレットのほうを見つめていた。
バイオレットもラフマニノフを心から愛していた。
ラフマニノフを見て、お互いの目線が合い、気まずい雰囲気になった。
結婚式の締めの口づけを交わそうとした瞬間にバイオレットは叫んでしまった。
「イヤー!! 私は!! 私は本当はラフマニノフ様が好きなの!! あなたなんか本気で愛していないわ!! ラフマニノフ様!! 助けて!!」
ラフマニノフは驚いて、勢いよく立ち上がり、バイオレットの目の前へと近寄った。
ラフマニノフ「バイオレット!! よく言った!! 俺もだ!! 俺もお前を愛している!! これ以上ないくらい愛してる!!」
ミヤザワトモヒデの目の前で、ラフマニノフとバイオレットは熱い口づけを交わした。
この結婚式には表宇宙のたくさんの豪華な来賓が来ていた。
バイオレットはもう耐えられなかった。
心からラフマニノフを愛する気持ち、ラフマニノフへの情熱、恋心、愛情があふれだし、我慢の限界をむかえ、本音を叫んでしまったのだ。
どうなってもいい。
ここで本当の気持ちを告白しなければ永遠に後悔する。
そう思った。
ラフマニノフとバイオレットは涙を流しながら、抱き合っていた。
ラフマニノフ「もうどうなってもいい。これでミヤザクトモヒデにどんなにいじめられようが、迫害されようが、エキスパートピアノを潰されようが、どうなってもいい!!!お前と一緒になりたい!!!」
バイオレット「ラフマニノフ様……ありがとう。。あなたのその気持ちだけで、、今まで生きてきてよかったと思うことができる」
結婚式場のたくさんの客は、黄色い歓声を上げて、会場中が盛り上がった。
ミヤザワトモヒデ「お前たち、どういうつもりだ?何の真似だ?こんなことしてただで済むと……」
「ミヤザワ君!!!!」
そこに一人の超大物がいきなり姿を現し、声を張り上げた。
裏宇宙の神「アイザム・メトロン」本人だ。
アイザム・メトロン「ショパンから話は聞いたぞ?ラフマニノフの恋人を無理矢理奪って意地悪しているそうだな。それも同意なしで一方的に。どうなんだ?」
ミヤザワトモヒデ「メトロン様!!!なぜ、ここに?」
アイザム・メトロン「ショパンに聞いたのだ。私がどれだけ曲がったことが嫌いなのか分かっていないようだな!!!ミヤザワトモヒデ!お前は今日付けで、表宇宙の神の職を解任する!!!」
ミヤザワトモヒデ「いや、それだけはやめてください。メトロン様!あんまりです!!!ショパン!!!お前、チクったな!なんてことを!!!」
ショパン「唯一無二の親友のラフマを傷つけ、不幸にする奴はいくら宇宙の神といえど、絶対に許しません!!!本当に愛する者同士が結ばれるべきです!そうでしょ?」
アイザム・メトロン「ミヤザワトモヒデを結婚式場から追い出せ!!!」
ミヤザワトモヒデ「離せ!! 離せ!! ふざけるな!! 俺を誰だと思ってるんだーー!!」
アイザム・メトロンの部下たちが、ミヤザワトモヒデを追い出した。
アイザム・メトロン「私の部下が大変な無礼を働いたな。でも、もう安心したまえ。ミヤザワトモヒデはもうこの表宇宙から永久追放だ」
ラフマニノフ「あなたは一体、何者ですか?? ミヤザワトモヒデにあれだけのことが言えるとは」
ショパン「裏宇宙の代表神で、ミヤザワトモヒデの上司だよ」
ラフマニノフ「ショパン……ありがとう。今回ばかりは本当に助かったよ。。お偉いさんに助けてもらうことも大事なんだなってわかったよ。助けてもらうのは、、何も恥ずかしいことじゃないんだって……」
ショパン「いつも僕を助けてくれたのはラフマじゃないか。僕はラフマに宇宙一幸せになってもらいたいんだよ。助けられたら、、誰でもいいから助け返せばいい。。メトロン様には僕のピアノ曲で感動させてあげるという形で助けるから大丈夫!! メトロン様は僕のピアノ曲の大ファンになったみたいだからね」
バイオレット「ありがとう。ショパン。メトロン様。感謝します」
ラフマニノフ「バイオレット。もう、これで俺たちを邪魔する奴はいない。これからはずっと一緒にいられる」
バイオレット「ラフマニノフ様!!!」
ラフマニノフとバイオレットは強く抱きしめ合った。
ショパンは幸せだった。
たとえ、バイオレットとラフマニノフが一緒にいる時間が増え、自分との時間が減ったとしても、ショパンはラフマニノフが最も幸せと感じることをしてほしかった。
それが本当の友情だと。
本当にラフマニノフが幸せなら、ショパンは自分が一番幸せだったのだ。
「自分がしてほしいと思うことを、何よりもまず人にしてあげたい」
ショパンはラフマニノフの歓喜し、涙を流し、喜ぶ姿をいつまでも見ていた。
喜ぶラフマニノフを見て、自分が一番嬉しかった。




